ハウスダストの対策はどうすればいい?自宅でできるおすすめの方法を解説

「アレルギーの原因となるハウスダストは、どうやって自宅で対策するの?」

そのように悩んでいるのではないでしょうか?

確かに、目には見えないハウスダストの原因を自力で取り除くのは難しいことのように思いますよね。

本記事では、上記のお悩みを抱えている方に向けて、ハウスダストの対策方法について解説します。

ハウスダストが発生する環境や原因、引き起こしやすいアレルギー症状についても詳しく解説していているので、これからご自宅でハウスダストの対策に取り組みたいという方はぜひ参考にしてください!

この記事のまとめ

・ハウスダストは目視できないほど小さく、人の動きで簡単に舞い上がる
・ハウスダストの対策には、掃除・衣類や布製品の洗濯・適切な気温と湿度の維持・定期的な換気が有効
・ハウスダストの原因には、ダニ・花粉・カビなどの様々なアレルギー物質があげられる
・ハウスダストを放置すると、アレルギー性疾患を発症するリスクが高まる

目次

ハウスダストが発生する環境

ハウスダストとは、ホコリの中で1mm以下の肉眼で見えにくいほど極小さなゴミのことです。

ハウスダストには、ダニの死骸やフン・人間から落ちた皮膚片やフケ・たばこの煙・ペットの毛・花粉・カビ・細菌など、様々なものが含まれています。

ハウスダストはとても小さいため人の動きなどで簡単に舞い上がり、空気中にふわふわと漂います。

それを吸い込んでしまうと、アレルギー性鼻炎や気管支ぜんそく、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の発症リスクが高まります

埃が付着したカメラレンズ

ハウスダストは室内で出現するものと、室外から持ち込まれるものの2種類に分類できます。

ここからは、ハウスダストが発生する環境について解説していきます。

室内

室内

ハウスダストの70%は室内で発生しています。

室内で発生する主なハウスダストの原因は、下記の8点です。

衣類やカーペット、布製のソファ、布団類などから出る綿ボコリ
・畳や紙の繊維くず
・人間から落ちた皮膚片、フケ、毛髪
・食べこぼしのクズ
・ペットの抜け毛
・ダニの死骸やフン
・カビ
・たばこの煙

室内で発生するハウスダストは、布類から発生する綿ボコリが大半を占めます。

また、繊維くずが出やすいニットやこたつ、毛布などを使用する冬の時期は特にハウスダストの発生量が増加する傾向です。

室外

屋外

ハウスダストの30%は、室外から持ち込まれるものを誘因として発生します。

風に乗って窓から入ったり、衣類やバッグ、靴底に付着して外から持ち込むなど、親友経路は様々です。

室外から持ち込まれる主なハウスダストの原因は、下記の6点です。

・土や砂ぼこり
・昆虫の死骸やフン
・花粉
・自動車などの排気ガス
・細菌やウイルスなどの病原体
・帰宅時の衣服に付いているダニ

上記のように、ハウスダストにはたくさんの種類や数(量)があることがわかります。

目に見えるほど蓄積したハウスダスト(ほこり)が、知らない間に家具の上や床の端っこに溜まっているのを見たことのある方は多いと思います。

家具と家具、家具と壁の間などは特に掃除が難しく、気づいたときには大量のハウスダストが溜まってしまっていることもあるでしょう。

ハウスダストの蓄積しやすいスポットは、寝室・衣服の着替えをする部屋・押し入れやクローゼット・浴室や洗面所・カーテン・照明のカバー・本棚などです。

寝室:布団や毛布などの寝具から繊維くずや人の皮脂やフケ、抜け毛が発生しやすい
衣服の着替えをする部屋:衣類の繊維くずが発生しやすい
押し入れやクローゼット:洋服や布団など布製品が収納されているため繊維くずが発生しやすい
浴室や洗面所:湿度が高く、カビが発生しやすい
カーテン:布製品のため繊維くずが発生しやすい
照明のカバー:静電気にホコリが吸い寄せられやすい
本棚:紙製品にハウスダストが集まりやすい

