性病は自然治癒しない!治療機関や放置するリスクを種類別に解説します

「性病は自然治癒するの?」「性病を放置したらどうなる?」と悩んでいませんか。

当記事では、性病が自然治癒するのか、放置する危険性について解説します。

また、主な性病ごとに放置するリスクや治療期間もまとめました。

性病で悩んでいる人や治癒するのか不安な人は、ぜひ参考にしてください。

忙しい人向け!この記事のまとめ
  • 結論、性病は自然治癒しない
  • 性病を放置すると再発や感染の可能性があるので注意
  • 性病の種類によっては完治の可能性がないものもある
  • 性病かもと思ったら早めに病院で受診しましょう!
目次

性病は自然治癒しない!

結論、性病は自然治癒しません。

医療機関で治療を受けない限り、性病の病原体を体から取り除けないためです。

性病に感染したまま放置していると、症状の悪化や他の人への感染、再発などのリスクがあります。

「クラミジアが自然に治った」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは他の病気で処方された薬がたまたまクラミジアに効いたと考えられます。

しかし、この場合はクラミジアの治療薬を服用したわけではないため、完全な治療とは言い切れません。

体内に病原体が残ったままであることが多く、再発のリスクを含んでいます。

そのため、「性病かも」と思ったら、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

性病を放置する危険性を解説!

性病を放置する危険性について、詳しく解説します。

性病は勝手に治るものではないため、放置しているとこれから解説するようなリスクが生じてしまうので注意してください。

症状が再発する恐れがある

性病の症状がなくなったとしても、適切な治療を受けないと病原体は体内に残ってしまいます。

そのため、何らかのタイミングで症状が再発する可能性があります。

他の人に感染させる可能性がある

性病を放置すると、パートナーなど他の人に感染させる可能性があります。

自覚症状がなかったり症状が軽かったりしても、治療をしない限り病原体は体内に残り続けます。

性病は、性器や口内の接触を行う性行為によって感染するため、経験がある人なら誰でも感染する恐れがある病気です。

パートナーや他の人に迷惑をかけないためにも、完治するまでは性行為しないようにしましょう。

重篤な症状を引き起こす恐れがある

性病を放置するリスクとして、重篤な症状を引き起こす可能性があることが挙げられます。

性病を放置した時間が長ければ長いほど、病原体は体の奥へ入っていきます。

その結果、より重篤な症状に発展してしまうのです。

例えばクラミジアの場合、以下のような症状が引き起こされます。

性別軽度な症状重篤な症状
男性尿道の不快感、排尿時の痛み、サラッとした膿の排出発熱、性器の腫れ、前立腺や精巣上体に炎症
女性おりものの増加、性交時の痛み、不正出血卵管や卵巣に炎症、骨盤腹膜に炎症

性病は放置すると症状が進行してしまうため、早めに治療を始めましょう。

出産時にリスクが高まる

梅毒やクラミジア、HIVなどの性病は、母子感染の可能性が高い病気です。

出産時に赤ちゃんに感染する可能性があり、生まれつき障害を与えてしまうかもしれません。

最悪の場合は死に至る可能性もあります。

不妊症などの原因につながる

女性が性病に感染すると、不妊症や子宮外妊娠などを引き起こす可能性があります。

病原体が体の奥に入り込み、卵管や卵巣、骨盤腹膜まで影響を及ぼします。

また、クラミジアに感染したまま出産すると、赤ちゃんが感染する恐れがあるので注意してください。

赤ちゃんがクラミジアに感染した場合、結膜炎や肺炎を引き起こすかもしれません。

不妊症予防だけでなく、子供に影響を及ぼさないためにも性病は早めに治療しましょう。

性病のリスクや治療期間を種類で解説!

