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新人広報と学ぶ
副鼻腔炎
~その鼻づまり、もしかして?~

広報課の新人が、創立94周年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは、新人広報 阿佐美です。
先日、友人から「花粉症が長引いていると思ったら副鼻腔炎だった」という連絡がありました。鼻詰まりがあまりにひどいので病院にいったら、そう診断されて驚いたそうです。ところで、鼻腔とは鼻の穴の中のことですよね。では、副鼻腔というのは、どこのことなのでしょう?

 

鼻の役割と構成

鼻の役割には大きく2つあります。
 

①空気の通り道

 

②においを感じる(嗅覚器)

 
そんな鼻の中を構成しているのが「鼻腔」と「副鼻腔」です。
 
「鼻」というと、顔の真ん中にあるパーツ、そして息を吸う・においを嗅ぐ器官という認識だったけど、構成なんて考えたことなかったな。気道の一部のトンネル…だけじゃなかったんだ。

副鼻腔の場所

鼻腔は、鼻の内側にある空間を指します。鼻中隔と呼ばれる薄い骨と軟骨からできた壁によって、左右2つの通り道に分かれています。副鼻腔は鼻の周囲の骨にある空洞で、鼻腔とつながっており、次の4種類があります。

図:鼻の奥にある空間・額の裏側:前頭洞(ぜんとうどう)
・両眼の間:篩骨洞(しこつどう)
・鼻の奥 :蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)
・頬の裏側:上顎洞(じょうがくどう)
 

副鼻腔には、頭の骨の重さを軽くしたり、発声の際に声を共鳴させる役割などがあると考えられています。
 
え!頭の骨の中にそんな空洞が?これ、結構な広さのあるスペースですよね。そこが鼻の孔とつながっていて、行き止まりになっているとは…。では、そこに炎症が起こると、どうなるのでしょう?
 

副鼻腔炎

副鼻腔がなにかしらの原因で炎症を起こした状態が、副鼻腔炎です。俗にちくのう症(蓄膿症)とも呼ばれます。東京新聞の記事によると、副鼻腔炎の患者さんは急性、慢性を合わせると、国内に100万~200万人もいると考えられています。
(参考:東京新聞 TOKYO Web 2021年12月14日 https://www.tokyo-np.co.jp/article/148729
 

副鼻腔炎の症状

ドロっとした、色のついた鼻水

風邪やアレルギー性鼻炎の鼻水は透明でサラサラしていますが、炎症が副鼻腔におよぶと粘度のある黄色の鼻水に変わります。さらに症状が進むと、緑色になることもあります。
 

鼻づまり

副鼻腔内の粘膜が腫れると、鼻腔に通じる小さな穴がふさがってしまいます。また、副鼻腔内粘膜の腫れが続いて慢性化すると、鼻茸(はなたけ)が見られるようになり、鼻腔そのものをふさいでしまいます。
 

鼻水が喉に落ちる

後鼻漏(こうびろう)と呼ばれる症状です。鼻水の一部が喉に回ること自体は誰にでもある生理的な現象ですが、その量が多くなったり粘りが強くなると、不快感をともないます。
 

頭が重い、痛い

副鼻腔内に膿がたまり顔を圧迫することで、頭が重だるい、歯や目、鼻の周りが痛いといった症状が出ることもあります。
 
うわぁ…聞くだけで不快な気持ちになりそうな症状です。ちくのう症の薬はテレビCMでもよく見るし、副鼻腔炎に苦しんでいる人は結構いるようですね。
 

副鼻腔炎の治療方法

副鼻腔炎の診断は、問診で症状を確認し、鼻の中に光を当ててのぞいて見るほか、鼻内視鏡やレントゲン、場合によってはCT検査をおこないます。診断がつくと、抗菌薬による治療を開始します。
 
急性副鼻腔炎は、通常2週間程度の薬の服用で完治します。しかしそれでは治らず、症状が3カ月以上続く場合は慢性副鼻腔炎と診断されます。慢性副鼻腔炎には、マクロライド系の抗菌薬を少量ずつ3ヶ月程服用する薬物療法の他、薬液を細かい霧状にして鼻の奥に送りこむネフライザー治療、内視鏡を用いた手術加療があります。
 
近年では、従来の治療が効きにくい好酸球性副鼻腔炎が増加傾向にあります。
 
3か月も鼻づまりが続くのはしんどそう…せめて「急性」の段階で治したいな。
 
河北総合病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科では、耳用顕微鏡や鼻咽喉頭ファイバースコープ・鼻用直達内視鏡などの画像をモニターに写して診察し、画像をとおしてわかりやすい説明をしています。このような画像機器やCT・MRIなど他のいろいろな検査結果を患者さんと一緒に確認し、病気への理解が深まるよう努めています。
 

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

■診察内容:中耳手術:鼓室形成術、鼓膜形成術、顔面神経減荷術、内耳窓閉鎖術/鼻副鼻腔手術:内視鏡下鼻副鼻腔手術、鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除術・粘膜下下鼻甲介骨切除術、眼窩壁骨折整復術/咽喉頭・頭頸部手術:アデノイド・扁桃腺手術、喉頭微細手術、気管切開、頭頸部良性腫瘍手術/早急な入院治療が必要な疾患:突発性難聴、外リンパろう、顔面神経麻痺、めまい、急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、咽喉頭浮腫、急性喉頭蓋炎/めまい治療:メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎/日帰り手術:鼓膜形成術、鼓膜ドレーン留置術、鼻茸切除、鼻骨骨折整復術、口腔内腫瘤切除、頸部リンパ節生検、鼻レーザー手術
■特色:地域からの紹介患者を断ることなく積極的に受け入れ実施/緊急の入院治療や手術の必要な疾患に柔軟に対応/小回りの利く城西地区の中核病院としての役割
■医師数:常勤5名、非常勤医師4名
■主要機器・設備:経外耳道内視鏡下耳科手術機器/OLYMPUSエンドアーム/ZEISS手術用顕微鏡/内視鏡下鼻副鼻腔手術機器/KARL STORZナビゲーションシステム/CO2レーザー/赤外線眼振画像TV装置

耳鼻咽喉科・頭頸部外科について詳しくはこちら

 

2022.5.11

 


 

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阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 

  • 本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
  • 本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。あらかじめご了承ください。
  • 「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。


 
 
 

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