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新人広報が伝える
脳神経外科
~手術で治る認知症~

広報課の新人が、創立92周年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは!2020年度中途入社の新人広報 阿佐美です。
脳って聞くと、皆さんはどんな言葉が浮かびますか?私は、認知症が浮かびます。今回は、認知症に関係する病気についてご紹介します。

 

脳神経外科ってどんな科?

脳神経外科は脳、脊髄、末梢神経などを含めた神経全般の疾患のなかで主に外科的治療の疾患について診断、治療をおこなう診療科です。当院の脳神経外科がおこなっている診療内容は、脳血管障害、良性の脳腫瘍、機能的疾患、脊髄脊椎疾患、頭部外傷などの治療をおこなっています。

脳神経外科は脳だけではなく、脊髄や末梢神経の疾患も治療をしているんですね。
 

手術で治る認知症を知っていますか?

認知症と聞くと、アルツハイマー病が思い浮かびますよね。確かに、認知症の原因の60%以上を占めているのがアルツハイマー病です。そして治療も、完全に治すことは難しく、進行を遅らせるだけというイメージがあります。ですが認知症の疾患の中には、手術で治せる特発性正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫などもあります。グラフではその他の割合に入ります。


参考:認知症施策の総合的な推進について

 
認知症って聞くと、一生付き合っていく病気というイメージがあります。中には、手術で完治する場合もあるのですね。
 

特発性正常圧水頭症

水頭症とは、頭蓋骨のなかにある脳室とくも膜下腔に脊髄の表面を満たす脳脊髄液が増えすぎることによって、脳を圧迫して様々な脳障害を引き起こす病気です。水頭症はいくつかの分類に分けられます。一般的に水頭症は、水がたまるに従い脳の圧力が高くなります。しかし1964年、脳に水がたまって歩行障害や認知症といった症状が出ているのに、脳の圧力上昇は正常範囲内に収まっているという正常圧水頭症が確認されました。
この正常圧水頭症には特発性正常圧水頭症と続発性正常圧水頭症の2種類があります。特発性正常圧水頭症は、発症の原因がはっきりとは特定されておりません。しかし糖尿病や高血圧症などで血管にリスクを持っている方は発症しやすいことは見つかっており、70歳代から80歳代の高齢者に発症頻度が高いことから、加齢に関わる何らかの変化が原因となっているのではないかとも考えられています。まだ完全な原因は不明ですので、研究が進められています。続発性正常圧水頭症は、くも膜下出血や頭部外傷などが原因で発症します。
つまり特発性正常圧水頭症は、脳脊髄液の吸収が悪くなり、それが脳内にたまってしまう病気です。その溜まった脳脊髄液が、脳を圧迫して認知症の症状を引き起こします。そこで手術によってこの溜まった脳脊髄液を抜けるようにすることで、症状の改善が見込めるのです。
参考:正常圧水頭症の原因・症状・種類ー高齢者に増加する特発性正常圧水頭症とは?

最近祖母の友人が水頭症になり、とても心配していました。水頭症にも種類が分かれているのですね。くも膜下出血や頭部外傷だけでも怖いのに、更に水頭症にかかってしまう可能性があるなんて怖いな…でも治らないと思っていた認知症も、場合によっては治せるんですね。
 

正常圧水頭症の症状は?

症状は歩行障害や小股歩行、尿失禁、頻尿など、認知症が主になります。これらの症状は通常の老化でも見られる症状ですが、それまで元気であった高齢者が、半年から2年ほどで歩くのが遅くなって転倒することが多くなり、活発性がなくなってきた場合には正常圧水頭症を疑わなければなりません。
参考:正常圧水頭症の原因・症状・種類ー高齢者に増加する特発性正常圧水頭症とは?https://medicalnote.jp/contents/150914-000008-LJMBOQ

認知症の症状が出てきたら、すぐに病院にかかることが大切ですね。
 

脳ドックについて

河北健診クリニックでは、10月より「脳ドッグ頭部MR結果説明外来」が始まりました。健診で頭部MRI・MRA、頸動脈超音波検査を受診された方に、脳神経外科医師による結果説明外来を開設しております。予約制で実施しておりますので、ご希望の方はスタッフまでお申し出ください。第2・第4土曜日については、検査当日の結果説明も可能です。
予約方法は、河北健診クリニックホームページ https://kawakita.or.jp/suginami-area/kenshin/news/20201020/をご覧ください。
 

【脳神経外科】ページはこちら
■診察内容:脳血管障害(くも膜下出血、脳内出血、能動性脈奇形など)の外科的治療/脳血管障害(脳動脈瘤、脳梗塞、頸動脈狭窄症、硬膜動静脈奇形など)の脳血管内治療/良性脳腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫など)の外科的治療/機能的疾患(三又神経痛、顔面けいれんなど)の外科的治療/頭部外傷(硬膜外血腫、硬膜下血腫など)の外科的治療/水頭症に対する外科治療
■特色:神経内科、救急部、その他関連施設と協力して診療/重症例、手術症例はICU、HCUで集中治療/直達手術だけではなく、より低侵襲な脳血管内治療も積極的におこなっています。/脳卒中の地すく管理にも重点を置いた治療
■医師数:常勤2名・非常勤3名
■主要機器・設備:手術用顕微鏡/血管撮影装置

 

2020.11.18

 

阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 
※本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
※本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。予めご了承ください。
※「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。

 
 

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