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新人広報と学ぶ
呼吸器内科
~禁煙外来について~

広報課の新人が、創立92周年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは、新人広報 阿佐美です。
厚生労働省によると、タバコを習慣的に吸っていた人の割合は年々減少傾向にあり、2020年10月には、これまでで最も低かったことを示す調査結果が発表されました。学校や病院に続き、2020年4月からは飲食店も原則禁煙になりましたし、確かに喫煙する人の姿を見ることは少なくなったと感じます。それにともない、病院に通って禁煙する、という情報を頻繁に目にするようになりました。病院ではどのようなことをするのでしょうか?

 

禁煙外来

禁煙外来は、タバコをやめたい方を支援するための外来です。
タバコをやめられないのはニコチンの持つ強い依存性が原因です。一種の薬物依存症ですので、治療が必要な病気です。従来の禁煙は「タバコを吸いたい」という欲求を「吸ってはいけない」という禁止や抑圧によって抑え込む、精神論的方法で成り立っていました。現在は、禁煙補助薬(貼付薬あるいは内服薬)を使うことと、医師の適切な心理的サポートにより、無理なく進めることができます。

ニコチンの依存性
脳には、ニコチンが結合すると快感が生じる「ニコチン受容体」があります。タバコを吸うと、ニコチンが肺から血液に入り、すぐに脳に達します。ニコチンが脳にあるニコチン受容体に結合すると、快感を生じさせる物質(ドパミン)が大量に放出され、喫煙者は快感を味わうことができます。これが「タバコを吸うと落ち着く」「ホッとする」といわれる仕組みです。それらを繰り返すうちに、体内のニコチンが切れると「落ち着かない」「イライラする」などの離脱症状(禁断症状)があらわれます。そして、その離脱症状を解消するためにタバコを吸うようになり、そうしてニコチン依存症になっていきます。

禁煙補助薬
ニコチン製剤:
口の中の粘膜や皮膚からニコチンが少しずつ吸収されることで、禁煙初期にあらわれるニコチン切れの症状(離脱症状)を軽減します。

ニコチンを含まない薬:
ニコチン切れ症状を軽くするだけでなく、喫煙による満足感を抑制する作用があります。

河北医療財団では、2つの施設で禁煙外来をおこなっております。
 ・河北総合病院 分院 呼吸器内科 禁煙外来
 ・河北ファミリークリニック南阿佐谷 禁煙外来

なるほどニコチンにはそういう作用があったのですね。なかなかやめられないのは、離脱症状があるからだったとは。そこを薬で軽減できるなら、確かに一人で我慢だけを頼りに禁煙するより、ずっと楽に頑張れそう!
 

禁煙の効果

禁煙による健康改善は若年で禁煙するほど効果がありますが、何歳であっても遅すぎることはありません。


出典:中村正和. 禁煙の効果. e-ヘルスネット. 厚生労働省.(2020)

 
数日で体調の変化を自覚できるまでになるのですね。でも病気にかかるリスクが減るのに数年必要なのだとしたら、やはり早めに始める方が良さそう。
 

禁煙治療について

健康保険を使った標準禁煙治療は、12週間に5回のプログラムです。まずニコチン依存症の有無をチェックして、健康保険等を使った禁煙治療ができるかどうかを調べます。息に含まれる一酸化炭素(タバコの有害物質)の量を調べる検査もおこないます。医師が禁煙補助薬による治療が必要と判断した場合、貼り薬や飲み薬などを使用します。また、健康状態を確認したり、ニコチン切れ症状の対処法など、個人に合わせたアドバイスをもらうこともできます。

健康保険も該当
ニコチン依存症は病気であると認識されるようになり、2006年4月から、一定の条件を満たせば、禁煙治療に健康保険等を使用できるようになりました。その条件は、以下の4つです。
ニコチン依存症スクリーニングテスト 5点以上(全10問)
②[1日平均喫煙本数]×[これまでの喫煙年数]=200以上(35歳以上の場合)
③ただちに禁煙を始めたいと希望している
④禁煙治療を受けることに同意している

②を計算してみたけれど、20歳から35歳まで15年吸っていたとして、200以上になるには一日13~14本。結構ハードルが高いのでは…?34歳以下だとこの条件は必要ないので(なんと未成年者にも適応!)、費用の面でも、早めに始める方が良いですね。

河北総合病院 呼吸器内科では、他にも、咳がなかなか良くならない、咳をするとゼーゼーいう、歩いたり坂道を登ったりすると息が切れる、胸が痛い、痰に血が混じる、寝ているときにいびきがひどい・息が止まるといわれた、レントゲンで影があるといわれた、などの症状を診断・治療しています。
 

【呼吸器内科】ページはこちら
■診療内容:気管支鏡による経気管支肺生検、気管支肺胞洗浄を用いた診断/気管支鏡による喀血、気胸の治療/胸水の診断と治療/呼吸器感染症の診断と治療/肺がんの診断と化学療法/気管支喘息の診断と治療/COPDの診断・日常生活管理と急性増悪の予防/間質性肺炎の診断と治療/急性呼吸不全の診断と治療/睡眠時無呼吸症候群の診断と治療
■外来診療:常勤医師:2名

 

2021.3.17

 

阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 
※本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
※本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。予めご了承ください。
※「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。

 
 
 

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