新人広報と学ぶ
耳鼻いんこう科
~アレルギー性鼻炎~
広報課の新人が、創立92周年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
こんにちは!新人広報 阿佐美です。
河北総合病院 耳鼻いんこう科は、常勤医師5名・非常勤医師2名の計7名の専門医が診療をおこなっています。杉並区をはじめ、近隣の開業医の先生方と連携を図り、地域に密着したフットワークの良い医療をめざしています。今回は、耳鼻いんこう科が関わっている病気「アレルギー性鼻炎」についてご紹介します。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは、鼻や目から入った花粉など特定のアレルゲンを異物とみなし、体内から排除しようとくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状がでる病気のことです。アレルギーとは、ある特定の物質に対して体の免疫機能が過剰に反応してしまう現象のことです。アレルギーはI~IVの型に分かれており、アレルギー性鼻炎は、IgE抗体という抗体(病原体などが体内に侵入してきたときに反応するたんぱく質)が関与する鼻粘膜のI型アレルギー疾患に分類されています。
症状
くしゃみ、鼻水、鼻づまりや目のかゆみの他、のどの違和感、頭痛、頭重感、食欲不振などが起こることもあります。しかし風邪と違い、熱は出ません。
原因
原因物質はたくさんありますが、アレルゲンに曝露されることでアレルギー性鼻炎が出現する点は共通しています。アレルギー性鼻炎は、下記の2つに分類されます。
通年性アレルギー性鼻炎
1年中症状がある場合
原因の90%がダニです。その他にハウスダスト、動物の毛やフケなども原因の可能性があります。
季節性アレルギー性鼻炎
一定の季節に限局して生じる場合
もっとも多い原因は花粉です。この花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎のことを一般的に花粉症と呼んでいます。原因となる花粉は60種類以上ありますが、スギ花粉の飛散が多い日本では花粉症全体の70%がスギ花粉によるものと推測されています。また、ほかの季節に飛散する花粉に悩まされている患者さんも多くいます。
私も花粉症なので、春はとても辛いです。新型コロナウイルスの影響でマスクをする習慣がつきましたが、それでも多少は花粉が入ってしまうので、薬を服用することは欠かせません。最近では、1年中かゆさがある気がします…(涙)
治療方法
病院でおこなう治療には、薬物投与・手術・免疫療法があります。症状や希望にあわせて、治療方法が選択されます。今回は、当院でできるアレルギー性鼻炎の手術について、耳鼻いんこう科部長の清水医師にお聞きしました。
Q1:当院で現在おこなっているアレルギー性鼻炎の手術は?
アレルギー性鼻炎に対しては、「鼻がつまる」と訴える方には内視鏡下レーザー手術、鼻中隔彎曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)もある人には鼻中隔矯正術を追加しておこなっています。
Q2:Q1の手術の内容について教えてください
レーザー手術は日帰りです。鼻の中の下鼻甲介粘膜に、レーザーを照射します。片側2~3分程で終わります。手術の痛みはなく、手術後は鼻の中にガーゼは入れません。小学生でも可能です。
鼻中隔矯正術とは、鼻の中の曲がった軟骨を削り整える手術です。手術時間は1時間程で、全身麻酔下の手術になるので5~6日の入院が必要です。術後止血のため1~3日の間、鼻にスポンジを入れます。スポンジを抜いて、出血などの問題がなければ退院となります。
Q3:手術をおこなうタイミングは?
花粉症の場合、レーザー手術は花粉のシーズン前までにおこなうようにしています。通年性のアレルギー性鼻炎の場合、時期は問いません。ご本人の都合に合わせ手術予定を立てています。
花粉症のシーズン前だと、11月~1月頃におこなうのが良さそうですね!私も来年の冬にチャレンジしてみようかな。
【耳鼻いんこう科】ページはこちら ■診察内容:中耳手術:鼓室形成術、鼓膜形成術、顔面神経減荷術、内耳窓閉鎖術/鼻副鼻腔手術:内視鏡下鼻副鼻腔手術、鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除術・粘膜下下鼻甲介骨切除術、眼窩壁骨折整復術/咽喉頭・頭頸部手術:アデノイド・扁桃腺手術、喉頭微細手術、気管切開、頭頸部良性腫瘍手術/早急な入院治療が必要な疾患:突発性難聴、外リンパろう、顔面神経麻痺、めまい、急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、咽喉頭浮腫、急性喉頭蓋炎/めまい治療:メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎/日帰り手術:鼓膜形成術、鼓膜ドレーン留置術、鼻茸切除、鼻骨骨折整復術、口腔内腫瘤切除、頸部リンパ節生検、鼻レーザー手術 ■特色:地域からの紹介患者を断ることなく積極的に受け入れ実施/緊急の入院治療や手術の必要な疾患に柔軟に対応/小回りの利く城西地区の中核病院としての役割 ■医師数:常勤5名、非常勤医師2名 ■主要機器・設備:経外耳道内視鏡下耳科手術機器/OLYMPUSエンドアーム/ZEISS手術用顕微鏡/内視鏡下鼻副鼻腔手術機器/KARL STORZナビゲーションシステム/CO2レーザー/赤外線眼振画像TV装置 |
阿佐美
プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
※本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
※本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。予めご了承ください。
※「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。