【介護職ブログ】利用者さんを看取るということ

2021年2月15日

 

こんにちは。あい介護老人保健施設のハラです。

今ではご利用者の人生の最期をお見送りすることは珍しいことではありませんが
ほんの十数年前までは、年に1回あるかないかだったと思います。

開設してまだ数年の頃のこと。
そのご利用者はお一人住まい。最近ADLは低下している。
医師からは老衰によるものだろうと診断されていました。ご家族は遠方、徐々にできていた会話も減っていきました。
当時の介護主任は「俺は絶対に独りで逝かせたくないんだ。だから職員と一緒に頑張る」と言っていた。
ですが、気づいた時には静かに息を引き取られ、初めての職員が多い中どうにかお見送りをしました。

「その人らしい最期ってどうしたら良いんですか?結果一人で逝っちゃったじゃないですか?
 もうこんな思いをするのは嫌だ。だから俺はもう引き受けたくない。」
気持ちをぶつける先のない主任の表情と、それに対してうまい言葉が見つけ出せなかった当時の私の気持ちに振り返る。

今だから言えるのは
「それは経験のしたことのない不安にしっかり向き合ったという事じゃないかな。
 だから悔しいし、その方の気持ちになって考えたからまだやれることがあったかもしれないって思ったんだよ。
 そう思えるってことは、良い経験をしたし次に活かせるねきっと」って話してあげられたかも。

私の介護人生の中にはこうして「印象に残る職員」と共に当時の風景がある。
今では年間50名近い人生の最期に向き合わせていただける環境がある。
当時の主任は今ならどんな風に私に話したんだろう?と思うことがある。