「手が震えるけれども何か悪い病気の可能性はないのか…」
そのように悩んでいるのではないでしょうか?
たしかに、手が震えると何か悪い病気の可能性があるかもしれないと不安になってしまいますよね。
この記事では、手が震える原因や対処法について解説しています。
これを読んで、手が震える原因を正しく理解して対処していきましょう!
- 手が震える原因は5つあり、病気が原因の場合と生理的な原因の場合がある
- 加齢に伴い手が震えることが増えてくるが、若くても手が震えるケースがある
- 手が震えて日常生活に支障をきたす場合やほかの症状がある場合には医療機関を受診して原因を知るべき
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手の震えの原因
手が震える原因には主に次の5つが考えられます。
自分の手が震える原因は何かを正しく理解しておきましょう。
原因 | 症状 |
生理的振戦 | 寒さや過度の緊張、ストレスや重いものを 持ち続けた時などに一時的に手が震えるもの |
本態性振戦 | 特に理由がなくても手が震えること |
アルコール依存症 | アルコール依存症とはお酒を飲む量や飲むタイミングなどを 自分でコントロールできなくなった状態 |
パーキンソン病 | 大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が 減少することによって起こると考えられている病気 |
バセドウ病 (甲状腺機能亢進症) | のど近くにある甲状腺がホルモンを 過剰に作り出すことによって起こる病気 |
生理的振戦
生理的振戦とは、寒さや過度の緊張、ストレスや重いものを持ち続けた時などに一時的に手が震えるものです。
誰にでも起こる可能性がある手の震えであり、病気の可能性はありません。
原因とされる事象が終われば、手の震えも自然に治まります。
本態性振戦
生理的振戦と同じ理由あるいは、特に理由がなくても手が震えることをいいます。
手が震える以外の症状が出ず、検査を受けても検査値はすべて正常であるため、原因ははっきりしていません。
年齢が上がるにつれて有病者が増加する傾向にありますが、若い人でも発症することが特徴です。
一般的には20代と60代が発症のピークであると考えられています。
家族に本態性振戦の方がいると発症しやすいとも考えられており、本態性振戦の方は、パーキンソン病を発症しやすいともいわれています。
コップを持ったり文字を書いたりする際に手が震えるのを自覚する方が多い傾向にあり、日常生活へ支障をきたす場合には治療を検討するべきです。
アルコール依存症
アルコール依存症とはお酒を飲む量や飲むタイミングなどを自分でコントロールできなくなった状態です。
生活の優先順位がアルコールとなり、日常生活や社会生活へも支障をきたします。
アルコール依存症の場合は、飲酒しない時間ができ、体内のアルコール濃度が下がると、手の震えが出てきます。
アルコール依存症の期間が長くなると、常に手が震えるようになるのも特徴です。
パーキンソン病
大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少することによって起こると考えられている病気です。
安静にしている時に手が震えることが特徴で、手以外にも足が震えるケースもあります。
特に力を抜いていると手が震えやすくなり、手を動かすと震えが和らぎます。
左右の手に震えの差があるケースがほとんどです。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
のど近くにある甲状腺がホルモンを過剰に作り出すことによって起こる病気です。
手が細かく震えることが特徴で、足の震えもあわせればバセドウ病の7~8割の方に見られる症状といわれています。
コップを持った時や字を書くときに手が細かく震えるのを自覚する方が多いです。
手の震えが出た時の対処法
病気の可能性がないものもあれば、病気の可能性があるものもあり原因を知らなければ手の震えは改善できません。
手が震えているが日常生活には支障をきたしていない、手が震えていても寒さや緊張している時など震えるタイミングが分かっていればまずは様子を見ても良いでしょう。
しかし、あきらかに日常生活に支障をきたしているという場合には、医療機関を受診して検査を受けることがおすすめです。
以下の状況に当てはまる方は上述した状態ではなくても医療機関に一度相談してみましょう。
- 手の震えが唐突にはじまる
- 50歳未満であり、近親者に本態性振戦の方がいない
- 手の震え以外にも足の震えや歩行困難、発語困難や精神的な症状などほかの症状がある
- 手の震え以外にも、心拍数の上昇や興奮状態が見られる
また、場合によって震えは自分で対処をすることもできます。
コーヒーなどのカフェインは震えを悪化させるリスクがあるので控えましょう。
リラックスした状態になれば緊張が治まるケースもあるので、まずはリラックスして過ごして様子をみてみましょう。
手の震えが出た時は病院に行くべき?何科?
