運動療法
患者さんへのおすすめの運動療法
運動療法について
運動療法は透析患者さんに対して、心機能や低栄養状態、貧血、睡眠の質を改善し、不安をやわらげ、透析効率を改善するなどの効果をもたらすことが明らかにされています。このため、運動習慣がある透析患者さんと運動習慣のない患者さんでは生命予後に有意差があり、週あたりの運動回数が多い人ほど生命予後がよいことがわかっています。
当院では理学療法士とともに透析中に足の運動を実施しています。ベッド上で自転車こぎや足上げ運動などをおこなっていただいております。積極的に足の運動をおこなうことで、転倒や骨折を予防できます。また、透析時間外の運動も3階のリハビリテーション室にてご案内しております。ぜひ日常生活に運動習慣を取り入れ、いつまでも元気に歩ける生活をめざしましょう。
透析のない日の運動のおすすめ
- 30分程度のお散歩、もしくは室内での足踏み運動
- イスからの立ち上がり運動
- 背伸び運動
- 足の運動
運動の方法について
- 息こらえはせず、深呼吸をしながら運動しましょう。
- 「ややきつい」ぐらいの運動量に調整しましょう。
運動に際しご注意いただくこと
- 無理は禁物です。体調がすぐれないときは運動はお休みしましょう。
- 転倒に注意しましょう。履きなれた靴、安定のよい机やイスをご準備ください。
日本腎臓リハビリテーション学会
運動ノート①
膝に痛みがない方の太もも筋力トレーニング
椅子からの立ち上がり運動
- 手の平を下に前ならえします。
- ゆっくり足に体重をかけながら、手を使わずに立ちます。
- 立ち上がったら、またゆっくりをイスに腰をおろします。
- イスは安定のよいものを選んでください。
- 10回を1セットとして、1~2セット繰り返します。慣れてきたら、徐々にセット回数を増やしましょう。
運動ノート②
背伸び運動
- 壁に手をついて背筋を伸ばしましょう。
- まっすぐ上に伸びるよう意識して、ゆっくりとかかとを上げます。
- ゆっくりとかかとをおろします。
- かかとを上げ下げする際は、ふくらはぎの筋肉を使うよう意識しましょう。
- 10回を1セットとして、1~2セット繰り返します。慣れてきたら、徐々にセット回数を増やしましょう。
運動ノート③
足あげ運動
- 横になり、上げる足をまっすぐにのばします。上げない方の足は、膝を立てます。
- 膝が伸びるよう意識しながら、ゆっくりとかかとを上げます。
- 反対の膝くらいまであげたら、ゆっくりとかかとをおろします。
- 足を上げ下げする際は、腹筋を意識しましょう。
- 運動中は息をとめず、ゆっくりと呼吸しながらおこないましょう。
- 左右、各10回ずつを1セットとして、1~2セット繰り返します。慣れてきたら、徐々にセット回数を増やしましょう。
- 運動量は「ややきつい」くらいに調整し、無理はしないようにしてください。
運動ノート④
おしりあげ運動
- 両膝を立てます。足の間は、握りこぶしひとつあけます。
- おしりに力を入れ、ゆっくりとおしりを上げます。
- おしりが浮いたら、ゆっくりとおろします。
- 腰に痛みのない範囲で、上げ過ぎないようにしましょう。
- 腰痛などでおしりを上げるのが難しい場合は、おしりを上げるかわりに、おしりの穴をぐっとしめるよう3秒程度力を入れてください。
- 運動中は息をとめず、ゆっくりと呼吸しながらおこないましょう。
- 10回を1セットとして、1~2セット繰り返します。慣れてきたら、徐々にセット回数を増やしましょう。
- 運動量は「ややきつい」くらいに調整し、無理はしないようにしてください。