CKD地域連携パス

CKD地域連携パス

CKD 地域連携パスのご案内

慢性腎臓病(CKD)は、末期腎不全への進行と心血管疾患合併のリスクが高く、日本腎臓学会では、推定糸球体濾過率(eGFR) < 50ml / 分 / 1.73㎡のCKD患者さんは、腎専門医による治療介入の必要性を提唱しています。

しかし上記該当のCKD患者さんは、成人人口の約8人に1人と非常に多く、腎専門医のみで診療はできません。近年、かかりつけ医と腎専門医との連携でCKD患者さんを診療するシステムが、全国的に構築されつつあります。

河北総合病院は、地域における中核病院として2008年からCKD地域連携パスを開始しています。CKDの患者さんを、診療所の先生方と連携パス(手帳)を用いて、一緒に診療させていただければと考えております。ご理解の上、ぜひご協力いただければ幸いです。
 

CKDパス導入基準

パス導入基準 eGFR15~40ml/分/1.73㎡(年齢<50歳はeGFR<50)
あるいは男性Cr>1.3mg/dl、女性Cr>1.1mg/dl
eGFR>40でも、蛋白尿が多い(2+以上)、進行性の腎障害
パス除外基準 ・eGFR<15は、短期間で透析導入となる可能性あり、腎専門医でフォローする
・急速進行性腎炎、ネフローゼ症候群など専門医による集中的な治療を要する例
・超高齢、認知症患者さん、腎機能が全く悪化しない患者さんなど

 

杉並CKD連携パス 紹介・連携の流れ

杉並CKD連携パス 紹介・連携の流れ図
 

CKD連携パスにおける役割負担

診療所 従来どおり診療(検査、定期処方など)をおこなってきただきます
腎専門医
(河北総合病院)
腎機能、進行度、患者さんの理解度に応じ、2~6ヵ月おきに受診

【検査・治療】
採決・尿、画像検査、心血管系検査、緊急時の入院加療、計画的透析導入

【指導・教育】
管理栄養士による栄養指導、医師・看護師による患者教育

  診療所
(かかりつけ医)
腎専門医
(河北総合病院)
通院頻度 2週~1ヵ月ごと 2~6ヵ月ごと
主な役割 ホームドクター
緊急時の初期対応・相談
専門コンサルタント
緊急時診療・入院対応
検査 通常の採血・尿検査※ 腎機能を含む専門的検査
心血管系疾患(CVD)評価
治療 定期的薬剤処方※
ESA製剤注射※
診療所の治療内容の確認とアドバイス
栄養指導  
多職種指導  
(生活指導、透析教育など)
※かかりつけの先生と相談の上、当院でおこなうことも可能です。

 

連携のメリット

診療所 ・患者さんは腎専門医を定期的に受診するため安心
・緊急時に入院受け入れ可能
腎専門医
(河北総合病院)
CKD患者さんの数が減ることにより、ひとりに時間をかけて診療・教育が可能になる

 

運用方法

紹介と逆紹介

・ 腎専門医がCKD連携パス適応と判断した場合、診療所の先生にCKD連携パスのご案内用紙とCKD手帳の見本をお送りする。
・ 患者さんにもご案内する。

CKD手帳

・ 診療所の先生、患者さんの同意が得られれば、パス開始となる

患者さんへの説明文書

・ 最初は、腎専門医がCKD手帳に記入し、患者さんに渡す。CKD手帳内容はカルテに保管する。
・ 患者さんは、診療所受診時にCKD手帳を持参し、診療所の先生は、必要事項を記入していただき患者さんに渡し、CKD手帳の内容は、 コピーをとるなどをしてカルテに保管する。

CKDの電子カルテへの記入例1

CKDの電子カルテへの記入例2

CKDの電子カルテへの記入例3

・ CKD手帳の前半は、患者教育シートとなっており、患者指導のツールとして使用可能。

CKD手帳の患者教育シート

・ 年2回 CKD連携の会を開催し、パス症例の検討、アウトカム評価、パスの問題点を検討する。
 

CKD連携パス ご協力の方法

診療所の先生

ご協力くださる患者さんのケースがございましたら、先生から河北総合病院へのご紹介状をお出しください。地域医療連携課へご連絡される場合は、下記の直通番号をご利用ください。

地域医療連携課

TEL:03-3339-2152
月 ~ 土曜日 8:30 ~ 17:00 (祝日除く)
 

患者さん

かかりつけ医療機関からの紹介状をご用意の上、当院の予約コールセンターへお電話をいただき、ご予約ください。
 

予約コールセンター

TEL:03-3339-2892
月~金曜日 9:00~15:30(祝日除く)
※直接お越しになりますと、診療状況により当日診察をおこなえない場合がございます。事前の電話予約をお願いいたします。