他にも、観葉植物の葉っぱ、天井などにもハウスダストが発生しやすいため、定期的にチェックすることをおすすめします。

ハウスダストが発生しやすい場所をしっかりと把握し、正しい方法でハウスダスト対策を講じていくことが大切です。

ハウスダストの対策方法

ハウスダストの主な対策方法はこまめな掃除・衣類や布製品の洗濯・室温と湿度の維持・定期的な換気の4つです。

1.こまめに掃除をする
2.衣類や布製品を洗濯する
3.適切な室温・湿度を維持する
4.定期的に換気をする

ここからは、具体的な対策方法について詳しく解説していきます。

掃除

ハウスダストを対策方法で、最も大切なのはこまめに掃除をすることです。

床や家具の上、隙間などに蓄積したハウスダストを取り除くことで、鼻や目から侵入するハウスダストを減らすことができます。

床の掃除は、朝起きたらまず最初に行いましょう

ハウスダストは肉眼で見えないくらい極小さいゴミであるため、人の動きで容易に飛散します。

そして家族全員が寝ている間に、舞い上がったハウスダストが再び床へ落ちてきます。

そのため、ハウスダストが舞い上がる前に掃除をすることで、床に落ちたハウスダストを除去することが可能です。

壁の拭き掃除をする女性

より効率的に掃除するには、天井などの上から掃除を開始し、家具、床へと下へと掃除場所を移していきましょう

家具などの掃除を行うと、床にハウスダストが落ちていきます。

天井や家具の上にあるハウスダストは、ハンディモップなどを活用して吸着させてから、拭き掃除で細かいゴミを取り除きます。

フローリングワイパーで掃除をする女性

その後で、床の掃除に取りかかりましょう。

モップやフローロングワイパーで全面を拭き掃除してから、掃除機を使うのがポイントです。

掃除機の排気は、床に落ちたハウスダストを舞い上がらせてしまうリスクがあります。

排気カット式(排気循環式)や水フィルターを使用した掃除機の活用もおすすめです。

また、起床後すぐにエアコンをつけたり窓を開けると、同様に風でハウスダストをまき散らしてしまうため注意しましょう。

洗濯

ハウスダストの原因となる「ダニ」が好むフケや毛髪・皮膚片・汗・食べかすなどが付着しやすいものは、こまめな洗濯を意識しましょう。

ハウスダストが付着しやすいもの

・タオル
・シーツ
・ぬいぐるみ
・布団カバーや枕カバー
・カーペット
・足ふきマット

洗濯を行うことでダニを死滅させることはできませんが、ダニのエサを除去し、ダニ増殖の防止につながります。

後述しますが、ダニを死滅させるには布団乾燥機やコインランドリーの乾燥機の使用が効果的です。

部屋の室温と湿度

ハウスダストの原因となるダニは高温多湿の環境を好むため、室温20度以下・湿度50%程度に維持しましょう。

高温多湿の環境になりやすい夏だけではなく、エアコンなどの暖房機能と加湿器を併用している冬の時期も、気温と湿度には気を配らなくてはなりません。

温湿度計

また、湿度の上昇は、カビの繁殖を増加させます。

キッチンや洗面所・浴室などの水回りは湿度が高くなりやすいため、常に空気の通り道をつくって湿度を下げることを心がけましょう。

押し入れや引き出しの中なども湿気が発生しやすいため、除湿剤を使用したり、定期的に開放するなどの対策が必要です。

窓がないなど空気に通り道を作りにくい場所は、除湿器を使用して湿度を下げることも検討しましょう。

換気

定期的な換気は、室内のハウスダストなどの汚れた空気を外へ追い出したり、湿度を下げる効果があります。

換気のポイントは、最低でも2カ所以上の窓を開放することです。

空気の入り口・出口を用意することで通り道ができ、効果的な換気が行えるようになります。

窓を開ける女性

また、前述したカビもハウスダストの発生原因となります。

定期的な換気によって、室内の湿度を下げることでカビが発生しにくくなります

ハウスダストの排出や湿度を下げるために、定期的な部屋の換気を心がけましょう。

から拭きの掃除のみであれば、10分程度の換気で十分に空気を入れ換えることが可能です。

そして、換気している時間以外は空気清浄機を使用しましょう。

空気清浄機の使用により、アレルギーや花粉症の対策・ウイルスの除去などの効果が期待できます。。

1.ハウスダストによるアレルギー対策
2.花粉症の対策
3.ウイルスの除去
4.ペットやたばこなど生活臭の除去