原因によって治療ができる診療科が異なりますが、まずは脳神経内科や神経内科を受診するとよいでしょう。
これらの診療科では、MRIなどの検査機器がある場合も多く、手の震えの原因をすぐに分析してもらえるでしょう。
ただし、アルコールが原因であるということが明らかに分かっている場合には、アルコール依存症の治療ができる専門の医療機関の受診が必要です。
近くに脳神経や神経内科がないという場合には、内科でも診療はしてもらえます。
もしも、脳神経内科や神経内科への受診が必要と判断されれば紹介状を書いてもらえ、適切な医療が受けられるようにアプローチしてもらえます。
手の震えについてよくある質問
ここからは手の震えについてよくある質問をまとめました。
手の震えについて気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
・若い世代であっても生理的振戦や本能的振戦はある
・加齢に伴い増える傾向にあり珍しいことではない
・日常生活に支障をきたすなどの場合は受診するべき
・一時的な震えは事象が終われば治まる
・ストレスや緊張が原因であればツボ押しも効く
10代~30代と若いですが、手の震えは重篤な病気の可能性はありますか?
10~30代と若い世代であっても生理的振戦や本態性振戦になる可能性は十分にあります。
しかし、重篤な病気の可能性は低いといえるでしょう。
ただし、パーキンソン病など遺伝が原因の1つとなる病気もあるため、若い世代でも手の震えが気になったり、日常生活に支障をきたしていたりしたら医療機関を受診されるのがおすすめです。
40代~60代と年齢が高いですが、手の震えは重篤な病気の可能性はありますか?
40~60代になると手の震えを自覚する方は増えてきます。
特に、本態性振戦に関しては40才以上の4%くらいに見られるといわれているので、手の震え自体が珍しいことではありません。
しかし、手の震えが関連する病気は加齢に伴い増加する傾向にあるため、手の震えが重篤な病気の引き金となる可能性は十分にあります。
手の震えを自覚する、手の震え以外の症状があるという場合にはなるべく早く医療機関を受診しましょう。
高齢者の手の震えは病気ですか?
加齢に伴い手の震えを自覚する方は増加傾向にあるため、必ずしも病気である可能性は低いです。
しかし、手の震えによって日常生活に支障をきたしていたり、ほかにも症状が出ていたりすれば病気の可能性はあります。
例えば手の震えに加えて頭痛がする、歩けない、言葉がうまく出ないという場合には脳神経系の病気の可能性は十分にあります。
当てはまる場合には、医療機関を受診して検査を受けましょう。
一時的な手の震えの原因は何ですか?
一時的に手が震えるという場合には生理的振戦の可能性があります。
寒さや緊張、ストレスや重い荷物を持った後などで手が震えている可能性があるでしょう。
一時的な手の震えは原因としている事象が終われば、震えも治まります。
手の震えを止めるツボはありますか?
手の震えがもしもストレスや緊張が原因であれば、ツボ押しで手の震えが止められるかもしれません。
手のひらの中央にある労宮(ろうきゅう)というツボは緊張による手の震えへの効果が期待できます。
ほかにも、手の甲側、親指と人さし指の骨の分かれ目にある合谷(ごうこく)というツボはリラックス効果が期待できます。
しかし、ストレスや緊張が原因でなければこのツボを刺激しても手の震えは止まりません。
手の震えの原因 まとめ
手の震えには、病気が原因でない場合もあれば、病気が原因の場合もあります。
加齢に伴い手が震える方が増えてきますが、20代の若い方でも手が震える可能性は十分にあることが特徴です。
また、手が震える原因となる病気の中には遺伝が原因のケースもあり、この場合には若い方でも十分に症状が出る可能性があります。
手が震えて日常生活に支障が出ている場合や、手が震える以外にも症状がある場合には医療機関を受診しましょう。
脳神経内科や神経内科では手の震えに対する診療ができるので、活用してみてはいかがでしょうか。