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形成外科・美容外科形成外科・美容外科について

形成外科とは

形成外科とは、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは外見の整容的な不満足に対して、機能のみならず「形態的(見た目)にもより正常に、より美しくする」ことによって、患者さんの「生活の質 "Quality of Life" 」の向上を目的とする外科系の専門領域です。

対象疾患

顔面などの目立つ部位や、身体の表層の疾患が主になります。疾患ではありませんが、美容医療も行いますので、対象範囲は非常に広くなりますし、一部は他の診療科と重複する部分もありますが、形成外科の特徴は、あくまで「外見の整容」を重視した治療です。詳しくは日本形成外科学会ホームページ(http://www.jsprs.or.jp/general/)を参照下さい。

当院では、以下の疾患の治療に力を入れていきます。

 皮膚・軟部組織の新鮮外傷、熱傷(やけど)
 瘢痕やケロイド
 顔面骨折
 顔面の変形
  顔面神経麻痺およびその後遺症
  眼瞼下垂症(特に、加齢性眼瞼下垂症)
 母斑・血管腫および皮膚軟部腫瘍・耳下腺腫瘍
 悪性腫瘍切除後の欠損・変形の治療(乳房再建など)
 難治性潰瘍・糖尿病性足潰瘍(皮膚科と連携します)
 美容外科・レーザー治療、抗加齢・若返り治療

専門外来

1.顔面神経麻痺

顔面神経麻痺は、顔面表情筋の麻痺で、顔の片方の筋肉が動かなくなり、眉が上がらない、目が閉じない、笑うと顔が片方にひきつるといった症状が出ます。目が閉じない(麻痺性兎眼といって、乾燥性角結膜炎による眼痛や失明に至ることがあります)ケース以外は、機能的な障害と言うよりは「外見の異常」によって、患者さんの精神的ハンディキャップになり得ます。

眉毛が下がる、目が閉じない、笑うと頬がひきつる、口角が下がる。

 

顔面神経麻痺の多くはウィルスによる急性麻痺で、早期の内科的(薬物)治療により治りますが、20%程度に病的共同運動(例えば、口を尖らすと目も閉じる)が残ります。

顔は動くが、口を尖らすと目も閉じてしまうなど、
異常(病的)な運動が起きる。

 

脳腫瘍切除後などの完全麻痺では、顔面神経が全く回復しないことがあり、陳旧性麻痺となります。これに対しては、遊離筋肉移植法が勧められますが、高齢の方などには、吊り上げ術など静的再建術も行います。

神経と血管を付けた筋肉を移植して、笑いの表情を再建します。
(当科波利井上級顧問が開発した世界的に有名な方法)

 



2.眼瞼下垂症

上まぶたが下がって前が見にくくなる疾患です。先天性(生まれつき)のものと、後天性のものがあります。特に、高齢化社会が進んでいる日本では、加齢性眼瞼下垂症が急増しています。これは、加齢により上まぶたを引き上げている上眼瞼挙筋の力が弱くなると同時に、上まぶたの瞼板に付いている腱膜がはずれてしまい、筋肉の収縮力が伝わらないため、上まぶたが挙げにくい状態(腱膜性下垂とも呼ばれます)を言います。

上まぶたが瞳孔にかかっていて前が見え難いため、眉毛を挙げて見ている。
また、あごを挙げた状態で見ているので、首の後ろに力がかかり、肩がこる、
頭が痛いなどの症状の他、額の皺が深くなる、上まぶたが広くなる、など整容
的な変化もでてきます。

典型的な腱膜性下垂症(患者さんの許可を得て掲載)
 

手術法:
要するにゴムが延びている状態なので、手術はゆるんだ腱膜と挙筋を短縮・前転術を行います。

 

高齢の多くの方は、皮膚も下がっているため、余分な部分は切除しますが、美容外科の「二重まぶた」の手術とは異なりますので、健康保険が使えます。

下垂した両上まぶた        手術後の状態

 

臨床例(63歳、女性)

術前             術後1年目の状態

(患者さんの許可を得て掲載)
 

3.乳房再建

乳がん切除後の乳房欠損は、女性患者さんにとって精神的なダメージが大きな問題です。形成外科では、古くより背中や腹部からの皮弁を使って、無くなった乳房を再建してきました。2013年、日本でもシリコンジェルタイプの乳房インプラント(人工乳房)が健康保険給付の対象になりました。

形や大きさは健康側の乳房に合わせて選びます。
2013年シリコーンジェル乳房インプラントが健康保険適応となりました。

 

当院では乳腺外科医と共同で、切除と同時に組織拡張器(エキスパンダー)を入れ、切除された乳房部の皮膚を進展した後、数カ月後に乳房インプラントに入れ換えます。なお、乳輪乳頭部は後日、作ります。

 

もちろん、当科では自家組織移植(いわゆる皮弁)での再建のご希望にも専門医が対応致します。

4.美容外科、レーザー、抗加齢医療

一般的な美容外科を、良心的な形成外科専門医が行います。また、抗加齢・若返り医療として、フェイスリフトなどの手術治療の他、レーザーなどを使った老人性色素斑の治療も行います(これらは、基本的に自費診療です)。

上級顧問からのメッセージ

上級顧問 波利井清紀

形成外科の基本的かつ重要な目的の一つに、「傷(創傷)を早くきれいに治す」ことが挙げられます。今回、河北病院に新設される形成外科では、地域の救急外傷治療や慢性潰瘍などにおいて、「傷を早くきれいに治す」ことに貢献したいと思います。また、幾つかの重点的な専門分野において、最先端の医療を提供し、他の病院にはない形成外科・美容外科を育てていきたいと思います。