【医療コラム】コロナ自宅療養の注意点

【医療コラム】コロナ自宅療養の注意点

みなさん、こんにちは。河北医療財団多摩事業部 安全・感染管理室の看護師の都築です。

新型コロナウイルスのオミクロン株は病原性が低下してきたとはいえ、高齢者にとって重症化や死亡するリスクのある危険な感染症であることに変わりはありません。今回は自宅療養時の注意点をお伝えします。

■発熱
新型コロナウイルス感染症といえども、基本となるのは一般的な風邪のケアと同じです。水分と栄養をとり、発熱や咽頭痛に対して、解熱鎮痛剤など内服しましょう。高熱だと呼吸が早くなり、肺の換気が悪くなって血中の酸素濃度が低下してしまうことがあります。呼吸が落ち着けば改善することもあるので、まずは解熱剤を使用してみてください。

市販の総合感冒薬があるのならそれでも構いません。抗ヒスタミン剤が入ったものは、前立腺肥大がある男性や腎盂腎炎(じんうじんえん)を繰り返しているような高齢女性の方は避けてください。

症状が軽快して体力が回復してきたら、できるだけベッドを離れ、椅子に座って食事をとるようにしてください。これは、誤嚥性肺炎を予防し、コロナ後の細菌性肺炎を予防し、高齢者であれば寝たきりにしないために必要です。

高熱の時は、頭部や脇の下、鼠径部に氷枕を当てたり入浴の代わりに体を拭くだけでも、気分転換になります。38.0度以上の発熱があっても、食事や水分がとれていて普段と変わらないのであれば、自宅で療養できます。ただし38.0度以上の高熱が3日以上続いているとき、または血中の酸素濃度が93%以下であれば、苦しくなくても受診をしましょう。


執筆者プロフィール

看護師 都築 勉(つづき・つとむ)
多摩事業部安全・感染管理室/天本病院 地域医療連携室

「新型コロナウイルス感染症にかかると歯磨きの時に、凄く出血する場合があります。柔らかい歯ブラシで、歯茎に当たらないよう優しく磨いてください」

あっぱれ2022年秋号に掲載)

 


2022年10月26日 カテゴリー(財団): コラム・レシピ

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