【医療コラム】一次救命処置について

【医療コラム】
一次救命処置について

初めまして。

2025年4月よりあいクリニックの常勤医となりました髙妻(こうづま)と申します。

今回は一次救命処置について紹介します。

いきなり「一次救命処置」といっても、何のことかよくわからない方が多いと思いますので、まずはこの処置について簡単に説明します。

例えば、駅のホームで目の前の人が急に胸を押さえて倒れたとしましょう。患者さんは既に意識がなく、見たところ、息もしていないようです。こういった場合、どうしましょう?

また、レストランで食事をしていたところ、別のテーブルのお客さんが喉を詰まらせたようで両手で自分の首を押さえています。見るからに窒息しているようですが、どうすれば窒息を解除できるでしょうか?

一次救命処置とは、このように目の前で急変された方に遭遇した場合に救急隊が到着するまでの間に行う応急処置のことです。英語でBasic Life Support、略してBLSと呼びます。

今回は、目の前で意識を失った方を目撃した際に救急要請するまでの流れについて見ていきましょう。

①まずは周囲の安全確認です。

患者さんの周りは車の往来が激しい場所ではないでしょうか? これから様々な処置を行うにあたり、まずは自分自身の安全をしっかりと確保しましょう。

②次に、患者さんの反応の確認です。

倒れた際に首を痛めている可能性がありますので、患者さんの顔や頭ではなく肩を叩きながら「大丈夫ですか?」と大きな声で呼びかけましょう。

③それでも反応がない場合は迷わず、救急要請(119番通報)を行います。

近くの方にAED(自動体外式除細動器)を持ってくるよう指示してください。それから先は通信司令員の方の指示に従っていけばOKです。おそらく呼吸の確認や胸骨圧迫の指示などが来ると思いますが、落ち着いて通信司令員の方が言われるとおりに動けば問題ありません。

 

先日、職員向けにこういった処置を学ぶBLS講習会を行いました。

将来的には患者さんやそのご家族、市民の方々にも広く学んでいただけるよう定期的に開催していきたいと考えていますので、興味がある方はぜひお声がけください。

今回は目の前で人が倒れた場合の初期対応についてのお話でした。何かの参考になりましたら幸いです。

(7月にあいクリニックで開催された講習会の様子。 医師や看護師、ケアマネジャーなど50名近い職員が参加した)

 


筆者プロフィール

あいクリニック 地域連携科長
髙妻 岳広(こうづま・たけひろ)

【専門】内科

国内外の病院で救急から総合診療まで担当。

コーヒーソムリエ、愛犬家の顔を持つ。

広報誌『あっぱれ』2025年夏号掲載)

 


2025年8月14日 カテゴリー(あいクリニック): お知らせ, 医療コラム

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