放射線腫瘍科

放射線腫瘍科

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放射線腫瘍科について

がん治療の3本の柱は、手術、薬物療法と放射線治療です。近年の放射線治療は技術革新により、他のがん治療と比較して負担が少なく効果が得られる治療となっています。当院では2024年4月に放射線腫瘍科を開設し、新病院で2025年8月から放射線治療を開始いたします。それに先立ち、2025年7月から新規治療患者さんの外来診察と治療準備をおこないます。当院での放射線治療をご希望の方は、現在かかりつけの医療機関より河北総合病院への紹介状をご用意の上、ご受診ください。

当院のがん診療全体に関する情報は、以下の「がん診療センター」ページをご確認ください。

がん診療センターについてはこちら

 

対象となる主な疾患や病態

全身の悪性腫瘍(前立腺がん、乳がん、肺がん、食道がん、膵がん、肝臓がん、子宮がん、脳腫瘍、頭頸部がん、腎がん、膀胱がん、悪性リンパ腫、骨髄腫など)を対象とします。手術と同様にがんの部位に対する治療法で、全身化しているご病状では薬物などの全身療法が優先です。しかし、放射線治療は完治させる治療だけでなく、がんの再発や脳、骨などの転移病巣のつらさを緩和するにも有用です。
また、一部の良性腫瘍、難治性ケロイド、血管腫なども適応になります。
 

主な診療内容

がんなどの病気の診断がついた患者様を院内や院外からのご紹介により治療します。通常は通院で治療し、毎回の治療の時間は数分です(レントゲン写真を撮るのとあまり変わりません)。通院の時間以外はいつもの生活ができるのが利点です。

がんを治す目的の放射線治療の例

前立腺がん

前立腺を切除する手術と同等の治療成績です。6週間程度の外来通院治療が普通ですが、低リスクから中リスクの方では5日で終わる定位照射(ピンポイント照射)もお勧めできます。

乳がん

乳房部分切除後に3-4週間の放射線治療をおこなうことが標準治療です。乳房全摘出後でも再発のリスクが高い方は3-4週間の放射線治療をおこなうことで再発が明らかに減ることがわかっています。

肺がん

早期がんでは4日間の定位照射(ピンポイント照射)が標準です。制御率は8-9割です。進行がんでは6週間くらいかけて治療します。

食道がん

6週間くらいかけて治療します。手術しないので治療後は今までどおりに食事ができます。

膵がん

やや進行した病状では、手術の前に抗がん剤と組み合わせて放射線治療を行うことで治りが良くなることがわかっています。手術が難しい場合も抗がん剤と組み合わせて放射線治療をおこないます。治療期間は6週間程度です。ご病状によっては高い制御率が報告されている重粒子線治療(保険適用)をご紹介できることもあります。

肝臓がん

定位照射(ピンポイント照射)が可能です。標準治療期間は5日です。他の治療で治りが悪い場合、肝臓の機能が弱っている場合などは特にお勧めします。制御率は8割程度です。

膀胱がん

膀胱を取らないで治療できます。治療期間は6週間程度です。

腎臓がん

定位照射(ピンポイント照射)が可能です。標準治療期間は4日です。制御率は8-9割程度です。

のどや口のがん

切らないで治るので手術より優先される場合があります。例えば早期の喉頭がんでは6週間の治療で声は元通りで9割は治ります。

悪性リンパ腫

放射線治療がよく効く腫瘍です。一部の病状では単独で、多くは薬物治療の後におこないます。治療期間は3-5週間態度です。

子宮頸がん

やや進行した手術が難しい病状でも抗がん剤と一緒に治療することで8割程度治ります。

がんの再発を治す目的の放射線治療

手術の後の病気があった場所の再発や転移に対しても6週間程度の放射線治療が有効です。
転移性脳腫瘍で個数が少ない場合は3日間の定位照射(ピンポイント照射)で完全に治る可能性が8-9割あります。
 

がんの再発によるつらい症状の軽減を目的とした放射線治療

骨などに転移して痛みが出ている場合、病変部からの出血がある場合には、痛みや出血を緩和する治療が可能です。治療は1日から4−5日、多くても2週間です。
 

良性の病気に対する放射線治療

良性腫瘍に対する放射線治療

聴神経などの脳神経の良性腫瘍では定位照射(ピンポイント照射)で手術の負担を回避できます。

腫瘍以外の良性の病気に対する放射線治療

ピアスの穴や怪我の傷痕、手術創のケロイドなどは切除術後にすぐ放射線治療を少量おこなうことで再発しなくなります。治療期間は3日です。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)で目が腫れてつらい場合には2週間かけて少量の放射線治療をおこないます。
 

セカンドオピニオン

現在の治療方針にお悩みの方は、セカンドオピニオンも承ります。診療情報提供書をご用意の上、ご相談ください。
 

部長からメッセージ

新病院の開院にともない、杉並区では初となる最新の放射線治療装置を導入し、先端的な放射線治療を開始することとなりました。病変に合わせて放射線を集中し正常組織の照射線量を軽減する機構に優れた装置を導入いたします。当院での放射線治療開始は2025年8月1日を予定しており、新規患者さんの治療準備は7月から開始します。
それ以前は私の前任地である東京女子医科大学病院放射線腫瘍科にて、優先的に放射線治療を施行させていただきます。また、必要に応じて私が客員研究員を勤めているQST病院の重粒子線治療へのご紹介もいたします。
 

スタッフ紹介

唐澤 久美子

放射線腫瘍科部長
東京女子医科大学卒
日本医学放射線学会・日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医
日本医学放射線学会放射線科専門医・研修指導者
日本乳癌学会乳腺専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本癌治療学会臨床試験登録医

芝生 純

放射線治療科科長
北里大学大学院卒
医学物理士
診療放射線技師

 

外来担当医表

放射線腫瘍科

午後
唐澤 久美子◆ 唐澤 久美子◆ 唐澤 久美子◆

:予約診療 ◆:女性医師
※他科を含めた病院全体の外来担当表はこちらをご覧ください

 

休診表

現在休診の予定はございません。