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新人広報と学ぶ「糖尿病・内分泌代謝内科 ~糖尿病の基礎の基礎~」

広報課の新人が、創立92周年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは!新人広報 阿佐美です。
本日は診療科に病名が入っている「糖尿病」について学びます。言葉からのイメージで、おしっこに糖が出るより血が混じる血尿の方が怖いのではと思っていました…。この企画で、病気や病院への理解がどんどん深まっている気がします!

 

糖尿病とは、どんな病気?

糖尿病とは、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。
 

どうして血液に糖があるの?

食事をすると、栄養素の一部は糖となって小腸から吸収されます。食事をしない時間が続くときは、主に肝臓により糖が作られます。糖は身体にとって大切なもので、食事をした時も、食べていない時も、常に血液中を流れています。糖は同じく血液中に流れているインスリンの助けを借りて、細胞に取り込まれ、身体が活動するためのエネルギー源になります。
 

なぜ血液中の糖が増えるの?

インスリンが十分に働かず、血糖がうまく細胞に取り込まれなくなると、血液中に糖があふれてしまいます。
また、食べ過ぎや飲み過ぎは、直接的に血糖値を高くする原因になります。
 

高血糖はどうして悪いの?

血液中のブドウ糖の過剰な増加は、血管の内側を傷つける原因のひとつとなる活性酸素の発生を促進します。傷ついた血管内膜にコレステロールなどがたまり、血管壁が厚く硬くなると動脈硬化につながります。高血糖の怖さは、全身の血管に負担をかけ、腎臓、末梢神経などの病気や、動脈硬化による心臓や脳の病気を併発することにあります。また、血液中に糖が増えた状態では白血球の一種である好中球がダメージを受けてしまい数が減ってしまいます。そのため、免疫システムが低下し、感染症にかかりやすく、悪化しやすくなってしまいます。

血液中の糖が増える病気だったんだ!そしてそれは全身に影響するんですね…尿に糖が出るのは結果のひとつではあるけれど、病気の大本は「血液中に糖が増え過ぎた」ってことだよね。どうして糖尿病という名前になったんだろう。
 

どうして「糖尿病」というの?

糖尿病のことを「DM」と言うのを聞いたことはありませんか。これは「Diabetes Mellitus」の略です。古代ギリシア時代に、尿が絶え間なく流れ出す症状の疾患に、ラテン語で「通り抜けて行く」という意味を持つ「diabetes」という言葉が用いられるようになりました。17世紀にイギリスの医師がその患者の尿が甘い事に気づき、ラテン語で「蜂蜜のように甘い」という意味の「mellitus」という形容詞が付いて「Diabetes Mellitus」となりました。

そんな古くから名前のある病気だとは驚き!尿が注目されてきた歴史があるからなのですね。
 

糖尿病の症状

糖尿病は大きく分けて4つのタイプがあります。
 

1型糖尿病:インスリン分泌低下

すい臓がインスリンをほとんど、またはまったく作ることができません。注射でインスリンを補う治療が必須となります。
急激に症状が現れることが多いです。
 

2型糖尿病:インスリン分泌不全・インスリン抵抗性

血糖を細胞に取り込む働きをするインスリンですが、2型糖尿病では、量が十分ではない(インスリン分泌不全)か、作られたインスリンが十分に作用しません(インスリン抵抗性)。初期の段階では自覚症状がまったくないことが多く、気が付かないうちに進行します。最も一般的な糖尿病です。
 

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めてわかった、軽い糖代謝以上をいいます。母親が高血糖であると、おなかの中の胎児も高血糖になり、さまざまな合併症が起こりえます。妊婦の7~9%は妊娠糖尿病と診断されるため、きちんと検査を受けることが重要です。
 

