環境へのおもいやり
環境活動について
河北医療財団は、1990年、経営方針の重要項目のひとつに「地球環境保全」を打ち出し、1997年に環境活動を始め、1998年、病院として初めてISO14001環境マネジメントシステム認証(2006年3月更新終了)を取得。2012年、医療業界では初めて「DBJ ビジョナリーホスピタル」の評価認定をいただきました。2015年、環境省主催の「環境 人づくり企業大賞2015」において、環境大臣賞(大企業の部)をいただくなど、当財団の取り組みに対し高評価をいただいております。2008年より、KES環境マネジメントシステムの認証を取得し継続的に環境活動を続けております。
TOPICS 2022
省エネ活動の結果が評価されました
経済産業省 資源エネルギー庁による事業者クラス分け評価制度で河北医療財団は「S」評価をいただきました。過去5年間平均
原単位(一定のサービスや製品などを生産するのに必要な電力や熱などのエネルギー消費量の総量)を年1%以上低減するという努力目標を達成したことが認められたものです。
2020年からはじまった新型コロナウィルス感染症の流行や不安定な世界情勢の影響により、電気やガスの価格高騰が続いています。価格高騰に対して、各病院・施設内で勤務時間・場所の調整をおこない、不必要な電気の使用を押えることで省エネと併せて環境活動にも大きく貢献しました。空調機器の入れ替えや高性能なPC端末への入れ替えも省エネ効果をもたらしています。
河北総合病院移転建設工事「ZEB Oriented」を取得 ~急性期病院の取得は都内初。全国で3例目~
2025年5月竣工予定の河北総合病院移転建設工事について、一般社団法人 日本建築センターの建築物省エネルギー性能表示制度にもとづき、環境省が推奨する「ZEB Oriented」の認証を2023年1月に取得しました。河北総合病院と清水建設が共同で認証取得に取り組んだ結果、その設計において、一次エネルギー消費量を34%削減し、ZEB Orientedの認証基準を達成。34%への貢献度はパッシブ建築計画・空調換気12%、照明14%、給湯3%、コジェネレーションシステム5%となっています。認証取得により、地球環境保護に貢献するとともに、環境省の2022年度ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業に採択されました。
環境宣言
方針
地球環境保全に取り組むに当たり、人間の存在自体が地球環境問題そのものに他ならないことを強く認識し、それを医療に反映させていく覚悟が必要です。未来の世代との関わりを深めて、子供に豊かな地球環境を残して行きたいとの願いから、私たちは日々関わっている医療の専門的知識と技能を機会あるごとに見直し、世代から世代を越えてよりよい“Quality Of Life”を追求し地球環境保全の実現を図っていきたいと思っています。
医療機関の大切な役割としてその機能に診療と教育があります。日々の診療と、医師の研修教育、看護教育、職員教育、そして地域の人々の参加を得た健康教育など継続的な生涯教育のなかで、人間の生き方・死に方を根源的に問いつつ個々人の生き方と死に方に関する活発な議論と提案が医療の視点に不可欠であると考えます。人間の尊厳を確立する医療を行いたいと考えています。“人間の尊厳”とは“その人らしいこと”その人らしく生き、その人らしく亡くなる医療を実践していくつもりでいます。
私たち医療人 だけでなく、医療を受ける側の人々の参加を得て、財団組織の倫理委員会の課題としても組織としての理念ならびに目的に掲げた地球環境の基軸を取り入れた医療のあり方を求めて継続して論議していきたいと願っています。
また、地球環境問題は個人のライフ・スタイルに極めて密接に関わる問題であります。関係する個人の立場や地域社会を通じて財団組織としての活動をより広く地球環境意識の高揚として伝達していくことも私共の責務であります。
地球環境に調和した医療活動を推進するためには、この理念と目的のもとに環境マネジメント・システムの運用が未来を創造していくために重要となってきます。私たちは環境に関連する法規を順守し、自らの環境目的と環境目標を設定し、日々の活動が環境に影響を与える負荷として環境を汚染する機会を継続的に見直し改善し、省資源と省エネルギーにも努めその予防と抑制に努力していきます。また平素の医療活動を通じて理念と目的に基づいた環境方針を職場においては 周知徹底を図り、人々との連帯の輪を職場から地域社会へ拡大し、その結果として生物多様性及び生態系の保護に至ることに思いを馳せ、自然と共に生きるよりよい社会を築いて行きたいと願っています。
(1999年4月1日、「環境方針」として初出)
河北総合病院は医療サービスにおける環境影響の低減及び環境保護のために、環境マネジメント活動の継続的改善を図り、法的及びその他の要求事項を順守するとともに、以下の項目を環境管理重点テーマとして取り組みます。
1. 環境意識の高揚・教育
2. 社会貢献
3. 省エネルギー
4. リサイクル
5. 廃棄物の適正処理及び減量
この環境宣言は、一人ひとりが環境負荷低減活動を積極的に実践できるように、この環境宣言を全職員に周知するとともに一般の人々が入手できるようにします。また、上記の方針達成のために、目標を設定し、定期的に見直し環境マネジメントシステムを推進します。
制定日 2007年9月1日
改定日 2016年4月1日
社会医療法人 河北医療財団
理事長 河北 博文
私たちの環境活動
環境マネジメントシステム
環境マネジメントシステム委員会で立案され、環境マネジメント・ディレクターの承認を受けた財団の環境改善計画書を基に、各部署の環境プロモーターは自部署の「環境プログラム(年間計画)」を設定し、一年を通じ、部署独自の環境活動をおこなっております。2022年度の環境プロモーターは56部署から64名が務めました。
活動例:ごみ排出量の削減、グリーンカーテン設置、環境学習など
