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新人広報と学ぶ
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
~タバコ病~

広報課の新人が、創立95年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは、新人広報 阿佐美です。古くから嗜好品として楽しまれた歴史があるタバコ。しかし喫煙は健康上の問題を引き起こすとされ、日本での喫煙に関する規制法は、1900年頃の未成年者喫煙禁止法に始まり、その後、1978年から嫌煙運動が強まり、1997年厚生白書において生活習慣病という概念が導入され、タバコがおよぼす健康被害の認識が広まっていきました。今回はタバコ病といわれているCOPD(病慢性閉塞性肺疾患)について紹介します。
 

目次

COPD(慢性閉塞性肺疾患)はどんな病気?
原因
症状(初期段階)
合併症
検査方法
治療方法
COVID-19との関係
 

COPD(慢性閉塞性肺疾患)はどんな病気?

COPDとは、タバコの煙などの有害物質を長期にわたり体内に吸い込むことで気管支や肺胞を含む肺組織が破壊される疾患です。厚生労働省によると、2021年のCOPDの死亡数は16,384名で男性の死亡数の方が多く男性の喫煙率が高いことが大きな要因といわれていましたが、発症リスクは女性の方が多いという報告もあります。
 
日本では530万人を超える患者数がいるといわれていますが、そのうち適切な治療を受けているのは22万人ほどだそうです。タバコを吸うと直ぐに肺に影響をおよぼすのかと思っていましたが、時間をかけてなる病気なのですね。お金を支払ってタバコを買い、喫煙で病気になるなんて悲しいですね。
 

原因

最大の原因は喫煙です。喫煙指数という、1日喫煙数/本×喫煙年数で表す指数があり、喫煙指数が高い人ほどCOPDが発症します。先ほどお話したとおりタバコの煙を吸入することにより肺の中の気管支に炎症が起き、咳や痰がでることで気管支が細くなり空気の流れが低下することで呼吸がしにくくなります。また、肺胞が破壊され、肺気腫になり酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下します。肺気腫が生ずると、治療をおこなっても元に戻ることはありません。他にも、粉じん、大気汚染や乳幼児期の呼吸器感染、遺伝、そして受動喫煙も発症の原因となります。非喫煙者でも家族や街中で副流煙を吸うことによってCOPDにかかる可能性もあります。

 
プールや海などで水に入った際や満員電車に乗った際など日常生活で呼吸がしにくくなることが怖く感じることがあります。その恐怖が突然起こるのはとても想像したくありません。私は非喫煙者であっても、副流煙を吸うことで自分もCOPDかかる可能性があるのは嫌ですね。喫煙ブースも撤廃されてきていますが、近所のコンビニや街角でたまに見かけます...。
 

症状(初期段階)

 
風邪の症状に似ていますね。日常動作で息切れする理由は他にも可能性があるかもしれませんが、喫煙者でこのような症状がでた方は速やかに受診をした方がよいですね。
 

合併症

呼吸器の疾患では、重症化しやすい肺炎、気管支喘息、間質性肺炎、肺がん、気胸の合併の可能性があります。他にも、COPDの肺の組織に起きている炎症から産生されるサイトカインという物質が全身を巡り、全身の臓器障害を誘発し、動脈硬化、狭心症、不整脈、心不全などの心・血管閉塞、糖尿病、栄養障害、骨粗鬆症、サルコペニアなどの症状が現れます。COPDにかかった場合は合併症がないかどうかを検査し、あった場合は全身の治療が必要になることもあります。
 
肺の病気だけではなく、他の病気になる可能性もあるのですね。合併症が多く、驚きました。
 

検査方法

 
検査で自分の肺が黒く写ったらとても怖いですね。子どもの頃、コマーシャルでタバコを吸っている人の肺が黒くなっているのを見たときにタバコのヤニで黒くなっているのかと思っていたことを思い出しました(笑)
 

治療方法

健康的な肺に根本的に戻す治療法はありませんが、少しでも早い段階で病気に気づき、適切な治療をおこなうことが大切です。治療方法は第一に禁煙、そして病気の進行度に従って薬物療法、呼吸器リハビリテーション、酸素療法、外科療法などがあります。他にも、症状を悪化させないためにインフルエンザや肺炎球菌ワクチンの接種をおすすめしています。一番の治療法は、禁煙をすることです。少しでも紹介した症状が現れたらまずは禁煙をおこないましょう。
 

COVID-19との関係

COVID-19(コロナ感染症)とCOPDの関係性について最近の世界的なデータでは、COPDを有する方はCOVID-19にかかりやすく、かかった場合はCOPDでない方に比べて死亡率が3.7倍も高くなることが報告されています。

3.7倍はすごく高いと感じました。タバコを吸うと様々な病気になる確率や死亡率も上がると考えると、やはりいいことはないですね。この記事を読んで禁煙をおこなっていただける方が増えることを願います。

監修:呼吸器内科部長 工藤 宏一 医師

呼吸器内科

■診療内容
気管支鏡による経気管支肺生検、気管支肺胞洗浄を用いた診断
気管支鏡による喀血、気胸の治療
胸水の診断と治療
呼吸器感染症の診断と治療
肺がんの診断と化学療法
気管支喘息の診断と治療
COPDの診断・日常生活管理と急性増悪の予防
間質性肺炎の診断と治療
急性呼吸不全の診断と治療
睡眠時無呼吸症候群の診断と治療

■外来診療
常勤医師:2名

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禁煙を考えている方

河北総合病院 分院では禁煙外来があります。タバコの辞め時はこの記事を読んだ今からです。
詳しくは以下のページをご覧ください。

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2023.11.1

 


 

阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 

  • 本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
  • 本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。あらかじめご了承ください。
  • 「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。

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