その他の特定の機序、疾患によるもの

糖尿病以外の病気や、治療薬の影響、遺伝子異常などが原因で血糖値が上昇し、糖尿病を発症することがあります。
 
症状がなく、糖尿病になっていることに気がついていない方も多くいます。糖尿病では、かなり血糖値が高くなければ症状が現れません。自覚される症状としては、
・空腹感やのどの渇きがひどくなる
・尿の回数が増える
・体重が減る
・疲れやすくなる
などがあげられます。典型的な高血糖症状が出て受診したという人はむしろ少数派です。症状がないまま、健康診断や人間ドックで発見されたり、他の病気で受診した際に偶然発見された人が多いのです。中には、進行した合併症による症状が出て受診し、そこで糖尿病がわかったという人もいます。

ここでも、健康診断の大切さがわかりますね。「自覚がないから大丈夫」ではなくて「出てきた数字を信じて再検査」をこころがけましょう。失明や壊疽など、怖い話も耳にするけれど、早期に発見して対応すれば、糖尿病はコントロールできる病気だそうです。
 

糖尿病の代表的な合併症

糖尿病は、長い時間をかけて血管をボロボロにしていく病気とも言えます。心臓や脳などの太い血管が傷ついておこる大血管症、細い血管(毛細血管)が傷ついておこる細小血管症があります。

 

動脈硬化(脳卒中・心臓病)

高血糖は、血管がかたくなったり、狭くなったりする、「動脈硬化症」(いわゆる「血管の老化」)を進める原因にもなります。糖尿病発症後さらに動脈硬化が促進されることにより、心筋梗塞、脳梗塞、足の閉塞性動脈硬化症などの大血管症を発症します。
 

糖尿病網膜症

糖尿病の初期から自覚症状なく進行します。眼の中にある網膜という部分で起きる細小血管症で、最悪の場合、眼底出血や網膜剥離を伴って失明に至る場合もあります。
 

糖尿病性神経障害

手足の感覚などをつかさどる末梢神経がダメージを受け、手足がしびれたり、悪化すると痛みの感覚が鈍くなったりします。怪我や病気があっても痛みを感じず、気がつくのが遅れることにもつながります。
 

糖尿病腎症

腎臓に傷みが生じて腎臓の機能が低下します。腎機能が低下すると、身体の調節機能が弱まり、様々な症状・合併症がおこります。最終的には腎不全になり、人工透析が必要な状態にいたります。

糖尿病の怖さは、自覚症状が薄いままに、身体のあらゆるところに影響を与え、合併症を引きおこし、最終的には命の危険も引きおこすことですね。血糖値が高い状態を続けないように、日頃から生活習慣を見直さなくちゃ。

河北総合病院では、糖尿病専門外来診療、血糖コントロール・教育入院をおこなっています。血糖コントロールのみならず、細小血管障害である網膜症、腎症、神経障害、また脳梗塞や心筋梗塞などの大血管障害発症予防を目的として幅広い検査と評価をおこなっております。また、他科と連携した治療(透析導入・心血管系の治療など)をおこなうことができます。

現在(2020年12月)はコロナの影響により中止しておりますが、通常は患者さんや一般の方向けの講座もおこなっております。開催情報はホームページやFacebook、メルマガなどでお知らせいたしますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

糖尿病教室:患者さん・ご家族向け 月4回開催
糖尿病講座「蔦の会」:一般市民向け糖尿病講座 年2回開催
 

【糖尿病・内分泌代謝内科】ページはこちら
■診療内容:糖尿病の急性期医療・糖尿病の合併症評価/コントロール不良糖尿病の病態評価、治療方針変更、インスリン自己注射導入/糖尿病教育入院/甲状腺疾患の診断、治療/甲状腺腫瘍の診断(超音波・甲状腺穿刺細胞診)/副腎腫瘍の鑑別診断
■外来診療:常勤医師1名/非常勤医師4名
■主要機器設備:持続血糖測定装置(リブレ)/甲状腺エコー

 

2020.12.16

 

阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 
※本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
※本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。予めご了承ください。
※「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。

 
 

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