【医療コラム】パーキンソン病ってどんな病気?

【医療コラム】パーキンソン病ってどんな病気?

【9月1日より及能医師による神経内科の外来診療がスタート】

天本病院 医師の及能です。

パーキンソン病は脳の変性疾患で、手が震える、動作が緩慢となる、筋の緊張が高まるという3つの症状を特徴とします。有名人では、永六輔さん、ボクサーのモハメド・アリ、映画俳優のマイケル・J・フォックスがパーキンソン病を患っていたことで知られています。有病率としては10万人に150人くらいといわれています。

診断は、先に述べた3つの特徴的な症状と、L-ドパ(レボドパ)という薬で症状が改善するかどうかで判断されます。最近では、検査としてMIBG心筋シンチグラフィーという放射性同位元素を用いた検査でMIBGの取り込みが落ちていることで確定診断されます。

ほかの病気で同じような症状を呈する場合は、パーキンソン症候群といわれ、パーキンソン病とは異なる病態です。パーキンソン症候群をきたすのは、脳動脈硬化、ある種の薬剤、脳炎の後遺症、一酸化炭素中毒、脳変性疾患のいくつかがあります。治療が異なるので鑑別することが重要です。

病気の本質は脳内のドパミンという物質が足りなくなることです。そのため治療としてはドパミンを補充する先ほどのL-ドパ(レボドパ)の服薬治療が主体となります。治療薬としては他に、抗コリン剤、ドパミン受容体刺激薬、MAO-B阻害薬、COMT阻害薬、ノルアドレナリン前駆物質、ドパミン遊離促進剤、アデノシンA2A受容体拮抗薬、ゾニサミドなど、近年多くの薬剤が開発され、患者様の症状にあわせて処方・調整されます。日常生活においては運動が重要で、歩行や体操などを心掛けることがADL(日常生活動作)を落とさない秘訣です。それでも発症から10年くらいすると、薬の副作用や効果時間の短縮からADLの維持が難しくなってきます。現在ではDBS(深部脳刺激療法)といって、脳神経外科で脳内に電極を埋め込み症状をコントロールする方法もあります。

薬のコントロールには個人差がありますので、一人ひとりに合った薬の調整が大事です。お困りの時はお気軽に神経内科医にご相談ください。

パーキンソン病の3大特徴

◯手が震える
・じっとしている時にふるえる
・片方の手や足から始まることが多い

◯動作が緩慢になる
・動きがすばやくできない
・歩くときに足が出にくい(すくみ足)

◯筋の緊張が高まる
・肩やひざ、指などの筋肉が固くなり、動かしにくい

執筆者プロフィール

天本病院 医師 及能 克宏(きゅうの・かつひろ)

【専門】神経内科
■日本内科学会認定医
■日本神経学会専門医
北里大学病院や救世軍ブース記念病院院長などを経て、2020年4月より天本病院勤務。パーキンソン病や多系統萎縮症などの変性疾患が専門。

あっぱれ2020年夏号掲載

 


2020年7月16日 カテゴリー(天本病院): 医療コラム

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