「食中毒かもしれない、どのタイミングで病院に行くべきか?」
そのように悩んでいるのではないでしょうか?
確かに食中毒かもしれないと感じたら病院に行くべきかどうか悩んでしまいますよね。
当記事では上記のような悩みを抱えている方に向けて、食中毒で受診すべきタイミングについて解説しています。
食中毒の原因や予防方法についても紹介しているので、食中毒で病院に行くタイミングに悩む方はぜひ参考にしてください!
- 食中毒で必ず病院に行く必要はないが重度な症状が出ていれば内科を受診すべき
- 食中毒になったら応急処置はしつつも薬の服用は自己判断しない
- 食中毒はさまざまな細菌やウイルス、寄生虫などが原因となる
- 食中毒は適切な予防をすることで回避できる
食中毒で病院行くべき症状
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食中毒の症状が出たからといって必ずしも病院へ行かなければならないということではありません。
食中毒になったからといってすぐに命に直結するリスクは低いです。
また、食中毒は自然治癒も見込めるため病院へ行かないという人もいます。
しかし、次のような症状がある場合には、病院へ行かないと命に関わるリスクもあります。
食中毒で病院へ行くべき症状は次の通りです。
嘔吐や下痢で水分補給ができない
食中毒の症状で嘔吐や下痢があります。
嘔吐や下痢によって食中毒の原因菌を外に出しているため、嘔吐や下痢の症状のみで必ず病院を受診して治療をしなくても問題はありません。
しかし、嘔吐や下痢で水分を体外に排出しているにもかかわらず水分補給ができない場合には脱水を起こす可能性が考えられます。
1日10回以上の多量の下痢や嘔吐が続いているのに水分を補給できない、口が渇いている、おしっこがでない、めまいがするという場合には、医療機関を受診しましょう。
医療機関では点滴をしてもらえるので、血管内に直接水分をいれることで、脱水状態が改善するケースもあります。
意識が朦朧としている
脱水状態が進行すると意識が朦朧とします。
頻回の嘔吐と下痢は単に水分のみを外に出しているのではなく、胃液や腸液に含まれるナトリウムやカリウムも体外に排出しています。
ナトリウムやカリウムも体外に排出され続けると意識が朦朧としてしまうのです。
話しかけても反応が鈍い、反応がない、つじつまのあわないことを話し出すという場合にも医療機関へすぐに受診すると良いでしょう。
呼吸が困難
嘔吐や下痢によって呼吸困難になる可能性も考えられます。
嘔吐や下痢による呼吸困難の原因として考えられる事象は2つあります。
1つは嘔吐物がのどに詰まったというケースです。
この場合、すぐに対処をしないと死に至る可能性が極めて高くなるため、すみやかに医療機関を受診しましょう。
もう1つは嘔吐や下痢の原因となっている食中毒のウイルスによるものです。
たとえば食中毒の原因菌がボツリヌス菌だった場合、神経系に影響を与え、呼吸麻痺を引き起こすので呼吸困難になります。
ほかにも、ヒスタミン、トリカブト、フグが食中毒の原因であった場合にも呼吸困難を引き起こします。
呼吸に関する筋肉そのものに麻痺を与えているため、早期に治療をしなければ死に至るリスクが高まるため、救急車を呼ぶなどして早めに医療機関を受診しましょう。
その他
ほかにも医療機関を受診すべきケースは嘔吐物に血が混じっている、幻覚症状がある場合です。
嘔吐物に血が混じっている場合には、嘔吐の刺激によって胃から食道のどこかを傷つけてしまっている可能性があります。
放置してしまうと、どんどん傷が広がり、穿孔などほかの病気につながるリスクがあるので早いうちに医療機関で治療をしてもらうことが大切です。
また、幻覚症状は脱水を起こしたことによって引き起こされていると考えられます。
ほかにも、毒キノコによる食中毒でも同様の症状が出現しますが、いずれにせよ、神経系にダメージを受けているという証拠なので、放置をしていても改善が見込めません。
なるべく早く医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
食中毒は内科を受診する
食中毒の場合、何科を受診すればよいのか悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。
食中毒の場合には、内科を受診しましょう。
内科を受診すれば適切な検査や治療を受けられる可能性が極めて高いといえます。
しかし、体調の悪いときに自分の状態をうまく伝えるのは難しいかもしれません。
以下の項目に沿って伝えれば、自分の体調をうまく伝えられ、なおかつスムーズに検査や治療へとつなげられるでしょう。
- 症状がいつから出たか
- 食べたもの
- 発熱の状況
- 嘔吐の有無と回数
- 便の状態
- そのほか気になる症状
もしも、本人が意識もうろうとして答えられないという場合には家族ができるだけこたえてあげられるように、状態をチェックしておきましょう。
