新人広報が伝える
リウマチ・膠原病科
~膠原病ってどんな病気?~
広報課の新人が、創立92周年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
こんにちは!2020年度中途入社の新人広報 阿佐美です。
膠原病(こうげんびょう)ってご存知ですか?私は親戚に膠原病を患っている人がいるので聞いたことはありましたが、一般的にはあまり聞き慣れない病名ですよね。今回は日常的にはあまり耳にしない、膠原病について紹介します。
膠原病
膠原病とは、皮膚・筋肉・関節・血管・骨・内臓に広く存在するコラーゲン(繊維状の構造を持った高分子たんぱく質)に対して、慢性的に炎症が生じることから発症する病気です。コラーゲンが全身各所に広がってしまうことで、膠原病は全身各所に障害が現れます。
原因は不明ですが、病原体から身を守るはずの免疫システムが異常をきたし、自分自身の身体に誤って攻撃してしまうため、自己免疫疾患とも呼ばれています。
膠原病は、いくつもの病気を含む総称としての病名です。代表的な病気に関節リウマチがあります。他の病気は下記の図にまとめました。
膠原病の種類
膠原病 | 膠原病類縁疾患 自己炎症症候群 |
---|---|
関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・全身性強皮症・皮膚筋炎/多発性筋炎・シェーグレン症候群・混合性結合組織病・抗リン脂質抗体症候群・血管炎症候群・高安動脈炎・巨細胞性動脈炎・川崎病・結節性多発動脈炎・ANCA関連血管炎など | リウマチ性多発筋痛症・脊椎関節炎・ベーチェット病・成人スティル病・IgG4関連疾患・サルコイドーシス・痛風・偽痛風若年性特発性関節炎・クローン病など |
症状
膠原病に共通する症状として、発熱、関節の痛み、皮膚の発疹、筋肉痛、血管の流れが悪くなることによる虚血症状、腎症状(蛋白尿、血尿、腎機能低下)、肺症状(間質性肺炎など)があります。
原因
膠原病の原因ははっきり分かっていませんが、いくつかの要因が考えられています。
・ホルモンのアンバランス
・ウイルス感染
・ストレス
・紫外線
・喫煙、歯周病、虫歯(関節リウマチの場合)
・遺伝的要素
治療方法
膠原病の治療には、大きく分けて2つあります。現状の状態が悪化している場合に痛みを軽減させ、安定させる寛解導入療法と痛みなどの症状の安定を維持させる寛解維持療法があります。具体的には、ステロイドや免疫抑制薬、免疫グロブリン投与などがおこなわれます。また生物学的製剤の使用が検討されます。
膠原病といっても、こんなにたくさんの病気があるんですね。要因の中に、虫歯や歯周病といった身近な病気もあって驚きました。
膠原病と診断された時に注意すること
膠原病と診断された場合は、以下のことに気を付けましょう。特にステロイドなどの免疫を抑制させる治療を受けている患者さんは、感染の予防が重要です!
感染予防
・うがい、手洗いを習慣づける
・足の傷に気をつける(足裏のタコを自分で削る、水虫、足の切り傷、擦り傷など)
・流行する前にインフルエンザの予防接種を受ける
・65歳以上の患者さんは肺炎球菌ワクチンを受ける
免疫力を低下させない(悪化させない)ための生活習慣
・歩行や運動をおこない体を動かす
※翌日に痛みがでない程度が目安
・十分な休養、睡眠をとり、ストレスをためない
・紫外線に注意する
・手足を保温する
・禁煙する
・虫歯、歯周病を治療する(特に関節リウマチの場合)
ステロイドなどの免疫抑制剤を使用していると、感染に対しての抵抗力が低下してしまいます。そうすると、足にできる水虫、すり傷、爪の炎症などが悪化して歩けなくなったり、生活が不自由になることが時々あります。足の病気にも気を付けないといけないんですね。
【リウマチ・膠原病科】ページはこちら ■診察内容:区内唯一のリウマチ・膠原病科診療施設で、関節炎、膠原病、不明熱にいたるまで幅広く診療/腎臓内科、血液内科と同病棟で密な診療連携/関節リウマチは都内でも有数の患者数をほこり、治療成績を毎年公開/地域の先生方RA手帳を使った協働診療/整形外科、リハビリテーション科とコラボした、リウマチ・関節・膠原病センターで集学的医療 ■特色:関節リウマチ(RA)の診断/関節リウマチに生物学的製剤分子標的薬投与も含めた薬物治療/関節超音波検査、関節炎の診断/全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎、リウマチ性多発筋痛炎、ANCA関連血管炎など膠原病全般の診断、治療(合併症治療(感染症呼吸器合併症、腎機能障害など))/原因不明の不明熱、関節痛、発疹、筋肉痛、リウマチ反応や抗核抗体陽性などの検査異常の診断、治療など ■医師数:常勤2名、非常勤4名 |
阿佐美
プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
※本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
※本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。予めご了承ください。
※「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。