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新人広報と学ぶ
形成・美容外科
~失った乳房の再建~

広報課の新人が、創立92年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報などをご案内いたします。
 
こんにちは!新人広報 阿佐美です。

第7回で乳がんについて学んだ際に、手術で摘出した乳房を再建する科があると知りました。命に関わることとはいえ、女性にとって乳房を取ってしまうというのは、その後の人生において大きな影響があります。乳房の再建について、形成・美容外科について学んできました!
 

乳房再建って?

乳がん切除後の乳房欠損は、女性患者さんにとって精神的なダメージが大きな問題です。乳がんの切除により変形あるいは失われた乳房をできる限り取り戻すための手術を乳房再建術といいます。乳房再建は乳がん治療の一部であり、河北総合病院では乳腺外科と形成・美容外科が緊密に連携を取り診療をおこなっています。乳房再建は手術する時期や手術法が数種類ありますので、手術前に医師とよく相談することが重要です。

がんの治療について考える時に、「その後」についても考えるんだね。仕事や家庭のこと、費用のこと、考えないとならないことがいっぱいだ…
 

どんな方法があるの?

乳房再建の方法は、手術をおこなうタイミングや術式によって、次のように大きく分けられます。
 

タイミング

一次再建:乳がんの手術と同時におこなう方法です。
二次再建:乳がんの手術や化学療法などの補助療法が一段落したところで再建をおこなう方法です。
 

術式

自家組織による乳房再建:自分の体の一部(自家組織)を使用する方法です。
インプラントによる乳房再建:組織拡張器(エキスパンダー)や乳房インプラントなど、人工物を使う方法です。

河北総合病院では乳腺外科医と共同で、切除と同時に組織拡張器(エキスパンダー)を入れ、切除された乳房部の皮膚を進展した後、数カ月後に乳房インプラントに入れ換えます。なお、乳輪乳頭部は後日、作ります。もちろん、自家組織移植(いわゆる皮弁)での再建のご希望にも専門医が対応いたします。

組み合わせを選べるとは思ってなかった!それぞれのメリットやデメリットをしっかり相談して、適したものを納得して選びたいな…
 

健康保険の適用

長い間、乳房再建に健康保険が適用となるのは、自家組織による乳房再建のみでした。
2013年、日本でもシリコンジェルタイプの乳房インプラント(人工乳房)が健康保険給付の対象になりました。2018年の診療報酬改定において「乳腺腫瘍に対する乳房切除術」が追加され、良性腫瘍で乳房を全摘術された方も、インプラントによる乳房再建が保険適用となりました。2020年の診療報酬改定において「遺伝性乳癌卵巣癌症候群患者に対する乳房切除術」が追加され、それにともなう乳房再建も保険適用となりました。また、高額療養費制度も利用できます。

再建手術にも保険が適用されるのね。でも改定のたびに保険適用対象が増えたということは、それだけ該当する人が増えたってことなのかな…やはり乳がん検診はしっかり受けないと!
 

形成・美容外科とは

形成・美容外科とは、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは外見の整容的な不満足に対して、機能のみならず「形態的(見た目)にもより正常に、より美しくする」ことによって、患者さんの「生活の質 “Quality of Life” 」の向上を目的とする外科系の専門領域です。
顔面などの目立つ部位や、身体の表層の疾患が主になります。疾患ではありませんが、美容医療もおこないますので、対象範囲は非常に広くなりますし、一部は他の診療科と重複する部分もありますが、形成・美容外科の特徴は、あくまで「外見の整容」を重視した治療です。

見た目というのは、とてもデリケートな問題だと思います。同じような傷でも、まったく気にしない人もいれば、生活に影響が出てしまう程気にする人もいます。まさに「QOL」にとって、とても重要な診療科ということがわかりました。

河北総合病院 形成・美容外科では、疾患の治療の他に、美容医療もおこなっています。ほくろ、いぼの除去などもご相談ください。
 

【形成・美容外科】ページはこちら
■診察内容:皮膚・軟部組織の新鮮外傷、熱傷(やけど)/瘢痕やケロイド/顔面骨折、顔面の変形/顔面神経麻痺およびその後遺症/眼瞼下垂症や眼瞼内反症/母斑、血管腫および皮膚軟部腫瘍・耳下腺腫瘍/悪性腫瘍切除後の欠損・変形(乳房再建など)/難治性潰瘍・糖尿病性足潰瘍(フットケア外来)/炭酸ガスレーザーによるほくろやいぼの切除(自費診療)
■主要機器・設備/炭酸ガスレーザー

 

2020.9.29

 

阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 
※本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
※本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。予めご了承ください。
※「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。

 
 

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