食中毒を自力で対処する方法と注意点
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上述したように食中毒は必ずしも病院へ行かなければならないという状態ではありません。
食中毒は自力で対処して改善を見込むこともできますし、自然に治ることもあります。
ここからは、食中毒を自分で何とかしたいという方に向けてその方法と注意点を解説します。
応急処置
下痢や嘔吐で辛いかもしれませんがまずは応急処置をしましょう。
食中毒の症状は下痢や嘔吐、発熱などいわゆる風邪症状と酷似しているので最初から食中毒に気付けないケースもあります。
症状がどんどん進行してきて初めて食中毒かもとわかる場合が多いです。
そのため、もしも症状が進行してきているなと感じたら早い段階で水分補給を始めましょう。
気持ち悪くて水分が摂れないかもしれませんが、早い段階から水分を摂っておくことで脱水の予防へとつながります。
また、吐き気があり横になっていたいという方もいるかもしれませんがこの場合は必ずあおむけ以外の姿勢を取りましょう。
あおむけの状態で突然吐いた場合、そのまま嘔吐物がのどに詰まるリスクがあるからです。
応急処置を取りつつ、自分の状態をチェックして医療機関の受診は検討しましょう。
自己判断で薬を服用しない
下痢や嘔吐が辛いとどうしても下痢止めや吐き気止めを飲みたくなるかもしれません。
しかし、自己判断での薬の服用はおすすめできません。
自己判断で市販薬を使って症状を止めてしまうと、食中毒の原因である細菌やウイルスが体外に出るのを邪魔してしまいます。
それによって、症状をさらに悪化させてしまうことがあるからです。
下痢や嘔吐以外に発熱があった場合にもすぐに解熱剤は服用せず、経過観察をしましょう。
そのうえで、状態が悪化してきているという場合には速やかに医療機関を受診しましょう。
二次感染させない
食中毒の原因菌は吐物や下痢便から飛沫あるいは接触で感染します。
そのため、二次感染を防ぐために吐物や下痢便の処理は非常に重要です。
原因と考えられるウイルスや菌によって処理の方法は異なります。
食中毒でなおかつ下痢や嘔吐の症状が顕著に出るノロウイルスの場合、拭き取った嘔吐物や、使用した布・タオルなどはすぐにビニール袋に入れ、ノロウイルスを失活化させる次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒液での消毒が必須です。
また、タオルや布団などを嘔吐物や下痢便で汚した場合には、100倍に薄めた塩素系消毒剤に10分間浸してから洗濯をすることでウイルスを完全に死滅させ、感染予防へとつながります。
食中毒の原因菌の多くはアルコールが効かないので、アルコールスプレーを吹きかけても死滅しません。
必ず次亜塩素酸ナトリウムで対応しましょう。
食中毒の原因
それではなぜ、食中毒になってしまうのかその原因について解説します。
原因を知っておくことで、適切な予防や対処につなげられるかもしれません。
食中毒の原因は次の5つです。
細菌
細菌は食中毒の原因の代表的な原因です。
子どもの食中毒もそのほとんどが細菌性の食中毒であると考えられています。
細菌による食中毒は夏場に多く、腹痛や下痢がよく見られ、嘔吐はあまり見られません。
食中毒の原因となる最近は次の通りです。
- サルモネラ
- カンピロバクター
- 腸炎ビブリオ
- 腸管出血性大腸菌(O157、O111など)
- 黄色ブドウ球菌
細菌性の食中毒は症状が長引くことはあまりありません。
通常1週間程度で自然に回復します。
ウイルス
ウイルスによる食中毒は、感染性胃腸炎と呼ばれることが多く、秋~冬にかけて感染者が増加します。
1~3日程度の潜伏期間を経て発症することが特徴で、嘔吐、下痢、腹痛、発熱が症状として見られます。
しかし、ウイルスに感染したら必ず症状が出るわけではなく、なかには無症状、軽症で経過する人もいることが特徴です。
食中毒の原因となるウイルスは次の通りです。
- ノロウイルス
- A型肝炎ウイルス
- E型肝炎ウイルス
- アデノウイルス
- ロタウイルス
- アイチウイルス
- アストロウイルス及びサポウイルス
特にウイルス性の食中毒を引き起こす代表的な食品はカキなどの二枚貝です。
症状は24~48時間程度続き、その後治療をしなくても自然に軽快します。
寄生虫
寄生虫は動物や魚の体内にいる虫のことで、そのほとんどが加熱で死滅します。
しかし、加熱が不十分であると寄生虫が生きた状態で体内に入り感染します。
寄生虫が体内に侵入すると、頭痛や嘔気、嘔吐、胃痛などさまざまな症状を引き起こしますが、下痢を引き起こすことはほぼありません。
寄生虫は多くの種類がありますが、特に感染することが多いのが次の通りです。
- アニサキス
- トキソプラズマ
アニサキスは主にサバ、アジ、イワシ、サンマ、メジマグロなどの海産魚やイカに含まれ、トキソプラズマは豚、羊、山羊の肉や山羊の生乳に含まれます。
