胆石外来
胆石外来とは | 胆石による痛み | 胆石の治療 |
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胆石外来とは
胆石外来は、胆石症に対する専門外来です。当科では、国立がん研究センター中央病院の肝胆膵外科で専門研修を受けた専門医が担当します。胆石症により強い痛みや発熱をきたすことがあり、早めの手術が必要なことがあります。当院では、迅速に検査をおこなうことにより、重篤な併存症を抱えておられない患者さんであれば、最初の受診から1~2週間で手術をおこなうことができる体制を整えています。
胆のうは肝臓で作られる胆汁という主に脂肪分の吸収を助ける液体を溜めておく小さな袋状の臓器で、肝臓に付着して存在します。その胆のうの働きが何らかの原因で悪くなり、胆のうの中でかたまりを作ってできるものが胆のう結石、いわゆる胆石といいます。日本人では10人に1人、肥満の方では実に4人に1人の割合で胆石を持っていると言われていすが、多くは無症状のまま経過し、その場合は治療をする必要はありません。しかし、胆石により「痛み」が出るようになると、治療が必要になります。
胆石によって生じる「痛み」とは
胆石が胆のう内を動いて生じる「胆石発作」や胆のうに炎症が生じる「胆のう炎」による痛みの場合がります。胆のうは食事(特に脂肪分の多い食事)のタイミングで収縮しますので、典型的な症状としては食後の右季肋部(みぞおちの右側)、心窩部(みぞおち)の痛みがあります。
また、胆石が胆嚢頸部あるいは胆嚢管に詰まる(嵌頓)することにより、急性胆のう炎が発生し、同様の痛みを生じます。急性胆のう炎を発症すると、息を吸っている時に右季肋部を押された痛みで息を吸えなくなる「Murphy(マーフィー)兆候」という特徴的な身体所見を認めることもあります。また、症状が悪化するとCharcot(シャルコー)の三徴と言われる「発熱、黄疸、右季肋部痛」が現れることがあり、さらに悪化すると「ショック、意識障害」の2項目が加わるとReynold(レイノルド)の五徴と呼ばれる症状をきたし、命を脅かす状態になることがあります。
胆石の治療とは
胆石症に対する最も効果的な治療は手術による胆のうの摘出です。胆のうの中から胆石だけを取り出すことは可能ですが、再び胆石ができてしまいますので、働きの悪くなった胆のうを摘出してしまうことがすすめられています。くすりで胆石を溶かす治療も以前は試みられていましたが、効果が悪く、すすめられていません。
胆石に対する手術(腹腔鏡下胆のう摘出術)
手術は原則、腹腔鏡下でおこないます。お腹に4箇所の小さい傷(お臍に12mmが1か所、みぞおちと右脇腹に5mmの傷が3か所 計4か所)をつけ、二酸化炭素でお腹をふくらませておこないます。
胆のうを肝臓から剥がし、胆管との交通路(胆のう管)を切って胆のうを摘出します。
腹腔鏡下胆のう摘出術は90年代から本邦に導入され、急速に普及しました。日本内視鏡外科学会の報告によると2021年度の年間施行件数は3万4千件まで増えています。ほとんどの手術が腹腔鏡下におこなわれており(93%)、合併症は1.22%、開腹移行は3%と比較的安全におこなわれている手術です。
入退院の流れ
- 入院期間は基本的に6日間で、術後の経過により数日間延長する場合があります。
- 入院は手術前日10時です。
- 夕食まで通常の食事で、水分摂取も手術当日の朝6時まで可能です。このように可能な限り絶食期間を短くして手術前後の体の負担軽減に努 めています。
- 術後は翌日朝から水分摂取可能で、昼から食事開始です。
- 創部痛はひどい筋肉痛のように感じる方が多く、鎮痛剤を積極的に使用して歩行しましょう。退院後の日常生活に早期復帰できるよう積極的にリハビリをおこないます。
- 術後2日目に創部のドレッシング剤を剥がしてシャワーに入れます。
- 術後4日目以降に退院です。状態に応じて退院延期する場合がありますので、その場合は医師から入院期間の延長に関しご相談させていただきます。
- 退院当日から入浴可能で、アルコール以外の食事制限は特にありません。
(アルコール摂取は退院後初回外来で再開の是非をお伝えします)
胆石外来 担当医師
診察場所:河北総合病院 本院中央外来
担当医師:箱﨑 智樹
胆石外来を受診するには
胆石外来を受診いただくには、紹介状が必要です。現在かかりつけの先生からの紹介状をご用意の上、ご連絡ください。
紹介状をお持ちの方は以下のページをご確認いただき、ご予約をお取りください。