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新人広報と学ぶ
しびれ外来を知っていますか?
~危険なしびれを理解しよう~

広報課の新人が、創立94年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは、新人広報 阿佐美です。
しびれとは、ビリビリ・ピリピリ、正座後のジンジン、触った感覚が分からないという感覚を思い浮かべる方がいらっしゃるかと思います。体のどのようなメカニズムで起きているのか気になりませんか?そんなしびれについて紹介します。

 

目次

・しびれはどうして起こるの?
・どんなしびれが危ない?
・しびれの症状が起きる病気
・脊椎・しびれ外来について
 

しびれはどうして起こるの?

神経の場所しびれとは、体のどこかの神経に異常が起きている状態のことをいいます。神経とは、脳・脊髄(せきずい)と末梢神経(まっしょうしんけい)のことをいいます。
神経の分布ですが、神経のおおもとである脳があり、そこから脊髄という長い筒状の神経の束がお尻まで延びていきます。その途中で脊髄からは左右にたくさんの神経が分岐し、体の各部分に網の目のように向かっていきます。この脊髄から分岐した神経を末梢神経といいます。これらの神経のどこかが完全に死んでしまうと、そこが担当する手足を動かすことができなくなり、これを麻痺といいます。しびれは、もちろん完全に神経が死んでいるわけではなく、「どこかの神経が多かれ少なかれ痛んでいますよ」というサインを出している状態のことをいいます。
 

正座などの同じ体勢で10分以上いると、足がピリピリ痛みますよね。私は血の流れが悪くなって血管がピリピリしているのかなと思っていましたが、神経が関係していたのですね。神経が完全に死んでしまった際に麻痺が起こることも、初めて知りました。
 

どんなしびれが危ない?

すべてのしびれに対して、受診が必要なわけではありません。正座後や変な体勢で寝てしまった、肘を強くぶつけた、あるいは運動の後に起きたしびれなどは、問題ありません。
ただし、注意が必要なしびれもあります。こんな症状は要注意。
 
・手足の麻痺をともなうしびれ
・体のどちらか片側全体のみのしびれ
・よだれがでる、呂律(ろれつ)が回らない、めまいをともなうしびれ
 
もしもこのようなしびれが突然現れたら、脳卒中の可能性がありますので、速やかに受診しましょう。
 
わたしも肘をぶつけたときにピリピリと感じた経験がありましたが、それは心配しなくても大丈夫なのですね。でも脳卒中は、速やかな治療が大事と聞きます。もし次に体のしびれを感じたときは、このような症状をともなっていないか、注意してみるようにします。
 

しびれの症状が起きる病気

前項で、しびれが起きると脳卒中の可能性があると紹介しました。なぜ脳の病気なのに頭にはしびれが起きないのかな?と思う方がいらっしゃるかもしれません。しかし頭にしびれを感じる場合、その多くは頭皮の神経痛です。その場合は、それほど心配はありません。ただし頭のしびれ、あるいはしびれを通り越して強い痛みや発疹がでた場合には、帯状疱疹の可能性があります。
以下の表は、しびれの症状がでる可能性のある病気の一覧です。

障害部位 疾患
①大脳、脳幹、脳神経 脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、多発性硬化症、脳炎、三叉神経痛など
②脊髄 脊椎症、脊椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症、脊髄梗塞、脊髄動静脈奇形、脊髄動静脈瘻、多発性硬化症、脊髄炎、亜急性連合性脊髄変性症、HTLV-1関連脊髄症など
③末梢神経 単神経障害 手根管症候群、肘部管症候群、撓骨神経麻痺、腓骨神経麻痺、足根管症候群、帯状疱疹など
多発単神経障害 血管炎、膠原病関連疾患、サルコイドーシスなど
多発神経障害 糖尿病、尿毒症、ビタミン欠乏、アルコール多飲、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、Charcot-Marie-Tooth病、家族性アミロイドポリニューロパチー、アミロイドーシス、腫瘍、傍腫瘍性、感染症(AIDSなど)、中毒性(重金属、農薬、有機溶剤など)、薬剤性(抗腫瘍薬など)
④その他 電解質異常、過換気症候群、下肢静止座不能症候群(ムズムズ病)など

引用:日本神経学会 脳神経内科の主な病気
 
確かに手がしびれている場合は、手のケガや病気を疑います。でも頭がしびれているからといって、脳の病気というわけではないのですね。そういえば足にしびれがあっても、原因は腰にあったという話を聞いたことがあります。神経って全部つながっていますもんね。しびれている部分自体に痛みがなくても、放置せず受診するようにします。
 

脊椎・しびれ外来について

脊椎・しびれ外来河北総合病院では、2022年11月に脊椎・しびれ外来を開設いたしました。
あらゆるしびれに対し、原因を調べ、適切な治療をおこないます。しびれでお困りの方は、かかりつけの医療機関で紹介状をご用意の上、当外来を受診なさってください。
診察は第2・4木曜日の14:00からとなります。
 

実は私も、膝のしびれや痛みを感じることがあり、紹介状を書いてもらい、脊椎・しびれ外来を受診しました。診察では、いつ頃からしびれがあるか、どんな薬を服用したことがあるかを聞かれ、しびれの場所や範囲を確認するなど、とても丁寧な診察を受けました。ちなみに診察では、CT検査やMRI検査をする場合があります。私も検査を受けたのですが、寒くてカイロを貼っていたので、着替えに少し時間がかかってしまいました(笑)。
受診される際は、検査をする可能性もありますので、着替えをしやすい服装でいらしてください。またカイロなど磁気が含まれているものは、検査時に剥がさないといけないのでご注意ください。

 

監修:河北総合病院 遠藤 聡(非常勤医師)

脊椎・しびれ外来

診察日時:第2・4木曜日 14:00~
診察場所:河北総合病院 整形外科外来
担当医師:遠藤 聡

診察をご希望の方は、かかりつけ医からの紹介状をご用意ください。紹介状をお持ちでない方は、河北総合病院(本院)受付までお声かけください。
※紹介状をお持ちでない方は、初診の保険外併用療養(選定療養)費として7,700円(税込)を別途お支払いいただきます。

河北総合病院 脊椎・しびれ外来について詳しくはこちら

 

2023.1.11

 


 

阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 

  • 本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
  • 本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。あらかじめご了承ください。
  • 「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。


 
 
 

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