文字サイズ変更

h1タイトル

新人広報と学ぶ
アレルギー科
~日本人に多い花粉症~

広報課の新人が、創立92周年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは!新人広報 阿佐美です。
とても花粉症辛いです!今年は、特に目がかゆいです。日本人の約30%はスギ花粉症にかかっているといわれていますが、シラカンバやブタクサなど、他の花粉による花粉症の方もいます。また、花粉症は食物アレルギーと深い関係があり、最近ではスギ花粉による舌下免疫療法が開発され、治癒が期待できることから注目されています。

 

花粉症

花粉症の方は、花粉に対するアレルギーを起こす抗体をもっています。これをIgE抗体といいます。IgE抗体は、鼻の粘膜に存在するマスト細胞という細胞の表面に固着しており、花粉が鼻の粘膜に入ると花粉がマスト細胞表面のIgE抗体に結合します。その結果、マスト細胞は活性化され、ヒスタミンやロイコトリエンという物質が遊離されます。
ヒスタミンが鼻粘膜の神経末端に働くとくしゃみ、鼻汁が生じ、ロイコトリエンが鼻粘膜の血管に働くと鼻の粘膜が腫脹して鼻閉(鼻づまり)が起こります。目の結膜でも鼻の粘膜と同様の反応が起こり、目のかゆみ、流涙が生じます。
 

花粉症の種類

スギ花粉症が有名ですが、花粉症の原因になる花粉はスギ以外にヒノキ(3~5月)、シランカバ(4~5月)、カモガヤ(5~6月)、ブタクサ(8~10月)、ヨモギ(9~10月)、カナムグラ(8~10月)など、いろいろあります。症状がスギ花粉の季節に合わないときはこれらによる花粉症の可能性があります。
 
花粉の名前を聞いただけで目がかゆくなってきます(涙)。1年中目がかゆく、春や夏から秋にかけて花粉症の症状がでる理由は花粉の種類が多くあるからなのですね。もしかしたら、スギ花粉以外の花粉症があるのかもしれないです。アレルギー検査で調べてみようと思います。
 

治療方法

花粉の回避

スギ花粉症では、花粉飛散時の外出を控え、外出時にマスク、メガネを使うなど、花粉を回避するように努力することが重要です。
 

薬物療法

鼻の症状には、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬が主に使われます。抗アレルギー薬と呼ばれる薬剤も使われます。くしゃみ、鼻汁は抗ヒスタミン薬で改善しますが、鼻閉は抗ヒスタミン薬ではあまり改善せず、抗ロイコトリエン薬や鼻噴霧用ステロイド薬が必要になります。ステロイド点鼻薬は鼻症状全般に効果があります。眼症状には抗ヒスタミン点眼薬や抗アレルギー点眼薬、ステロイド点眼薬が使われます。
 

アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法はアレルゲン(アレルギーを起こす原因物質)を体の中に入れ、根本的な体質改善を期待する治療法であり、約100年の歴史があります。これまでは皮下注射でアレルゲンを繰り返し投与する皮下免疫療法だけでしたが、数年前にスギ花粉の舌下免疫療法が開発されました。この治療法は通院して注射を受ける必要がなく、舌下錠を自宅で毎日服用すればよいので手軽におこなえるので普及しています。有効率は80%前後です。治療期間は2年以上、3~5年が推奨されています。薬を必要としなくなる場合もありますので、症状が落ちつき、安定した状態や治癒を望む患者さんにはおすすめできます。
 

花粉・食物アレルギー症候群

シラカンバ・ハンノキ花粉症では、リンゴ、西洋ナシ、サクランボ、モモなどのバラ科の果物を食べると口唇、舌、口蓋、咽頭、喉頭などに急なかゆみ、刺激感、腫れなどが起こることがよくあります。これは花粉アレルゲンとバラ科の果物アレルゲンに共通の成分が存在するからです。
スギ花粉症では頻度は高くないですが、トマトで口の中にアレルギー症状が出ることがあります。症状が起こる果物や野菜を避けるのが望ましいです。
 
私の身近に、花粉症が酷く食物アレルギーを持っている友達がいます。季節のフルーツやトマトが食べられず、かわいそうだなと感じていました。舌下免疫療法を教えてあげようと思います。
 

【アレルギー科】ページはこちら
■対応疾患:気管支喘息、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、食物依存性運用誘発アナフィラキシー、食物アレルギー、ラテックスアレルギー、口腔アレルギー症候群など
■医師数:非常勤医師1名

 

2021.3.31

 

阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 
※本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
※本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。予めご了承ください。
※「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。

 
 
 

TOP