性病のリスクや治療期間、完治の可能性は性病の種類によって異なります。

ここからは、性病のリスクや治療期間を種類別に解説していきます。

性病のリスクや治療期間を種類ごとに解説

クラミジア

クラミジアは、日本で最も感染者数が多いとされている性病です。

クラミジア・トラコマチスという病原体が、性行為などで粘膜から感染することで発症します。

感染した場合尿道や子宮などに影響を及ぼし、排尿時の違和感や痛み、分泌物の増加などを引き起こします。

ただ、人によっては自覚症状があまりないケースもあるので注意が必要です。

自覚症状がないから放置していると、重篤な病気に発展する可能性があります。

主な症状男性:尿道の痒みや痛み/尿道の不快感/分泌物の排出
女性:おりものの増加/不正出血/排尿時の痛み
リスク男性:精巣上体炎
女性:不妊症/早産/流産
治療期間の目安1週間〜1ヶ月程度
完治の可能性完治する

梅毒

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が粘膜から感染することで発症する性病です。

2010年代から患者数が増加し始め、2022年には1万人を突破し社会問題にもなりました。

感染した場合、3週間、3ヶ月、3年を目安に時間の経過とともに多様な症状を引き起こすのが特徴です。

感染から3週間程度で、性器や肛門、唇などにしこりができます。

しかしこのしこりは数週間ほどで症状が消え、無症状になるため「治った」と思いがちです。

その後感染から3ヶ月程度で、皮膚や粘膜に発疹ができるだけでなく、倦怠感や発熱など風邪のような症状が発生します。

しこりや発疹、風邪のような症状を繰り返し再発しながら、症状がどんどん重たくなっていくことが多いです。

主な症状性器や肛門、唇にしこり/皮膚の粘膜に炎症/発熱/倦怠感/全身リンパの腫れなど
リスク脳や心臓の合併症/胎児の死亡/早産/新生児の奇形
治療期間の目安2週間〜12週間程度
完治の可能性完治する

淋病

淋病は、淋菌によって起こる尿道粘膜の炎症です。

性交渉などにより、女性の性器や喉から男性の尿道に感染します。

お風呂やトイレでは簡単に感染せず、1回の性交渉で30~50%程度の感染確率があります。

感染すると尿道の入り口から分泌物や膿が出るだけでなく、排尿時の痛みが強いという特徴がある病気です。

放置していると前立腺炎や精巣上体炎に発展する可能性があります。

女性でも感染する可能性はありますが、男性の方が尿道が長いため感染しやすいと言われています。

※出典: ドクターズ・ファイル

主な症状男性:排尿痛/分泌物や膿の増加
女性:おりものの増加/性交痛/不正出血/外陰部の腫れやかゆみ
リスク男性:前立腺炎/精巣上体炎
女性:卵管の炎症/不妊症/子宮外妊娠/早産
治療期間の目安2週間〜3週間程度
完治の可能性完治する

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、性器やその周辺にイボのようなブツブツができる性感染症です。

これらのイボにはかゆみや痛みはありません。

初期は先が尖ったような小さいイボができますが、徐々にイボのサイズが大きくなり数も増えていきます。

症状が進行すると、イボ同士が合体し、カリフラワーのような形状になることもあります。

女性の場合は膣の内側にイボができることもあり、気付きにくい場合もあるため注意が必要です。

また、尖圭コンジローマは治癒率が60%〜90%で、再発率20%〜30%程度と言われています。

完全に治るとは言い切れず、さまざまな治療法を数回にわたって試す場合もあります。

治療期間も16週間と長いため、根気強く治療に取り組まなくてはなりません。

※出典:巣鴨千石皮ふ科 

主な症状性器周辺にイボができる
リスクイボの肥大化/不妊症/がん
治療期間の目安16週間程度
完治の可能性治癒率60%〜90%

HIV

HIVは、人の体を病原体から守るのに重要な細胞であるTリンパ球やマクロファージなどに感染するウイルスです。

感染源となるのは、精液や膣分泌液、血液、母乳などで、感染経路は性行為や血液、母子感染などが挙げられます。

HIVに感染すると免疫力が低下してしまうため、通常であれば問題ない菌やウイルスに感染し、さまざまな病気を引き起こします。

また他の性病と違い、HIVは完治しません。

ただ、治療薬を使うことでエイズ発症を抑えることは可能です。

主な症状発熱/リンパ節が腫れる/咽頭炎/湿疹/筋肉痛/頭痛/下痢など
リスク免疫低下/悪性腫瘍/合併症/死亡
治療期間の目安内服を開始してから一生涯
完治の可能性完治しない

性病かも?と思ったら早めに病院で受診する!