基本活動
当財団では、廃棄物、エネルギー、排水処理についてのデータを蓄積し、廃棄物・エネルギーデータは、環境マネジメントシステム委員会と環境プロモーターに毎月報告し、恒常的なごみ分別・減量、省エネに活かしております。
廃棄物の適正処理・減量
一次分別として、全16種類(紙、新聞、雑誌、カン、ビン、ペットボトル、生ごみ、廃プラ他、感染性廃棄物など)の分別をおこなっております。外来ホールなどではごみの種別ごとにごみ箱を設置し、病院を利用される方にも分別にご協力いただいております。また、テープの巻き芯の回収・寄付による植樹活動や、感染症廃棄物用リサイクルペール缶の一部採用による途上国の子供たちへのワクチンの支援をおこなっております。
年度 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|---|---|
総排出量(t) | 737.9 | 742.1 | 818.0 | 783.6 | 795.0 | 779.3 |
リサイクル率(%) | 76.2 | 69.4 | 68.2 | 70.8 | 69.9 | 70.3 |
電気・ガス関連
当財団では、1997年よりコージェネレーションシステム※を実稼働させ、発電電力と商用電力との電源の二重化により、安定的な電力供給をおこなうとともに、夏場などのピーク電力の抑制にも実績を上げております。また、財団内施設の省エネ効果が高いと判定された場所について、LEDへの切り替えを進めました。人が頻繁に出入りしないところについては人感センサーや省エネ電球を利用するなど、用途・機能に応じた対応をおこなっております。
※コージェネレーションシステムとは
利用可能な複数のエネルギーを同時に生産し、運転効率を高めることで省エネルギーに役立てるものです。
年度 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|---|---|
電力使用量(kWh) | 7,378,287 | 7,522,845 | 7,088,318 | 6,914,660 | 6,964,037 | 6,625,254 |
ガス使用量(㎡) | 746,770 | 744,267 | 734,979 | 725,090 | 738,924 | 737,461 |
原油換算値 | 2,706 | 2,670 | 2,551 | 2,490 | 2,539 | 2,513 |
その他
- 冷暖房設定温度(夏期:26~28度、冬期:18~22度)、クールビズ・ウォームビズの実施
※患者さんの療養環境を優先しているため、実際の室温は推奨温度と異なる場合もあります。 - パソコン関連では省エネ効果の高い製品を導入しております。また設置後も吸排気スペースを確保したり輝度調整などの省電力対策に努めております。
- 患者さんや来院者の方に優先的にエレベーターをご利用いただき、省エネのため、職員は原則、階段を使用しております。
- 感染性廃棄物専用ペール(容器)を使用し、感染性廃棄物の運搬・中間処理における流出や針刺し事故の防止など処理事業者の安全性にも配慮しております。
環境教育
当財団の事業と環境活動との関連性を理解するため、財団職員向けに年数回の環境見学を実施。2022年度は、環境プロモーターを含めた計40名が、飲料空容器再資源化工場のオンライン見学に参加し、空ペットボトル・ビン・カンのリサイクル処理の実際を確認しました。その他、財団で排出するプラスチックごみ、感染性廃棄物も全て国内で100%リサイクル処理されていることを確認しています。
環境監査
環境内部監査(年1回)と、外部審査機関「特定非営利活動法人KES環境機構策定の環境マネジメント規格」による外部審査を受け、活動の見直しや改善を図っております。
DBJビジョナリーホスピタル
株式会社日本政策投資銀行(DBJ)が開発した環境評価システムにより、「DBJビジョナリーホスピタル」の認定を受け、「環境配慮に優れた病院」として、受審医療機関の中で最高位ランクBの環境格付融資を受けております。(2017年度)
地域との交流・貢献
around杉並健康ライフ
2009年より毎年開催しているaround杉並健康ライフにおいて、環境展示をおこない、地域の方々との交流を図っています。
※2020および2021は、COVID-19の影響から配信による開催となったため、環境展示はおこなっておりません。
園芸ボランティア
地域交流の一環として、園芸ボランティア「シーダ会」の皆さまに、財団内の花壇に花を植えていただいています。
清掃活動
職員有志による阿佐谷地区及び各病院・施設周辺の道路の清掃活動をしています。
受賞歴
「環境 人づくり企業大賞2015」 環境大臣賞(大賞)受賞
※下記の内容は受賞当時(平成28年4月14日現在)のものです。
この度、我々河北医療財団は環境省主催の「環境 人づくり企業大賞2015」において、環境大臣賞(大企業の部)を受賞いたしました。(平成28年4月14日付、環境省発表)
環境大臣賞は「地球環境と調和した企業経営の必要性を認識し、その実現のため自ら進んで行動する自社の社員の育成に係る取り組み」を行う企業に与えられるもので、当財団は最も優れた取組みを行う企業として評価されました。
私たちの活動の特長である、財団内の全施設・全部門に配置される“環境プロモーター”を中心とした全員参加の環境活動を今後も継続してまいります。
■評価された取組み(環境省より)
-
- 医師、看護師、技師、事務員による全員参加型の活動を展開している。
-
- 本業に関わる医療廃棄物の排出削減だけでなく、生ごみ等の循環型リサイクルの取組みを通した教育を行っている。
-
- 社内報「環境ニュースISOS」は内容が充実しており、職員の環境意識向上に寄与している。
- アラウンド杉並でのパネル展示や環境ウォーキング等の取り組みを通した地域住民との交流を積極的に行っている。