そのため、これらの食材を食べる時には調理方法が非常に重要と言えるでしょう。
自然毒
食物連鎖を通して動物の体内に取り込まれた有毒成分のことです。
自然毒は植物性と動物性に大別されます。
植物性は毒キノコやスイセン、ドクゼリをはじめとする植物で、動物性はフグや貝毒です。
植物性は、特に食中毒の発症リスクが高く、山菜取りをしていて植物毒が含まれる山菜を誤って食べてしまい食中毒を発症するケースが多い傾向にあります。
また、ごくたまに海藻にフグの卵などが付着していたことがきっかけで、海藻を食べて自然毒による食中毒を発症するケースもあります。
症状には嘔吐、下痢、腹痛がありますが、自然毒は神経に作用するケースが多いので、しびれ、呼吸困難、麻痺などが起こり死に至るケースもあるようです。
そのため、自然毒による食中毒は早期治療が望ましいといえるでしょう。
化学毒
化学毒とは、マグロやカツオ、アジやさばなどの赤身の魚に含まれるヒスチジンという物質が不適切な管理によってヒスタミンとなり、これによって発症する食中毒です。
ヒスタミンを多く蓄積した魚介類やその加工品を食べることで食中毒を発症します。
生食だけでなく加工食品でも食中毒になるというのが大きな特徴です。
化学毒を取り入れると顔面の紅潮、じんましん、発熱、嘔吐、頭痛などの食物アレルギーに似た症状が、おおむね食後30~60分ほどで現れます。
化学毒では下痢が起こるケースはほぼありません。
症状は、6~10時間程度続いた後、自然に回復します。
長くても1日あれば回復するケースがほとんどです。
食中毒の予防原則
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さまざまな原因がある食中毒ですが、食中毒は予防が可能です。
自分や家族を守るためにもぜひ食中毒の予防方法を知っておきましょう。
ここでは、「内閣府大臣官房政府広報室」が発表する食中毒の予防方法を参考に、食中毒を防ぐための方法について解説します。
つけない
食中毒の原因となる菌やウイルスは、調理をする私たちの手にはもちろん、まな板や包丁などの調理器具、食品が入っていた袋やトレーなどさまざまなところに付着している可能性があります。
食品に食中毒の原因菌をつけないようにしましょう。
食品を触る前と触った後は石鹸で手を洗うのはもちろん、食品を扱ったまな板についても調理後その都度洗い流しましょう。
特に、生肉や生魚を調理した後に、生で食べられる野菜などを調理すると、まな板や包丁についた原因菌が付着してしまうので、生で食べられる食品を先に調理して、その後に加熱が必要な食品を調理しても良いでしょう。
また、調理途中で鼻水を噛んだりトイレに行ったりした場合にも必ず、手を洗いましょう。
焼き肉などでは、焼く前のお肉と焼いたとのお肉を別の箸で扱うと、食中毒の菌が付くのを防げます。
食品を保存するときもほかの食中毒の原因菌がつかないように、しっかりと分けてラップをしましょう。
増やさない
食中毒の原因菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発となり、低温では活動が緩やかとなります。
おもに10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止するといわれています。
そのため、購入した生鮮食品は速やかに冷蔵庫に入れて保管しましょう。
すぐに食べない場合には冷凍保存をするとよいでしょう。
また、冷蔵庫に入れていたとしてもゆっくりと増殖はしているので、購入したらなるべく早く食べきりましょう。
やっつける
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅します。
食中毒の予防という観点からなるべく加熱をして食べましょう。
食中毒の細菌やウイルスが死滅するのは中心部を75℃で1分以上加熱した場合です。
この目安を必ず心がけましょう。
また、まな板や包丁などの調理器具も、細菌やウイルスが付着するため、洗剤でよく洗った後に熱湯をかけると食中毒の原因となる菌やウイルスをやっつけられます。
持ち込まない
食中毒の原因となる菌やウイルスは、食材に付着しているだけでなく、人間の体内で潜伏している可能性もあります。
そのため、嘔吐や下痢をしている場合や体調がすぐれない場合には調理をしないことで、調理場にウイルスや菌を持ち込むことを防げます。
また、家族の中に食中毒になっている人がいる場合、調理を担当する人は吐物の処理などを避けておくと、感染を最小限に抑えられるでしょう。
食中毒についてよくある質問
ここからは、食中毒についてよくある質問をまとめました。
食中毒について気になることがあるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
子どもの食中毒で病院へ行くべき目安は?