性病かもと思ったら、早めに病院に行きましょう。

性病を放置すると、重篤な病気を引き起こすだけでなく、パートナーなど周囲の人に影響を及ぼしてしまいます。

女性の場合は、不妊症や奇形、子宮外妊娠の恐れもあります。

性病は適切な治療を行うことで完治する場合が多いため、早めに診察を受けて治療を始めましょう。

性病かもと思ったら早めに病院に行こう

男性の場合は泌尿器科

男性の場合は、泌尿器科を受診しましょう。

検査で性病を特定し、投薬などで治療を始めるのが一般的な流れです。

費用や治療薬、治療にかかる期間は、感染している性病や利用した病院によって異なります。

なお、治療にかかる費用は一般診療と同じく保険が適用されるため、医療費の負担はそこまで多くないでしょう。

女性の場合は婦人科

女性の場合は、婦人科を受診しましょう。

男性と同じく、検査で性病を特定し、投薬などで治療を始めます。

検査の際は膣内の細胞や子宮の入り口のおりものを採取することが多いですが、利用する病院によって異なります。

また、婦人科は性病検査や治療だけでなく、おりものや生理、妊娠などの悩みも相談できる医療機関です。

性病の他に、普段から気になっている悩みや症状を相談しても良いでしょう。

性病に関するよくある質問

最後に性病に関するよくある質問に回答します。

性病や治療で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

性病はどれくらいの期間で治る?

性病の治療にかかる期間は、感染している性病や個人差によって異なります。

おおよその治療期間は、以下の表のとおりです。

性病の種類治療期間の目安
クラミジア1週間〜1ヶ月程度
梅毒2週間〜12週間程度
淋病2週間〜3週間程度
尖圭コンジローマ16週間程度
HIV服薬を始めて一生涯

ほとんどの性病は治療をすれば完治しますが、HIVは一生涯治療を続けなくてはなりません。

また、どの性病も放置すると重篤な病気に発展する可能性があるため、「性病かも」と思ったら早めに治療を始めましょう。

治りにくい性病はある?

治りにくい性病は、以下のようなものがあります。

  • 性器ヘルペス
  • 淋病
  • クラミジア

性器ヘルペスは、性器周辺にただれや湿疹のようなぷつぷつができる病気です。

性器ヘルペスは完治したとしても、一度感染すると体内に病原体が残ってしまうため、再発する可能性が高く治りにくいとされています。

淋病は、比較的短期間で治療できる性病ですが、治療に使用する治療薬に対して耐性を持ちやすい菌であるため、治りにくいと言われています。

クラミジアは感染者数が多く、短期間で治療できる性病です。

ただ、クラミジア菌のなかには治療薬が効かない菌もあります。

この菌の場合は治療薬の効果が発揮できず、治療に時間がかかってしまうため、治りにくいとされています。

キスで感染する性病はある?

キスで感染する可能性がある性病は、咽頭淋菌、咽頭クラミジア、梅毒などがあります。

軽いキスによる感染リスクはほぼありませんが、ディープキスをすると喉にいる病原体が体内に入り、感染する恐れがあります。

また、口の中に口内炎や切り傷、出血がある場合は、そこから菌が侵入しやすくなるので注意が必要です。

お風呂で感染する性病はある?

お風呂で感染する性病はトリコモナスや梅毒などがありますが、感染リスクはそこまで高くありません。

粘膜が接触するようなことがなければ、基本的に感染しないと考えて良いでしょう。

また、クラミジアはとても弱い菌なので、感染した人と一緒に入浴しても感染する可能性はありません。

性病 自然治癒 まとめ

性病は自然治癒しません。

性病にかかったまま放置していると、再発の恐れや重篤な病気を引き起こす可能性があります。

また、感染してから他の人と性交渉した場合、パートナーや他の人に感染させるリスクもあります。

性病は早めに治療を始めれば、短期間で治療できるものが多いです。

「性病かも」と思ったら、早めに病院を受診し、治療を始めるようにしましょう。

忙しい人向け!この記事のまとめ
  • 結論、性病は自然治癒しない
  • 性病を放置すると再発や感染の可能性があるので注意
  • 性病の種類によっては完治の可能性がないものもある
  • 性病かもと思ったら早めに病院で受診しましょう!
目次