形成外科・美容外科

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午前
海 暁子◆ 海 暁子◆
午後
海 暁子◆(15:00~)
(第1・3)
レーザー・美容外来

:予約診療 ◆:女性医師
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休診表

8月16日(金) 海 暁子

形成外科・美容外科について

形成外科・美容外科とは

形成外科・美容外科とは、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは外見の整容的な不満足に対して、機能のみならず「形態的(見た目)にもより正常に、より美しくする」ことによって、患者さんの「生活の質 “Quality of Life” 」の向上を目的とする外科系の専門領域です。

対象疾患

顔面などの目立つ部位や、身体の表層の疾患が主になります。疾患ではありませんが、美容医療も行いますので、対象範囲は非常に広くなりますし、一部は他の診療科と重複する部分もありますが、形成外科・美容外科の特徴は、あくまで「外見の整容」を重視した治療です。

当院では、以下の疾患の治療に力を入れていきます。

  • 皮膚・軟部組織の新鮮外傷、熱傷(やけど)
  • 瘢痕やケロイド
  • 顔面骨折、顔面の変形
  • 顔面神経麻痺およびその後遺症
  • 眼瞼下垂症や眼瞼内反症
  • 母斑、血管腫および皮膚軟部腫瘍・耳下腺腫瘍
  • 悪性腫瘍切除後の欠損・変形(乳房再建など)
  • 難治性潰瘍・糖尿病性足潰瘍(フットケア外来)
  • 炭酸ガスレーザーによるほくろやいぼの切除(自費診療)

1.顔面神経麻痺

顔面神経麻痺は、顔面表情筋の麻痺で、顔の片方の筋肉が動かなくなり、眉が上がらない、目が閉じない、笑うと顔が片方にひきつるといった症状が出ます(図1)。目が閉じない(麻痺性兎眼といって、乾燥性角結膜炎による眼痛や失明に至ることがあります)ケース以外は、機能的な障害と言うよりは「外見の異常」によって、患者さんの精神的ハンディキャップになり得ます。

顔面神経麻痺の多くはウィルスによる急性麻痺で、早期の内科的(薬物)治療により治りますが、20%程度に病的共同運動(例えば、口を尖らすと目も閉じる)が残ります(図2)。

脳腫瘍切除後などの完全麻痺では、顔面神経が全く回復しないことがあり、陳旧性麻痺となります。これに対しては、遊離筋肉移植法が勧められます(図3)が、高齢の方などには、吊り上げ術など静的再建術もおこないます。

図1
図1 眉毛が下がる、目が閉じない、笑うと頬がひきつる、口角が下がる
眉毛が下がる、目が閉じない、笑うと頬がひきつる、口角が下がる
図2
図2 顔は動くが、口を尖らすと目も閉じてしまうなど、異常(病的)な運動が起きる
顔は動くが、口を尖らすと目も閉じてしまうなど、異常(病的)な運動が起きる
図3
図3 神経と血管を付けた筋肉を移植して、笑いの表情を再建します
神経と血管を付けた筋肉を移植して、笑いの表情を再建します

2.眼瞼下垂症

上まぶたが下がって前が見にくくなる疾患です。先天性(生まれつき)のものと、後天性のものがあります。特に、高齢化社会が進んでいる日本では、加齢性眼瞼下垂症が急増しています。これは、加齢により上まぶたを引き上げている上眼瞼挙筋の力が弱くなると同時に、上まぶたの瞼板に付いている腱膜がはずれてしまい、筋肉の収縮力が伝わらないため、上まぶたが挙げにくい状態(腱膜性下垂とも呼ばれます)を言います。

典型的な腱膜性下垂症の様子
典型的な腱膜性下垂症(患者さんの許可を得て掲載)
上まぶたが瞳孔にかかっていて前が見え難いため、眉毛を挙げて見ている。また、あごを挙げた状態で見ているので、首の後ろに力がかかり、肩がこる、頭が痛いなどの症状の他、額の皺が深くなる、上まぶたが広くなる、など整容的な変化もでてきます。

腱膜性下垂症の手術
手術法
ゴムが延びているような状態なので、手術はゆるんだ腱膜と挙筋を短縮・前転術をおこないます。

高齢の多くの方は、皮膚も下がっているため、余分な部分は切除しますが、美容外科の「二重まぶた」の手術とは異なりますので、健康保険が使えます。

3.乳房再建

乳がん切除後の乳房欠損は、女性患者さんにとって精神的なダメージが大きな問題です。形成外科・美容外科では、古くより背中や腹部からの皮弁を使って、無くなった乳房を再建してきました。2013年、日本でもシリコンジェルタイプの乳房インプラント(人工乳房)が健康保険給付の対象になりました。

乳房インプラントの種類
素材
・生理食塩水インプラント(脱水の可能性が高い)
・シリコーンインプラント
 ・シリコーンジェルインプラント
 ・コヒーシブシリコーンインプラント

乳房インプラント 表面や形状の違い

乳房再建の流れ
当院では乳腺外科医と共同で、切除と同時に組織拡張器(エキスパンダー)を入れ、切除された乳房部の皮膚を進展した後、数カ月後に乳房インプラントに入れ換えます。なお、乳輪乳頭部は後日、作ります。

乳房再建の流れ

もちろん、当科では自家組織移植(いわゆる皮弁)での再建のご希望にも専門医が対応いたします。

4.美容外科、レーザー医療

詳しくは下記、レーザー・美容外来のページをご覧ください。

レーザー・美容外来についてはこちら

 

診療実績

疾患大分類手技数(件) 2021年度 2022年度 2023年度
外傷 8 1 2
先天異常 12 5 0
腫瘍 77 73 102
瘢痕・瘢痕拘縮・ケロイド 3 5 7
難治性潰瘍 2 0 2
炎症・変性疾患 6 9 10
その他(眼瞼下垂) 62 80 104
レーザー治療 32 25 16

 

医師からのメッセージ

形成外科・美容外科の基本的かつ重要な目的の一つに、「傷(創傷)を早くきれいに治す」ことが挙げられます。今回、河北病院に新設される形成外科・美容外科では、地域の救急外傷治療や慢性潰瘍などにおいて、「傷を早くきれいに治す」ことに貢献したいと思います。また、幾つかの重点的な専門分野において、最先端の医療を提供し、他の病院にはない形成外科・美容外科を育てていきたいと思います。
 

スタッフ紹介

海 暁子

非常勤医師 海 暁子
金沢医科大学卒
日本形成外科学会専門医
日本乳房オンコプラスティックサージャリ―学会医師


 

当科は外科系データベース登録(NCD)をしています

NCDの手術・治療情報データベース事業への参加について

当院は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することをめざすプロジェクトです。このプロジェクトを通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当院が患者さんに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。また、このプロジェクトに関わる個人情報については厳重に管理いたします。何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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