文字サイズ変更

h1タイトル

新人広報と学ぶ
「整形外科 ~膝が痛い!変形性膝関節症~」

広報課の新人が、創立93周年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは、新人広報 阿佐美です。
厚労省の調査によると、女性が訴える「病気やけが等の自覚症状」は、多い方から腰痛、肩こり、手足の関節が痛む、と続きます(2019(令和元)年厚生労働省国民生活基礎調査)。今回は膝の関節が痛む「変形性膝関節症」について、学んできました。

 

日本人の高齢者2人に1人が罹患

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨の質が低下し、少しずつすり減り、歩行時に膝の痛みが出現する病気です。症状は一気に現れず、何年にもわたって少しずつ進行していくのが特徴です。日本人の高齢者2人に1人は罹患するといわれています。

 

症状

初期 なんとなく膝がこわばる、重くて動かしにくい、はっきりわからないような鈍い痛みを感じるなどの自覚症状が現れますが、しばらくからだを動かしているうちに自然に治まってきます。さらに症状が進むと、正座・階段の上り下り・急に方向転換したときなどに痛みを生じるようになります。
中期 しばらく休んだら治まっていた膝の痛みが、なかなか消えなくなります。正座・深くしゃがむ動作・階段の上り下りなどが、膝の痛みがつらくて難しくなります。関節内部の炎症が進むため、膝が腫れて熱感が生じることがあります。
末期 初期、中期でみられた症状がすべて悪化し、普通に歩いたり座ったりするのも困難になります。安静時にも痛みがとれず、日常生活にも支障をきたします。外観も、O脚変形が目立ってきます。

 
テレビコマーシャルなどを見ていると、膝の痛みに悩んでいる人が多いのだろうなと想像できます。安静にしていても痛むのは、つらいですね。どのような治療方法があるのでしょうか。
 

変形性膝関節症の治療方法 ~保存療法~

程度に応じた治療方法を選択します。治療は、主に「保存療法」と「手術療法」に分けられます。
 

運動理学療法

大腿四頭筋・股関節内転筋など、膝関節周囲の筋力を強化し、膝関節への負担を軽減させます。体重のある方は、膝の負担が大きくなりますので、体重コントロールも必要になります。歩き方が悪い方は、歩容改善をします。また、物理療法として温熱治療や高周波治療などもあります。
 

装具療法

膝にかかる負担を軽減し関節を安定化させるため、足底装具、膝装具、サポーター、杖などを用います。
 

薬物療法

ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs):
痛み物質を抑えたり、痛みを感じる神経を抑えたりすることで痛みをやわらげます。内服薬、坐薬、塗り薬、貼り薬などがあります。
 
神経障害性疼痛治療薬:
痛みを伝える物質(神経伝達物質)が過剰に放出されることを抑えることで痛みをやわらげます。
 
関節内注入療法:
関節に注射をします。副腎皮質ステロイド(CS)やヒアルロン酸(HA)を使います。
 

PRP療法

自己多血小板血漿注入療法は、再生医療の一環として、広くおこなわれつつある治療法です。自分の血液を採取し、遠心分離して抽出した多血小板血漿(PRP)を、膝関節内に注入します。血液中に含まれる血小板・赤血球・白血球などから放出される成長因子や抗炎症性サイトカインの作用で、組織修復効果と抗炎症性作用が期待できます。
 
保存療法をおこなっても痛みが軽減せず日常生活に支障をきたす場合に手術療法が検討されますが、変形を予防するという意味合いで、早めにおこなう場合もあります。
 
いろいろな治療方法があるのですね。PRP療法というのは、自分の血液を使うのだから副作用なども少なそうで期待できます。まだ保険がきかないのが残念です。
 

変形性膝関節症に対する手術治療

手術治療は大きく分けて3つあります。
 

膝関節鏡視下手術

関節の変形が軽度で、半月板の損傷が痛みの主な原因になっている場合におこなわれます。関節鏡(内視鏡)を使い、関節内の軟骨片を取り除いたり、痛んでいる半月板や炎症を起こしている部分的に切除したりします。
 

膝周囲骨切り術

骨を切って変形を矯正する手術です。
 
高位脛骨骨切り術(HTO):
膝関節の下、脛骨近位部を骨切りし、O脚を矯正する手術です。膝関節をそのまま温存してO脚を改善できるため、変形がそれほど高度ではない比較的若年者には非常に有用です。
 

人工膝関節置換術

関節軟骨がすり減ったことにより痛みの原因になっている関節の表面を切除し、人工関節に置き換える手術です。
 
人工膝関節単顆置換術(UKA):
膝の内側にだけ人工関節を入れる手術です。8cm程度の小さな切開で、外側の関節面や前十字靭帯を温存できることから、 入院期間は10日前後ですみます。内側に限局した変形性関節症に限られ、真ん中に通っている前十字靭帯の機能障害がないということが前提になります。
 
人工膝関節全置換術(TKA):
膝は内側と外側のパーツに分かれていますが、全置換術は、その両方を同時に入れ替える手術です。膝関節全体を置き換えることになります。
 
一言に「膝の痛み」といっても、その状態によって様々な治療方法があるということがわかりました。変形性膝関節症の治療についてさらに詳しく知りたい方は、河北総合病院 整形外科部長 吉岡太郎先生がわかりやすくお話ししている動画をぜひご覧ください。
 
膝の痛みに対する治療は、保存治療から手術治療まで、患者さんの年齢、変形の程度、ライフスタイルなどにより、それぞれ異なります。膝の痛みに困っている方は、早めに整形外科医にご相談ください。
 

整形外科

■診察内容:手術治療を中心とした、急性期医療をおこなっております/膝関節、肩関節、股関節などの変性疾患(変形性関節症)に対する人工関節手術/スポーツ障害(ACLや肩関節脱臼など)や肩腱板断裂に対する関節鏡手術/関節リウマチに対する手足の手術や人工関節手術/高齢者の大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折に対する手術/手根管症候群や肘部管症候群などの末梢神経障害の手術/小児肘関節周辺骨折に対する手術/脊椎手術も始めます
■専門外来:膝関節、股関節、肩関節、肘関節、スポーツ、リウマチ、骨粗鬆症
■医師数:常勤医師:5名/非常勤医師:4名

整形外科について詳しくはこちら

 

2021.8.18

 

関連記事

vol.12 新人広報と学ぶ「整形外科 ~肩こりと肩関節疾患~」(2020.10.14)
 

関連動画

■web河北健康教室 Lesson.7「変形性膝関節症の治療」■

河北チャンネルはこちら

 


 

阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 
※本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
※本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。予めご了承ください。
※「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。

 
 
 

TOP