【報告】市民公開講座「人生100年時代のウェルビーイング」10/28(土)

【報告】市民公開講座
「人生100年時代のウェルビーイング」
10/28(土)

市民公開講座の趣旨

1995年より主催している市民公開講座では、毎回時流に沿ったテーマで外部講師をお招きしています。近年は「健康長寿・フレイル予防」「認知症」「在宅医療」など、超高齢社会の重要テーマについて市民のみなさまと共に考えてまいりました。第23回となる今年の市民公開講座は、「人生100年時代のウェルビーイング」と題し、近年話題のホリスティックの視点から健康と幸せの在り方について、3人のゲストをお迎えしました。

第1部 基調講演

「世界が注目するウェルビーイングとは?もっと幸せに生きるための幸福学」

講師:前野マドカ氏(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究所研究員・EVOL株式会社代表取締役CEO・国際ポジティブ心理学協会会員)

 

前野氏には、世界各地で研究が進んでいる幸福学の入門編をご紹介いただきました。心理学や統計学のデータをベースに、親と子、企業で働く社会人、そしてすべての世代の人にとって「幸福」に自覚的に取り組むことがいかに重要か、様々な視点から解説。自身が幸せを感じていると免疫力が高まり予防医学にも通ずること、幸せな社員は仕事でも創造性や生産性が高いことなど興味深い例示がたくさんありました。特に前野氏が推奨する幸福の4因子「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」は誰もが意識しやすく、設問に答えることで自身をより幸せにする方法が可視化できる「幸福度診断」ツールなど、さっそく取り組んでみたくなる具体的な方法も提示いただきました。

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2部 パネルディスカッション

第2部は「100歳まで生きることに飽きない人生を送ろう」と題し、2名のパネリストから事例紹介と会場からの質疑応答を行いました。

「生かし合う社会とは ~団地の中の多世代共生型コミュニテイプレイスの取り組み~」

講師:渥美京子氏(一般社団法人コミュニティネットワーク協会 理事長)

長年、サービス付き高齢者向け住宅の運営などに携わってきた渥美氏が現在尽力されているのは、多摩ニュータウンの団地再生の取り組みです。長年シャッターをおろしていた八王子市松が谷商店街のスーパー跡地を改修し、新たな複合施設として再生させた「まつまる」の事例をご紹介いただきました。コミュニティ活性の好例としてメディアでも注目されているまつまるですが、渥美氏は管理者として日々運営に関わり、障がい者の就労支援や住民参加の仕掛けづくりなどに奔走されています。障がいの有無や年齢に関わらず、多様な人材が交流することで生まれる地域の豊かさと幸福感の相互作用を、まつまるに集う人々の事例から実感いたしました。

「幸せと健康 ~介護予防から看取りまで自分の町で生ききる仕組み~」

講師:明石のぞみ(社会医療法人河北医療財団 副理事長  多摩事業部事業部長 )

当財団で30年以上にわたり医師として高齢者医療を実践してきた明石は、ウェルビーイングの定義である「身体的」「精神的」「社会的」に良い状態で、長い人生を過ごしていくヒントをご紹介いたしました。健康と幸福は非常に密接した重要な関係ではありますが、加齢などによって例え健康が損なわれても、自分がどう生きたいかという意志を持つことで納得感を持って最期まで暮らしていけること、そのためのサポートをACPなども通じてわたしたち医療介護従事者は推進していくことなどをお伝えしました。

2部の司会進行を担当したのは当財団理事長相談役の天本宏です。自身も80歳になり、自分事としてシニアが自ら健康管理・幸福管理をしていくことの重要性をこの市民公開講座を通じてみなさんと共に考えさせていただきました。

 

この度は多摩市をはじめとする多く団体様に後援をいただき、無事に開催することができました。お忙しい中、多摩市長の阿部氏に今年もご参加いただき、すばらしいメッセージを頂戴いたしました。ご協力・ご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。どうもありがとうございました。

(後援:多摩市、多摩市医師会、東京都八南歯科医師会、多摩市社会福祉協議会、多摩市老人クラブ連合会)順不同

 

明石の事例紹介の話の中で出てきたACP普及啓発小冊子「わたしの思い手帳」について下記より内容のご確認をいただけます。
ACP普及啓発小冊子「わたしの思い手帳」(東京都保健医療局へリンク)

 


2023年11月6日 カテゴリー(財団): イベント・講座

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