子どもや高齢者は免疫力や抵抗力が弱いため、大人では軽症で済む食中毒が重症化するケースもあります。
特に年齢の低い子どもでは食中毒に気づくのが遅れ、重症化するケースが多いです。
また、合併症となるリスクも高まります。
そのため、子どもの場合は下痢や嘔吐、発熱、腹痛など食中毒と思われる症状が出たら速やかに医療機関を受診しましょう。
このときに、便や吐物の性状、症状が出る直前に食べたものをしっかりと伝えましょう。
おむつをしている子どもの場合、可能であれば、密封した袋の中に便が付着したおむつを入れて持参すると、その便を使って原因を特定できる場合もあります。
食中毒と食あたりとの違いは?
食中毒と食あたりは基本的に同じ意味で使われる言葉です。
食あたりは一般用語であり、食中毒は医療用語となりますが、指している状態は同じになります。
ただ、なかには医師であっても下痢や嘔吐の原因が特定できない場合には食あたりと表現することがあるようです。
食中毒になりやすい食べ物は?
食中毒はその原因となる菌やウイルスが多用にあることから食中毒になりやすい食べ物もいろいろとあります。
最も多いのが魚介類です。
魚介類の生食は食中毒になりやすく、特に二枚貝であるカキは食中毒になりやすい食品の代表ともいえるでしょう。
肉や卵であっても生で食べる場合には食中毒になりやすいです。
きのこも毒きのこであれば食中毒になるリスクが高まります。
また、食中毒は食品だけでなく調理者から媒介して食品に付着することもあります。
そのため、本来ならば食中毒を発症するリスクの低い生野菜などでも調理者から媒介してウイルスや細菌が付着し、食中毒を発症するケースがあるでしょう。
食中毒かもと思ったらどうすればいい?
食中毒かもしれないと思ったら、必ず医療機関を受診する必要はありません。
しかし、口から水分が摂れないという場合や、出血が見られる場合、意識が朦朧としているなど症状が重い場合には必ず医療機関を受診しましょう。
医療機関で医師に診察をしてもらい、必要であれば治療を受けましょう。
また、症状は軽いけれど食中毒かどうか知りたいという場合にも医療機関を受診して検査を受けましょう。
医師は食中毒の人を診察した場合には保健所に報告をしなければなりません。
そのため、食中毒に罹患したという情報は保健所へも報告されます。
もしも、外食後に食中毒となり、なおかつ医療機関が保健所に報告した結果、外食先での集団食中毒が発覚した場合には事情を保健所から聞かれることがあるかもしれません。
食中毒で病院行くべきか迷ったときのまとめ
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食中毒になった場合必ず病院へ行かなければならないということはありません。
しかし、子どもや高齢者など免疫力が弱い方や、症状が重い場合には死に至る可能性があるため、病院で治療を受けることが望ましいです。
食中毒はさまざまなウイルスや細菌が原因となるため、原因となる食品を摂取するときは十分に加熱をするなどの対策が必要です。
食中毒は手洗いや除菌など予防が可能ですので、適切な方法で予防をして、食中毒を防ぎましょう。