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新人広報と学ぶ
「成人のそけいヘルニア ~消化器外科~」

広報課の新人が、創立93周年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは、新人広報 阿佐美です。
「ヘルニア」という病名はよく耳にしますよね。椎間板ヘルニア、そけいヘルニア、横隔膜ヘルニア…でも具体的にどんな病気かすぐイメージできる人は少ないのではないでしょうか。そもそも「ヘルニア」とはどういう状態なのかなど、成人のそけいヘルニアを中心に学んできました!

 

ヘルニアとは

ヘルニア(hernia)はラテン語で「脱出・突出」を意味するそうです。臓器の一部または全部が、なんらかの原因によって正常な位置から脱出した状態のことをいいます。
 

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎は頭を支えるための骨で、全部で7つあります。各頚椎の間にあり、上下の骨を繋ぐ役割をしているのが椎間板です。この椎間板の組織が壊れて外に出て、脊髄や神経が圧迫される症状を頚椎椎間板ヘルニアといいます。
 

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎は脊髄の下の部分の骨で、5つあります。これらを繋ぐ椎間板が飛び出て神経を圧迫する症状を腰椎椎間板ヘルニアといいます。
 

そけいヘルニア(成人)

そけいとは足の付け根部分をいいます。そけい部の筋膜が弱くなった部分から、内臓の一部が皮膚の下まで出てくる症状をそけいヘルニアといいます。
 

横隔膜ヘルニア

横隔膜は、肺のある「胸部」と、腸などその他の臓器のある「腹部」を分ける、膜状の筋肉です。横隔膜に穴があき、本来腹部にあるべき腸管や肝臓などの臓器が胸の中に入り込む症状を横隔膜ヘルニアといいます。
 

脳ヘルニア

なんらかの原因で脳圧が高くなった脳の境界や隙間から、脳組織の一部がはみ出す状態を脳ヘルニアといいます。
 
他にも、食道裂孔ヘルニア、腹壁ヘルニア、臍ヘルニアなど、様々なヘルニアがあります。
 
なるほど、そもそも「脱出した状態」のことを指すのですね。だから体のいろいろな部位に起こりえるのだとわかりました。罹患数が多いという、成人の「そけいヘルニア」について、もう少し詳しく聞いてみました。
 

そけいヘルニアはなぜおこるのか

本来お腹の中にある腸などが、なぜ外に飛び出してくるのでしょうか。主な原因は加齢によって内臓や組織を支えている筋膜や筋肉が衰えることにあります。生まれつき組織が弱い方もいるので、加齢による変化だけではなく、若くても発症する可能性があります。また、立ち仕事や、お腹に力のかかる肉体労働などに従事することの多い方は、そけいヘルニアになりやすいとされています。そけいヘルニアは男性に多く、特に中高年男性に多く見られます。
 

そけいヘルニアの原因

先天性のもの 生まれつき、筋膜に穴があいていることによる
加齢によるもの 加齢にともない、筋膜や筋肉が衰えることによる
職業によるもの スポーツ選手など過度な運動、重たいものを持ち上げたり運んだりする仕事、立ち仕事などで腹圧がかかることによる
その他 頻繁な咳(喘息、慢性肺疾患)
妊娠
便秘症
肥満

 

そけい部って、どこ?

そけい部とは足の付け根部分をいいます。このそけい部の中にはそけい管が通っています。そけい管は、男性では睾丸とつながる血管や精管(精子を運ぶ管)を、また、女性では子宮を支えるじん帯を保護しています。

 
なるほど、お腹に力を入れると、その圧で押し出されるイメージでしょうか。内臓が出るって、どういう状態なのでしょう。
 

そけいヘルニアの症状

そけいヘルニアの初期症状

立った時やお腹に力を入れたとき、足の付け根部分が膨らんでくるように感じます。膨らみの大きさは人それぞれで、ピンポン球や鶏卵くらいに感じることもあります。手で押したり、姿勢を横にしたりすると、膨らみは引っ込んでしまうことが多く、違和感や気持ち悪さがあっても、強い痛みを感じることはほとんどありません。
 

嵌頓(かんとん)

膨らみが急に硬くなったり、膨れた部分が押さえても引っ込まなくなることがあり、お腹が痛くなったり吐いたりします。嵌頓とはそけい部に飛び出た腸が筋肉でしめつけられ戻らなくなった状態を指します。非常に危険な状態で、緊急手術が必要となります。

 
痛みがないと、ついついそのまま放置してしまうこともありますよね…。薬や運動などで対応することはできないのかな?
 

そけいヘルニアの治療法

小児のそけいヘルニアは自然に治るケースもありますが、成人のそけいヘルニアは手術以外に治療法はありません。成人は大きさや再発かどうか、前立腺手術後かどうかなどで開腹手術と腹腔鏡手術を使い分けます。そけいヘルニアはがんなど悪性疾患とは違い、必ずしも生命に危険をもたらす病気ではありません。しかし、放置すれば大きくなって悪化し、腸の組織が壊死してしまうこともありますので、症状が悪くならないうちに手術を受けることが重要です。
 
そけいヘルニアになんとなく気づいていても、いざ病院にとなるとハードルが高いと感じて、我慢してしまっている方は多いのではないでしょうか。しかし、受診したらその場ですぐ手術をするわけではありません。まずは検査のうえ確実な診断を受け、本当にそけいヘルニアなのかどうかを調べることが重要です。
 
強い痛みが出てその場で緊急手術になるより、症状が悪くならないうちに計画的に手術をするのがベストなのだろうけれど…もしかしたら進行が遅くてそこまで悪くなることはないかもしれないなどと考えがち。もしそうなったら、ひとりで抱え込まないで、医師に相談するべきでしょうね。
 
河北総合病院には、そけいヘルニアの治療をより体の負担を少なく安全におこなうために、そけいヘルニア専門の「そけいヘルニア外来」を開設しております。そけいヘルニアの診療は、専門外来だけではなく、通常の一般外科外来でもおこなっております。時間の都合のつかない方や急ぎ受診を希望される方は、消化器外科へご相談ください。
 

消化器外科

■診療内容:消化器全般(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・肝臓・膵臓・胆嚢・胆管など)の良性・悪性疾患の手術および内視鏡治療/腹腔鏡などの鏡視下手術を積極的に導入しています/大腸がんに関しては治療件数も多く、東京都がん診療連携協力病院に認定されています/救急外科診療(虫垂炎・胆嚢炎・消化管穿孔・腹膜炎・消化管出血など)/肛門疾患(痔核・肛門周囲膿瘍・痔瘻・直腸脱など):専門外来あり/消化器悪性腫瘍に対する抗がん剤治療:専門医在籍/がん終末期の緩和ケア(チームあり)
■外来診療:常勤医師8名/抗がん剤治療(外来点滴治療室)
■主要機器設備:腹腔鏡手術装置/超音波診断装置(鏡視下用あり)/上下部消化器内視鏡/ICG蛍光血流測定装置 など

消化器外科について詳しくはこちら

そけいヘルニア外来について詳しくはこちら

 

2021.9.8

 

阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 
※本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
※本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。あらかじめご了承ください。
※「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。

 
 
 

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