【医師コラム】シニアが気をつけたい冬の脱水症

【医師コラム】
シニアが気をつけたい冬の脱水症

みなさん、こんにちは。医師の藤縄です。

脱水症と聞くと、夏の出来事だというのが一般的に知られておりますが、実は冬も脱水症になりやすい季節となります。
まず、脱水症は幼児と高齢者に起きやすい病状です。その原因としては、次の3つがあります。

夏は、気温が高いことによる直接的な発汗や体温上昇が原因で、水分摂取したとしても体内から出る量が多いため脱水の原因になります。
ところが冬においては、気温自体は高くなりませんが、湿度が低く空気の乾燥が起きます。それにより目に見える汗をかかなくても自然に体から水分が失われてしまいます。
また、夏よりも寒いことによって水分摂取を控えることだけでなく、トイレ回数を減らすために意図的に水分摂取を減らす方もおられます。その結果、やはり体内から出る水分量に比べて体内に入る水分量が少ないため、冬にも脱水症が起きやすくなります。
脱水症を起こさないためには、ご本人の心臓や腎臓の機能などによって異なりますが、少なくとも食事以外で1日1リットルは水分を接種した方がよいです。また、いっぺんに飲むよりは5~8回程度に分けて摂取する方がより効果的です。
また、一般的には水や白湯がよいといわれておりますが、水や白湯が嫌いな方はそれによって水分を取らないよりは、コーヒーでもお茶でも本人が飲めるもので取る方がよいと思われます。さらにどうしても水分が無理であればゼリーなどで補う方法もあります。
ただ、どの方法を取るにせよカロリーの取りすぎには注意して、いわゆる「冬太り」には注意してください。


執筆者プロフィール

天本病院  医療安全感染予防対策室 室長
藤縄宜也(ふじなわ・よしなり)


医学博士
【専門】一般内科
・日本救急医学会認定救急科専門医
・日本病院総合診療医学会認定総合診療医
・ICD制度協議会認定ICD(インフェクションコントロールドクター)

(広報誌『あっぱれ』2023年新春号掲載)

 


2023年1月18日 カテゴリー(天本病院): 医療コラム

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