換気しているときは空気を循環させるために電源をオフしたほうが良いですが、基本的には24時間電源を入れっぱなしすると効果的です。

とくに、共働きなど毎日の換気が難しい方やハウスダストアレルギーの方・花粉症の方・犬や猫などペットを飼っている方は空気清浄機の活用をおすすめします。

ハウスダストの原因

ハウスダストには、ダニの死骸やフン・人間から落ちた皮膚片やフケ・たばこの煙・花粉・カビ・細菌・ダニの死やフンなど多くのアレルギー物質が含まれています。

ここからはそのうちダニ・花粉・カビについて解説します。

ダニ

ハウスダストの98%はダニの死骸やフンが原因とされています。

ダニは食品や食べこぼし、人間のフケや皮膚片・アカなどをエサにして生息しています。

ダニが増殖しやすいのは室温20~30度、湿度60~80%程度の高温多湿な環境です。

高温多湿になりやすい6~9月頃に大量発生しますが、冬の時期でもエアコンなどの暖房や加湿器を使用する場合には発生しやすくなるのでご注意ください。

ぬいぐるみ

寝汗や人の体温でダニにとって最適な環境が整っている寝具や食べこぼしや皮膚片・フケなどが落ちやすい敷物には多くのダニが潜んでいます。

他にも、下記のようにダニは様々な場所に生息しています。

・布製のソファ、クッション
・ぬいぐるみ
・衣類
・畳
・足ふきマット
・掛け布団、敷き布団、毛布などの寝具
・じゅうたん、カーペット
 など

ダニは肉眼で見えないくらい小さいので、上記の場所の奥まで簡単に入り込んでしまいます。

さらに掃除機で吸うだけでは、繊維にしがみついたダニを除去することは困難です。

ダニは60度以上の熱で死滅します。

しかし、掛け布団や敷き布団、毛布などを天日干しするだけでは、ダニが死滅する温度まで到達することはありません。

布団乾燥機やコインランドリーの高温乾燥機を活用して60度以上の熱を加えることで、ようやくダニは死滅します。

ダニの死骸はアレルギーの原因となるため、ダニを死滅させた後は必ず掃除機をかけておくことも重要です。

また、布団乾燥機を使用する時間を確保できないときは、市販のダニ駆除スプレーやダニとりシートの活用も有用です。

スクロールできます
使用方法掃除機の
必要性
商品の選び方
ダニ駆除スプレー布団全体にまんべんなく噴射するあり速乾性があり、べたつかないもの ・肌刺激テストを行っているもの
ダニとりシート布団やベッドの足下に設置するだけなし薬剤不使用の商品(小さな子どものいる家庭でも安心です)

ダニ駆除スプレーの使用後はダニの死骸が残るため、スプレーを使用した後はダニの死骸を掃除機で吸引する必要があります。

ちなみに、リセッシュやファブリーズのような除菌消臭スプレーにはダニを駆除する効果は無いので注意しましょう。

花粉

花粉の飛散する季節では、風で流れ込んできたり衣服に付着するなどで屋内に侵入し、ハウスダストの一因となります。

代表的なのは、スギやブタクサの花粉です。

地域や気温によって変動しますが、スギ花粉は2~5月、ブタクサ花粉は8~10月飛散します。

スギの花(花粉)

晴れた日に換気すると花粉が風とともに流れ込みますし、布団を天日干しすると大量の花粉が布団に付着してしまいます。

洗濯物を外に干さない・雨の日に換気するなど、室内への花粉の侵入を防ぐための対策をしましょう。

花粉をキャッチしたり不活化させる効果のあるレースカーテンを使用する
・換気をするのは、花粉の飛散量が減る雨の日を選ぶ
洗濯物は室内に干す、または乾燥機を使用する
・髪や服に付着した花粉を玄関先で落とす

また、室内に侵入した花粉はこまめな掃除や空気清浄機の活用で取り除くことができます。

ハウスダストや花粉のアレルギー症状を起こさないためには、屋内へ花粉を持ち込まないこと、そして侵入させてしまった場合はすぐに花粉を取り除けるように対策をすることが重要です。

カビ

カビの胞子もハウスダストによる症状を引き起こす原因の1つです。

カビは、風通しが悪く、湿度が高い環境で発生しやすくなります。

カビの生えた洗面所

カビ菌の多くは室温15~30度(特に25~28度で活発化)、湿度70%以上で繁殖しやすいです。

とりわけお風呂場やキッチン・家具の裏の壁・押し入れなどの収納・マットレスや敷き布団などの寝具など、湿度の高い場所にはカビの胞子が空気中に浮遊している可能性があります。

