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新人広報と学ぶ
「つらい片頭痛を緩和しよう」

広報課の新人が、創立95年の歴史ある河北医療財団や、杉並区のプチ情報をご案内いたします。
 
こんにちは、新人広報 阿佐美です。
来月には梅雨の季節がやってきますね。阿佐美は片頭痛持ちで、雨が降る前日は頭痛や肩こりなどの体のだるさを感じます。予測ができるように、天気により気圧の変化を教えてくれるアプリを活用して、痛み止めを服用し、生活に支障がでないよう調節しています。同じ悩を抱えている方も多いのでは。梅雨が始まる前に知っていただきたい片頭痛とその緩和方法について紹介します。

 

目次

片頭痛とは
頭痛の種類
対処方法
受診しましょう
 

片頭痛とは

名前のとおり頭の片側が痛むことから片頭痛といわれていますが、実際には片頭痛がある約4割の方が両側性の頭痛を経験しています。日本では、成人の約8.4%が片頭痛にかかっているといわれており、片頭痛は日常生活に支障があらわれる頭痛を一次性頭痛(頭痛の原因となるような何らかの疾患がない頭痛)といいます。頭痛が起こる前に前兆の症状があるかないかで「前兆のある片頭痛」と「前兆のない片頭痛」の二つのタイプに分類されます。
 

前兆症状

視覚性(最も多い前兆)

 
感覚症状

 
言語症状

 
特殊な前兆

 
通常は、上記のような前兆症状が50~60分続いた後に頭痛が起こります。始まる前に、なんとなく頭痛が起こりそうな予感や気分の変調、眠気、疲労感、集中力低下、頸部の凝りといった症状を経験する場合もあり、これは前兆ではなく予兆といいます。
 
確かに私も、頭痛が起こる前には目の疲労や白い蛍光灯下だとチカチカと感じ、目の奥の痛みが現れ、首周りの凝りがでてくることがあります。予兆があると、高確立でその後に頭痛があるので、「またか…」と嫌な気持ちになります。
 

頭痛の種類

緊張型頭痛

頭痛の頻度が月に15日未満であれば反復性月に15日以上で3ヶ月間続くようであれば慢性に分類されます。頭痛は大体30分から7日間にかけて続き、圧迫や締めつけられるような感覚がある非拍動性の多くは両側性です。
 

群発頭痛

群発頭痛は、20~30代で発症することが多い頭痛です。以前は男性に多いといわれていましたが、最近の欧米の調査では男女差はそれほどなく、女性の群発頭痛も増えているという結果があります。発生率は人口10万人当たり9.8人と比較的少なく、医師の間でもあまり認知されていないタイプの頭痛です。
片側の眼周囲から前頭部・側頭部にかけ激しい頭痛が数週から数ヶ月の期間群発することが特徴です。夜間や睡眠中に頭痛発作が起こりやすく、頭痛発作時には痛みがある側と同様の眼の充血や流涙などの自律神経の異常が特徴です。1回の頭痛発作は15分~180分で片頭痛と比べると短く、2日に1回や1日に8回程度の何回も発作が起こるのが特徴です。発作が群発する時期は群発期と呼ばれ、症状がよくなる頃には次の群発期まで発作が起こらない寛解期となります。一部の症例では寛解期がない、あるいは存在しても3ヶ月未満であるため非常に生活支障度が高くなります。このような症例は慢性群発頭痛と呼ばれます。激しい頭痛発作で、複数の病院を受診しても診断ができない場合もあり、群発頭痛と同様の症状があっても下垂体腫瘍の場合もあるため慎重な鑑別診断が必要とされます。
 
頭痛にも種類があるんですね。きちんとした診断を受け、治療をすることが大切だと、あらためて思いました。頭痛が続くことが大きな病気のサインになる可能性もありますから、すぐにおさまるからと我慢せず、ちゃんと受診するようにします。
 

対処方法

片頭痛の対処方法には、急性期治療と予防治療があります。急性期治療薬は、片頭痛発作を速やかに消失させる目的で使われます。手軽に服用できる治療薬として、市販薬でも購入可能なアセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛剤があります。しかし、これらを月に15日以上使う場合は、薬物乱用頭痛の原因となりうるので注意が必要です。その他の急性期治療薬にはトリプタンがあり、片頭痛発作の早期(1時間くらいまで)の服用が効果的です。また、最近ではラスミジタンという心疾患や脳血管障害を持病に持つ人にも使用可能な急性期治療薬が発売されましたが、めまいや眠気の副作用に注意が必要です
一方、急性期治療薬のみでは生活に支障をきたす場合は、予防治療薬の併用が推奨されます。以前から抗てんかん薬、抗うつ薬、高血圧治療薬などが使われていますが、CGRP関連抗体という自己注射が可能な皮下注射薬が使われることも多くなっています。
 
私はアセトアミノフェンを服用しています。薬物の乱用は、逆に頭痛の原因になることを知らない方もいるかと思います。痛みを止めるために服用しているのに、それが原因で頭痛をひどくしている可能性もありますので、そんなときは無理せず脳神経内科を受診してください。
 

受診しましょう

片頭痛に悩まされている方の中には、その言葉から「私は頭全体が痛いから片頭痛ではない」と思っている方や、仕事や生活に支障が出ていても「市販薬を飲んで寝ていればおさまるから大丈夫」と我慢している方はいないでしょうか。正確に診断し、適切な急性期治療と予防治療をおこなうことで、支障のあった生活が大きく改善する場合があります。片頭痛を含む慢性頭痛で困っている場合は、脳神経内科の受診をオススメします。
 

監修:河北総合病院 脳神経内科部長 荒木 学 医師

脳神経内科

■診察内容:パーキンソン病の診断および薬物療法/認知症の診断および治療(もの忘れ診療)/神経変性疾患の診断および治療/てんかんの診断および治療/主な入院症例(髄膜炎、脳炎、めまい、てんかん、ギランバレー症候群、フィッシャー症候群、パーキンソン病、パーキンソン症候群、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、重症筋無力症、多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、皮膚筋炎、多発性筋炎など)
■医師数:常勤3名・非常勤1名

河北総合病院 脳神経内科について詳しくはこちら

 

2023.5.10

 


 

阿佐美

プロフィール
広報課に2020年中途入社。前職はITベンチャーの企画など。医療業界は初めての28才。趣味は舞台鑑賞・食べること・ヨガ。
 


 

  • 本記事は、社会医療法人 河北医療財団 広報課の企画編集により制作し、医師など医療従事者の監修を経た上で掲載しています。
  • 本記事は診療科に関する情報の提供を目的としているものであり、診療・治療行為を目的としたものではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当財団は責任を負いかねます。
  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。また、記事の内容はすべての医療機関に共通するとは限りません。あらかじめご了承ください。
  • 「阿佐美」は、読者の皆さまにわかりやすくお伝えするためのフィクションです。実在しておりません。


 
 
 

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