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新人広報と学ぶ
膀胱炎
~泌尿器科~

広報課の新人が、創立93周年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは、新人広報 阿佐美です。
部屋を暖かくしていても、トイレは寒いままだったりしませんか?暖かい部屋から出たくなくて、つい我慢したくなる時も…でも子どもの頃「トイレを我慢しすぎると膀胱炎になる」とよく聞かされました。どうしてそのように言われるのでしょうか?今回は膀胱炎について学びました。

 

膀胱炎の症状

膀胱は、伸縮性のある筋肉でできた袋状の臓器で、成人では300~500mLの尿をためておくことができます。

尿は腎臓で作られ、尿管を通り、膀胱に一時的にたまります。その後、尿道を通って体外へ排泄されます。その膀胱が炎症を起こすのが膀胱炎で、次のような症状が見られます。
 
□排尿の回数が増えた(頻尿)
□排尿時に下腹部に痛みを感じる
□排尿し終えたのにまだ尿が残っているような感覚がある(残尿感)
□尿が白く濁っている
□血が混ざっていることがある(血尿)
 
いずれかの症状がある場合は膀胱炎の疑いがありますので、尿検査をおこない、炎症が起こっていないかを確認します。
 

膀胱炎の原因

膀胱炎の多くは細菌の感染が原因です。

尿道口(尿道の出口)から細菌が侵入し、膀胱の中で増殖することによって起こります。排尿すると炎症を起こした膀胱が縮まり、刺激されるので、痛みが生じます。筋肉が一番縮む排尿の後半~終了後に痛むことが多いです。

膀胱炎を引き起こす細菌の大半は腸内にも常在する大腸菌です。しかし細菌の感染がなくても、膀胱炎を発症する場合もあります。膀胱炎は原因によって種類が分かれますので、次の項目でご説明します。
 
コマーシャルなどでよく「忙しくて疲れている女性」が膀胱炎に困っている様子が描かれますが、確かに、疲れていると抵抗力が低下するし、尿を長く我慢して膀胱にため込んでいると菌に繁殖する時間を与えることになりますね。
 

膀胱炎の種類

単純性膀胱炎

膀胱炎の中で大半を占め、一般的に膀胱炎と言われているのはこの単純性膀胱炎になります。尿道を経て侵入した細菌が膀胱内に感染することで発症します。

男性よりも女性に多く見られます。これは、女性の体は細菌が常在する膣と肛門が尿道口に隣接していることや、男性に比べて尿道が短いなど、発症しやすい環境が備わっているからです。
 

複雑性膀胱炎

基礎疾患によって、繰り返し起きる慢性膀胱炎です。

尿路の異常により尿停滞が起こりやすかったり、細菌が住み着きやすい環境があったり、前立腺肥大症あるいは全身的抵抗力の低下などが基礎疾患となることが多いです。症状は軽症であったり、自覚がないこともあります。
 

間質性膀胱炎

原因がいまだにはっきりとわかっていない膀胱炎です。

細菌やウイルスへの感染が原因でないことははっきりしていて、尿検査をおこなっても尿そのものに異常は見つかりません。膀胱炎の典型的な症状である下腹部の痛みは、尿が溜まると出現し、排尿後には軽減もしくは消失します。

ちなみに間質とは、臓器の本来の生理機能を営む組織以外のことを指す言葉です。
 

出血性膀胱炎

肉眼ではっきりとわかる血尿をともなう膀胱炎です。

多くはウイルス感染またはウイルス感染にともなうアレルギー性炎症により起こります。他には細菌・薬剤・放射線などが原因になります。
 
他にも、放射線照射にともなう放射性膀胱炎、膀胱粘膜に袋ができる嚢胞性膀胱炎、カビ(真菌)による真菌性膀胱炎など、いくつかの種類があります。
 
炎症の原因はいろいろあるのですね。膀胱が炎症を起こしているとわかったら、どんな治療をするのでしょうか。
 

膀胱炎の治療法

膀胱炎の種類や原因に応じた治療をおこないます。

膀胱炎の大半を占める単純性膀胱炎は細菌性のため、抗生剤治療が基本になります。原因となっている細菌に対して有効な抗生物質を服用し、早ければ服用開始から数日程度で症状が改善することもあるなど、比較的短期間で完治する場合がほとんどです。
 
膀胱のさらに奥の腎盂まで細菌が感染すると、腎盂や腎臓が炎症を起こし、腎盂腎炎となることもあります。腎盂腎炎では、発熱と腎臓周囲の痛み、腰痛がみられます。

また、膀胱炎は放置すると重症化する可能性もありますので、できるだけ早めに膀胱・尿道関連の疾患を専門とする泌尿器科、もしくは内科や婦人科を受診しましょう。
 

繰り返す膀胱炎は予防も大切

単純性膀胱炎を繰り返す方は、菌が侵入・増殖しやすい生活習慣がある場合が多いと考えられます。以下のことに気を付けましょう。
 
・水分を多めにとる
・尿を我慢しない
・性行為のあとに排尿する
⇒尿を出すことで、菌が膀胱から押し出されます
 
・排便後は、前から後ろに拭く
・温水洗浄便座を使い過ぎない
⇒菌が尿道から膀胱に入りやすくなる行為を避けましょう
 
・疲労をため込まない
⇒体の抵抗力が落ちると、かかりやすくなります
 

服薬によって短期間で完治するといっても、かからないで済むならそれがなによりですよね!まずは、寒いからといってトイレを我慢することがないようにします。
 
河北総合病院 泌尿器科では、副腎、腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道、陰茎、陰嚢(精巣、精巣上体)の病気を診ています。必要であれば他科とも迅速に連携して必要な診療をおこなっていますので、安心して受診してください。
 

泌尿器科

■診察内容:泌尿器科は、副腎、腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道、精巣の疾患を扱っています/腎臓がんや腎盂尿管がんの腹腔鏡手術や尿路結石、膀胱がん、前立腺肥大症の内視鏡手術などをおこなっています/尿路がんの抗がん剤治療、排尿障害の薬物療法などをおこなっています
■特色:早期の腎がん、腎盂尿管がんに対して腹腔鏡手術をおこなっています/尿路結石に対して、最新のホルミウム・ヤグレーザーを用いた内視鏡手術をおこなっています/前立腺肥大症に対して、グリーンライトレーザーを用いたPVP手術をおこなっています
■医師数:常勤医師:2名/非常勤医師:6名
■主要機器設備:ホルミウム・ヤグレーザー(スフィンクス・ジュニア)/AMS GreenLight HPS

泌尿器科について詳しくはこちら

 

2022.2.9

 


 

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阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 

  • 本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
  • 本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。あらかじめご了承ください。
  • 「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。


 
 
 

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