こまめに換気を行う・除湿剤や除湿器などの商品を活用するなど、カビの発生防止のために対策をしましょう。

温度25度以下、湿度を60%以下に維持する
部屋干しを控えるか、部屋干し後はしっかりと換気を行う
1日に数回部屋の換気をする
エアコンの「除湿」機能や除湿器を活用する
・収納の中などは除湿剤を使用する
窓に結露防止フィルムを貼付するなど、結露を予防する
サーキュレーターや扇風機を活用し、部屋の空気を循環させる

また、エアコン内部でカビが発生し、作動時に放出される恐れがあります。

そのため、こまめにエアコンのフィルター掃除を行うことが大切です。

カビが繁殖しないよう普段からこまめな掃除や換気を心がけ、カビが発生したらすぐにカビ取り剤を使用して除去することをおすすめします。

ハウスダストでおこるアレルギー症状

ハウスダストの中には、アレルギーを引き起こすアレルギー物質が大量に含まれています

一般的な家庭でのハウスダストを調べた結果、ホコリ1gの中にダニ約2,000匹、黒カビ約3万個、細菌約800万個、季節によっては花粉が検出されたと報告されています。

つまり、ハウスダストはあらゆるアレルギー物質が混ざっているものです。

たくさんのアレルギー物質(アレルゲン)が目・鼻・口・皮膚などから体内に侵入すると、異物から身を守るために免疫が過剰に反応して様々な症状を引き起こします。

この状態を「アレルギー反応」といい、ハウスダストが原因で起こるアレルギーがハウスダストアレルギーです。

ハウスダストによるアレルギーではくしゃみ・鼻水など様々な症状が現れます。

・くしゃみ
・鼻水、鼻づまり
・目のかゆみ・痛み
・皮膚の乾燥・炎症
・喘息(ぜんそく)
・咳

アレルギー症状が現れた場合は、早めに病院を受診しましょう。

より専門的な検査や治療を希望される場合は、お近くのアレルギーの専門医に相談してみることをおすすめします。

それでは、ここからはハウスダストを原因として引き起こされるアレルギー性疾患について解説していきます。

アレルギー性鼻炎

ティッシュで鼻をかむ男性

ハウスダストや花粉などのアレルゲンが体内に侵入し、鼻の粘膜に炎症を引き起こします

アレルギー性鼻炎の三大症状
1.発作のようなくしゃみ
2.さらさらとした鼻水
3.鼻づまり

症状が似ている風邪と間違えてしまうこともありますが、風邪の場合は黄色い粘性のある鼻水・のどの痛み・咳などの症状が現れます。

また、風邪は7~10日で改善することが多いです。

「アレルギーかな?」と疑問に思ったときは、上記の症状を見分ける時の目安として参考にしてください。

アトピー性皮膚炎

ハウスダストや食べ物などにより皮膚が刺激を受け、アレルギー症状を引き起こします。

アレルギーを起こしやすい体質の方や、皮膚のバリア機能が弱っている方に多いです。

乳幼児期に発症し、一般的に思春期頃には改善する方が多いとされています。

思春期までに改善せず、大人になっても続いていると重症化したり慢性化してしまうことがあります。

アトピー性皮膚炎の症状
1.湿疹:乳幼児期は赤みが有り、湿っているのが特徴
2.皮膚の強いかゆみ
3.小児期はお肌が乾燥し、硬くなる

年齢によって症状が変わることもアトピー性皮膚炎の特徴です。

乳児期は頭や顔、幼児期以降には手足の関節部分、思春期以降は顔・胸・背中などの上半身を中心に症状が現れやすいです。

また、汗、汚れ、紫外線、化学物質(石鹸・化粧品・金属など)などの刺激で悪化する可能性があります。

気管支喘息

咳をする男性

ハウスダストを吸い込んだことにより、空気の通路である気管支に慢性の炎症を引き起こします。

その結果、気管支の粘膜が腫れて空気の通路が狭まることにより、様々な症状が現れます。

最も発症しやすいのは1~2歳の子どもで、8割の方は未就学期のうちに発症します。

小児喘息の約7割は思春期になるまでに改善することが多いですが、そのまま改善せず症状が続いたり、成人後に再発する可能性もあります。

また、大人になってから再発するケースや、大人になってからはじめて気管支喘息にかかるケースは重症化することが多いです。

気管支喘息の症状
1.喘息発作時の激しい咳き込み
2.息を吐くときの息苦しさ
3.気管が狭まり、呼吸のたびに「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」という呼吸音がきこえる

