【医師コラム】帯状疱疹をワクチンで予防しよう

【医師コラム】
帯状疱疹を
ワクチンで予防しよう

みなさん、こんにちは。医師の久米です。

帯状疱疹という疾患をご存じでしょうか。

強い痛みを伴う発疹が帯状に並んで出現する疾患で、顔面を含め、全身に出現する可能性があります。

早期に抗ウイルス薬による治療を行わない場合、後遺症として痛みが残ってしまうことがあり、特に顔面に出現した場合は顔の麻痺や視力障害といった重篤な後遺症を引き起こす可能性もある厄介な疾患です。

帯状疱疹は、水痘(みずぼうそう)に感染したことがある人であれば(日本人では90%以上)、だれでも発症する可能性があり、10~30%の人が一生のうちにかかるといわれています。

50歳以上の発症が多く、70歳代で最多となっています。また、近年は帯状疱疹にかかる人が非常に増えていることが、国内の大規模な研究でもわかっています。

そんな帯状疱疹ですが、不活化ワクチンを2回接種することによって、約90%という高い確率で予防できるようになっています。

不活化ワクチンは高価であり、今まではなかなか接種が進んでいませんでしたが、2023年から自治体によって補助が受けられるようになり、接種率が上昇しています。

当院近隣の自治体について、多摩市・府中市・調布市・稲城市・国立市・日野市などで、1回あたり1万円、合計2万円の補助が受けられるようになっています。なお、接種対象者は50歳以上となっていますので、50歳未満の方は接種できません。この機会に、帯状疱疹を予防する不活化ワクチンの接種をぜひご検討ください。

もし、帯状疱疹を発症してしまった場合は、1日でも早く抗ウイルスの投与を受けることをお勧めします。

治療によって、病気自体の治りが早く、痛みの後遺症が軽くなることが期待できます。また、痛みが残ってしまった場合もできるだけ早くペインクリニックなどを受診してください。時間がたってしまうと痛みの後遺症が非常に治りにくく、中には生涯、痛みが消えないこともあります。

なお、インフルエンザワクチンとは同時接種ができますが、新型コロナワクチンとは2週間あけて接種が必要となりますので、ご注意ください。

帯状疱疹ワクチン接種についてのお問い合わせ

天本病院 042-310-0333

あいクリニック 042-375-9581

あいクリニック中沢 042-311-2820

執筆者プロフィール

天本病院 医師
久米 一誠(くめ・かずまさ)

【専門】内科、老年内科、認知症
・日本内科学会認定総合内科専門医
・日本老年医学会認定老年科専門医
・日本認知症学会認定認知症専門医(指導医)
・認知症サポート医

(広報誌『あっぱれ』2024年新春号掲載)

 


2023年12月29日 カテゴリー(天本病院): 医療コラム

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