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新人広報と学ぶ
眼科
~40歳過ぎたら検査しましょう~

広報課の新人が、創立92周年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは!新人広報 阿佐美です。
人間には、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の五感があり、外界から常に情報を得ています。その中で80~90%が目(視覚)から得ているといわれています。今回は、五感の中で重要な視覚が関わっている眼科の病気、緑内障について紹介していきます。

 

緑内障

緑内障とは、眼圧(眼の固さ)が上昇することによって視神経が圧迫され、視力の低下や視野が狭くなる病気です。眼圧検査と眼底検査で簡単に発見ができますが、発見が遅れたり、治療を中断してしまったりすると、気付かないうちに視野障害が進行して失明に至ることもあります。

症状
あまりはっきりとした初期症状が現れないことがほとんどです。急激に進行するタイプと慢性的で徐々に進行するタイプがあります。自覚される症状は、見える範囲が狭くなる視野障害や視野の一部だけが見えない暗点といったものです。このような症状は非常にゆっくりと進行するために気がつきにくいといわれています。また、片目だけに症状があらわれた場合には、もう片方が視野を補ってしまうために自覚できないことも多くあります。視野障害や暗点の出現に気がついたときには、すでにかなり進行してしまっているケースもあります。

診断
緑内障といえば、眼圧が高い病気と理解されていましたが、たとえ眼圧が高くなくても視神経が徐々に弱って視野が狭くなる正常眼圧緑内障という病気もありますので、診断には、眼圧の値に加えて眼底の視神経の評価が必要です。人間ドックの眼底写真で「視神経乳頭陥凹拡大」と判断された場合は緑内障が疑われるので、必ず眼科を受診し、精密検査を受けてください。

 
はっきりとした初期症状がないのは、不安です。見えていたものが急に見えにくくなるのは怖いですね。それがもし病気だったら………
 

治療方法

緑内障と診断されると、点眼薬や内服薬が処方されます。自分ではよく見えているつもりでも油断せず、指示された治療を確実に継続していきましょう。どんな薬にも長所と短所がありますが、緑内障の目薬についても、しばらく使用すると充血、かゆみ、色素沈着、見えづらさ、持病の喘息や心臓病への影響など様々な変化が出てくることがあります。眼圧を下げる飲み薬については、食欲低下、下痢、味覚の異常、体重減少、脱力、血圧低下、頻尿、手足や口のまわりのしびれ感、尿路結石などが起こる場合があります。副作用のために薬が続けられなかったら、主治医に率直に申告して、別の方法がないか検討してもらいましょう。目薬の瓶に入っている防腐剤にアレルギーがある場合は、防腐剤を抜いた目薬に変更すると副作用が軽減する場合があります。

やっぱりどんな薬にも、長所と短所はあるのですね。みなさんも薬の副作用が気になるようなら、かかりつけ医に相談しましょう!
 

手術をするタイミングは?

副作用の問題などでどうしても薬が続けられない、あるいは薬を続けても視野障害が進行する場合には、眼圧を下げる手術をおこないます。目の手術に対しては恐怖感のある方が多くいらっしゃいますが、薬では進行が止められなくても手術により視野障害の進行を抑えられる、あるいは手術によって長年の点眼薬アレルギーから解放されるといったメリットもあります。あまり進行してから手術をおこなうと、術後の見え方が芳しくないケースもありますので、治療のタイミングを逃さないように、主治医とよく相談することが必要です。

手術のタイミングなんて自分では判断できませんよね。もし緑内障になってしまったら、薬や手術のことをかかりつけ医に詳しく聞き、納得して治療をしていきたいです。
 

40歳過ぎたら検査を受けましょう

日本眼科学会によると、40歳を過ぎると、日本人の5%、すなわち20人に1人は緑内障になるというデータがあります。学校の1クラスが40人とすると、同級生のうち2人は緑内障に罹るという計算になります。緑内障はかつて「あおそこひ」とも呼ばれ、失明する怖い病気と考えられてきました。医学の進歩により様々な薬や手術方法が開発されて、緑内障=失明というのは過去の話となりました。しかし一度視野の失われた部分はいかなる手段を用いても元に戻すことはできないので、失う前に治療することが大切です。

1クラスに2人とは、多いですね。厚生労働省研究班の調査によると、日本の失明原因の第1位は緑内障とのこと。私も40歳過ぎたら、視力検査だけじゃなく緑内障の検査も受けたいと思います。

さて、かわぴたる3月号では緑内障と並んで有名な目の病気である白内障について、河北総合病院 眼科部長 中島医師の記事を掲載しております。こちらも合わせてご覧ください。
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【眼科】ページはこちら
■診察内容:〇白内障手術-日帰り入院、1泊入院、2泊入院が選択できる/認知症などにより局所麻酔下手術が困難な方には、全身麻酔下手術をおこなっている/過熟白内障、水晶体脱臼などの難治症例にも対応/トーリック眼内レンズ、EDOF(Expanded Depth of Field)眼内レンズも取り扱い/〇緑内障-線維柱帯切開術、線維柱帯切除術、隅角癒着乖離術、急性緑内障発作に対する水晶体再建術ないし虹彩切除術、アルゴンレーザー線維柱帯形成術などをおこなっている/患者さん1人ひとりの視機能・年齢・職業・生活状況など実情に合わせ、点眼加療・レーザー治療・観血的治療を組み合わせて、最適な治療方法のご提案/〇網膜硝子体疾患-黄斑円孔、黄斑前膜、黄斑牽引症候群、裂孔原性網膜剥離、増殖性糖尿病網膜症、眼内レンズ落下、水晶体落下などの加療をおこなっている/〇眼瞼・眼表面小手術-翼状片、眼瞼内反、霰粒腫、結膜弛緩症、眼窩脂肪ヘルニア等の加療をおこなっている/〇抗VEGF硝子体注射-加齢性黄斑変性、近視性脈絡膜新生血管、黄斑浮腫(網膜中心静脈閉塞症、糖尿病網膜症)等に対する抗VEGF薬投与をおこなっている
■特色:医師4名、視能訓練士名4名体制/月~金曜日外来、および月・水・木曜日に手術をおこなっている/硝子体手術の設備があり、不測の合併症にも当科で対応可能で、難治性白内障や眼底疾患にも対応できる体制
■医師数:常勤4名
■主要機器・設備:白内障手術装置 インフィニティビジョンシステム/硝子体手術装置 コンステレーションビジョンシステム/手術用顕微鏡 OPMI VISU 200/広角眼底観察システム Resight/マルチカラーレーザー光凝固装置 MC-500/YAGレーザー手術装置 YC-1800/超広角走査型レーザー検眼鏡 California/ハイデルベルグ スペクトラリスOCT/ゴールドマン視野計/ハンフリーフィールドアナライザー(自動視野計)/眼軸長測定装置OA2000/シノプトスコープ/無散瞳眼底カメラ/網膜電図測定装置/ヘスチャート/アイケアプロ 手持ち眼圧計/超音波画像診断装置 UD-6000

 

2021.3.10

 

阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 
※本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
※本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。予めご了承ください。
※「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。

 
 
 

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