気管支喘息が悪化すると、呼吸困難となり命に危険が及ぶ恐れがあります。

夜中から明け方までの間で発作が現れることが多いため、その時間帯は特に注意が必要です。

風邪をひいた後の咳や息苦しさがなかなか治らないという場合は、気管支喘息になっている可能性を考え、早期にかかりつけ医や呼吸器内科を受診することをおすすめします。

アレルギー性結膜炎

ハウスダストや花粉が目の結膜に付着することで、目のアレルギーを引き起こします。

結膜は、まぶたの裏側と黒目の部分(角膜)の境目までの白目の部分を保護している粘膜のことです。

目は常に外界の刺激を受けやすいため、アレルギー反応を引き起こしやすい部位とされています。

コンタクトレンズの刺激で引き起こされることもあります。

アレルギー性結膜炎の症状
1.目の充血
2.目の強いかゆみ
3.目の痛み、ゴロゴロした感じ

アレルギーの程度によって症状に違いはありますが、アレルギー性結膜炎の特徴は両目に症状が出るという点です。

悪化すると目の腫れや、結膜のむくみが現れる可能性もあります。

ハウスダストの対策でよくある質問

ここからは、ハウスダスト対策でよくある疑問について解説していきます。

ハウスダストを放置するとどうなる?

ハウスダストを放置すると、アレルギー性鼻炎や気管支ぜんそく、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患を引き起こす可能性があります。

ハウスダストによってアレルギー症状が出ると、くしゃみや鼻水など様々な症状が現れます。

・くしゃみ
・鼻水
・鼻づまり
・目のかゆみや痛み
・皮膚の炎症やかゆみ
・皮膚の乾燥
・咳

最初は「鼻水が出るだけ」「肌の乾燥だけ気になる」とか軽いアレルギー症状だった方も、ハウスダストを放置することで薬を内服しないと日常生活が困難になるほど悪化する場合もあります。

アレルギー症状が現れた場合は、病院を受診してハウスダストの中の何に原因があるのか調べると対策しやすいです。

その上で、こまめな掃除・衣類や布製品の洗濯・適切な室温・湿度を維持・定期的な換気を心がけましょう。

掃除の頻度は?

ハンディモップを片手に持つ男性

毎日5分でもいいので毎日掃除を行うことをおすすめします。

掃除の頻度とハウスダストの量は比例して増えていくため、毎日1回掃除を行うだけでハウスダストの蓄積をかなり防止することができます。

毎日行うと効果的な掃除は、床掃除と換気です。

起床後すぐ窓を閉めたまま掃除し、掃除後に窓を2カ所開ける
掃除はモップやフローロングワイパーなどでから拭きし、必要があればその後掃除機をかける
換気は10分間で十分の効果が得られる

毎日掃除を行うことでハウスダストの蓄積量が減少し、アレルギー症状が徐々に改善する可能性もあります。

週に1回程度念入りに掃除が必要な場所は、階段・玄関・トイレ・棚の上・網戸・家電や家具などの裏や下です。

普段使わない部屋もハウスダストだらけにならないよう、週に1回は念入りに掃除を行いましょう。

家全体でハウスダストを減らすことで掃除の負担が減っていくため、定期的な掃除を習慣化することが大切です。

ハウスダスト対策におすすめのグッズは?

ハウスダスト対策には掃除が最も有効なので、掃除の効果を高めるグッズがおすすめです。

アイリスオーヤマ「強力布団クリーナーIC-FAC3
ハウスダスト除去率98%を謳う布団クリーナーです。高感度のダニちりセンサーを搭載しており、ダニの多い・少ないが一目で分かります。毎分約6,500回の高速振動でアレル物質をたたき出し、強力なサイクロン気流で取り除きます。

Loievt(レボイト)「空気清浄機」
部屋の隅々まで花粉吸収・脱臭・集塵・浄化を行う、コンパクトサイズの空気清浄機です。花粉・ハウスダスト・菌・ほこり・ダニなどを99.97%キャッチできると謳われています。

TSHEK「3Dダニ取りシート」
5重構造でダニをしっかりロックする殺虫剤不使用のダニ取りシートです。置くだけでダニを捕獲でき、使用後は捨てるだけなので後処理が簡単です。

P&Gジャパン「ファブリーズ ハウスダストをまとめて固めるスプレー」
布製品にスプレーするとハウスダストを固めて簡単に取り除きやすくなるというものです。布製のソファやカーテンなど、頻繁に洗うのが大変な布製品への使用をおすすめします。

レック「激落ちクロス」
高密度・高品質な超極細繊維(マイクロファイバー)で洗剤を使わずにホコリをすっきり落とせるマイクロファイバークロスです。水拭きとから拭きどちらも使用できます。

TEIJIN「掛け布団カバー」
極細繊維を高密度に織り上げてあり、ダニも通れないほど繊維の隙間が小さい布団カバーです。防ダニ薬剤を使用していないので小さなお子さんがいる家庭におすすめです。

ペットを飼うとアレルギーになる?

