【インタビュー】医師(大学病院から在宅医療へ転身)

今回は、あいクリニックの栗林泰子医師のインタビューをお届けします。大学病院から、未経験の在宅医療の世界へ飛び込んだ想いを語ります。動画では実際の現場の様子などを詳しくご覧いただけます。(動画:5分30秒)

Q.これまでの経歴について教えてください。

大学を卒業後、大学病院の医局で約15年程働いていました。専門は血液内科です。

Q.なぜ大学病院から、在宅医療のクリニックに転職?

きっかけとしては、コロナ禍になってから病院は完全に面会が禁止されてしまい、患者さんは家族と離れ離れになって治療をしています。それはもちろん、患者さんや家族にとってつらいことですが、医師の私にとっても苦しい思いでした。

Q.医師として、在宅医療の魅力は何ですか

やはり、患者さんやそのご家族との関係が、より近く、深く関われることだと思います。私自身、神経難病を患っていた母を在宅で看取った経験がありまして、その経験も在宅医療に進みたいと思ったきっかけのひとつです。

Q.在宅での看取りの良さは

在宅医療では、お看取りの場合、おうちで家族に手を握ってもらいながら、さよならやありがとうを伝えることができることが魅力だと思っています。私の母もそうでした。

また、在宅医療に関わるすべての人が患者さんの願いを叶えてあげたいと一緒になって協力している、そこも素晴らしいなと感じています。

Q.あいクリニックを選んだ理由は?

約4年前から多摩市内の病院で勤務をしていました。その病院の連携先のひとつがあいクリニックでして、血液難病の難しい病状の患者さんを在宅に帰したいと思った時に、あいクリニックの先生が「任せてください。うちなら大丈夫ですよ」と言ってくださった経験があって、それが印象に残っています。

また、退院カンファレンスの時に病院に実際に看護師さんやドクターが来てくださって、その時に女性の先生だったのですが、女性が活躍されているというのもあいクリニックを選んだひとつのきっかけです。面接に来た時にも、子育て中でも大丈夫ですよと声をかけていただいたり、ホームページや動画も拝見して、印象が良かったので、ぜひここで働きたいと思いました。

Q.初めての在宅医療の現場で苦労したことは?

そうですね、やはり慣れるまでは大変でした。特に入院している間は、患者さんのことを看護師さんが24時間見ていてくださって、その情報がまとまった状態で私たち医師は知ることができます。

また患者さんののもとに一日何回でも足を運ぶことができるのに対して、在宅医療ではやはり月に2回くらいしか患者さんのもとに行けなくて、また患者さんの家族や訪問看護師さんからの断片的な情報をかき集めて、その場で判断しなければいけないというのが難しく感じました。

Q.まわりのサポート体制は?

患者さんのご自宅からクリニックに戻れば、ベテランの先生方がいつでも相談にのってくださって、困ったことない?と相談にのってくださったり、時には外科処置ができないと院長先生や看護師さんが一緒に来てくれたり、本当に心強いサポート体制がありました。

普段の訪問診療については、医師と一緒に訪問同行員と二人体制で行くんですけれど、患者さんの生活の面を、私が気付かないようなところまでよく見てくださったり、ご家族とも丁寧にコミュニケーションをとってくださって診療をサポートしてくれます。

Q.あいクリニックの強みは

本当にあいクリニックのスタッフ一人ひとりが患者さんのために、という想いも持っていて、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)にも取り組む姿に本当に驚いて、関心しています。

またあいクリニックのよいところは、クリニックの中のすぐ隣に訪問看護ステーションがありますので、訪問看護師さんともコミュニケーションを密にとることができます。看護師さんたちも経験が豊富でいつも助けられています。さらに言うとケアマネジャーさんたちも同じ建物内にいますので、本当に多職種連携の言葉どおり自然に連携やチームプレイができているのが、あいクリニックの強みだと思います。

Q 1年経ち、在宅医として今後の目標は?

本当にこの1年で在宅医療の魅力をとてもよく分かったので、すべての患者さんが、おうちで過ごしたいと思っている方がみんなご自宅で、それこそ最期まで過ごせるようにそのお手伝いをしていきたいと思っています。個人的には緩和医療の知見もさらに深めていきたいと思っていますし、そのことで患者さんが苦しまず、辛い思いをせずに最期まで自分らしく過ごせる、そのお手伝いをしたいと思っています。


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(2023年2月取材)