犬や猫など、毛のある動物を飼うことで新たに感作されてしまい、アレルギー症状が現れる可能性はあります。

今まで触れあって問題のなかった動物も、接触機会が増えるとアレルギーを発症するリスクは高まります。

子供の頃は大丈夫だったのに、大人になってから発症するというケースもあるようです。

アレルギーは誰でもいつでも発症する危険があります。

ベッドで横たわる猫

また、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を発症した場合、室内でペットを飼うことはアレルギー症状が悪化する原因になるため、ペットの飼育を避けることが推奨されています。

そのため、まずはペットを飼い始める前に病院を受診してアレルギー検査を受けておくことが大切です。

アレルギーの検査はアレルギー科をはじめ、内科・耳鼻科・皮膚科・眼科などでも受けることができます。

もしすでにペットを飼っている場合は、ペットをこまめに洗う、ペットを寝室に入れない、居住空間を分ける、散歩の後は足裏を洗うなどの対策をしましょう。

アレルギー症状を治療する方法は?

アレルギーを治療する方法は、症状に対する治療・炎症を抑える治療・免疫療法(アレルゲン免疫療法)の3つです。

1つ目の「症状に対する治療」とは、アレルギーによって引き起こされるくしゃみや鼻水などの諸症状を、薬を使って治療するものです。

そして2つ目の「炎症を抑える治療」とは、皮膚の炎症などアレルギー性疾患によって生じる炎症を抑える薬物療法です。

症状を抑えるための薬には抗ヒスタミン薬・気管支拡張剤・アドレナリン自己注射、炎症を抑える薬にはステロイド外用薬・点鼻ステロイド薬があります。

スクロールできます
 治療薬作用副作用・注意点
抗ヒスタミン薬・アレルギー性鼻炎:くしゃみや鼻水の緩和
・アトピー性皮膚炎:皮膚のかゆみの緩和
・眠くなる可能性がある
気管支拡張薬・気管支喘息:気管を広げ、発作を止める・動悸や頭痛、不整脈が起きる可能性がある
アドレナリン自己注射・重篤なアレルギー症状を抑制する・自分で注射をする
ステロイド外用薬・アトピー性皮膚炎:皮膚の炎症やかゆみを抑える
点鼻ステロイド薬・アレルギー性鼻炎:鼻の粘膜の炎症を抑える

3つ目の「免疫療法(アレルゲン免疫療法)」は、アレルギーを治癒したり長期的に症状がない状態に緩和できるとされています。

アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ長期的に投与し、アレルギー反応が起こりにくい身体に変えていきます。

免疫療法は投与の方法によって、皮下免疫療法と舌下免疫療法の2種類に分けられます。

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投与場所投与方法ダニとスギの
同時治療
通院頻度
皮下免疫療法皮下注射で投与可能最初は通院が多くなりがちだが、少しずつ頻度を減らせる
舌下免疫療法舌の裏側薬を垂らして投与非推奨自宅で薬を飲むだけなので、通院回数が少ない

治療期間は3~5年と長期化しやすく、定期的に通院する必要があるため、負担に感じてしまうかもしれません。

しかし、アレルギー症状を根本から治すことを希望される方は、根気よく治療を継続することが大切です。

どちらも保険適用が認められているため、アレルギー症状に悩まされている方は一度かかりつけ医に相談してみましょう。

ハウスダストの対策まとめ

ハウスダストは肉眼では目視できないほど小さく、人の動きで簡単に舞い上がってしまいます。

それを吸い込むとアレルギー症状を引き起こすことがあり、放置すればアレルギー性鼻炎や気管支ぜんそく、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の発症リスクが高まります

アレルギー症状がある方は病院でアレルギーの検査を行い、治療を受けることで症状が緩和したり治癒する可能性もあります。

アレルギー症状の有無にかかわらず、掃除や換気などハウスダストの対策をしっかりと行い、アレルギーが悪化しないよう環境を整えることが大切です。

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