
研究協力のお願い
日頃より当訪問看護ステーションをご利用いただき、ありがとうございます。
この度、当事業所では「訪問看護におけるACPと終末期ケア」の研究をオプトアウトにて実施いたします。
臨床研究のうち、観察研究(対象となる患者さんの診療データのみを匿名化して用いる研究)においては、患者さんに対して研究を目的とした積極的な侵襲や介入がないため、国が定めた倫理指針に基づき、「必ずしも対象となる患者さん一人ひとりから、臨床研究ごとに直接同意を得る必要はない」とされております。
しかし、「研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を通知または公開し、さらに可能な限り拒否の機会を保障する事が必要」とされており、このような手法を「オプトアウト」といいます。
つきましては以下の研究へのご理解・ご協力をお願いいたします。
研究課題名
訪問看護におけるACPと終末期ケア
研究機関
あい訪問看護ステーション
研究責任者
所長 岸野美由紀
背景
日本の高齢者人口は3625万人と過去最多で、総人口に占める割合(高齢化率)も29.3%で過去最高となりました。また、死亡数は161万人で過去最高となり、超高齢化多死社会となりました。近年「施設から在宅へ」の政策転換に伴い、 最期を迎えたい場所に自宅を希望している人は43.8%と増加しています。しかし、実際の在宅看取りは、約17%のみでニーズが満たされていないと言えます。
訪問看護は利用者様が人生の最終段階まで自分らしく生活することを支援します。超高齢化多死社会に向けて、訪問看護では看取り期における本人の意思を尊重したケアの充実が必要です。
目的及び意義
本研究は、ご逝去された訪問看護利用者様の看護記録のうちACP(アドバンス・ケア・プランニング)・終末期ケアに関する文脈より、必要な終末期ケアの技術・対応を抽出することを目的とします。本研究により、ACPのタイミング、記録や伝達方法、ご本人とご家族の意思に沿った有効な終末期ケアの技術が明確になることで、訪問看護利用者が人生の最終段階で自分らしく生活することを支援することができます。
方法
対象者のご逝去前1ヶ月の看護記録より、ACP・終末期ケアに関する最小単位の文脈で抽出して要約し、コード化します。その後、コードの類似性・相違性を比較検討しながら分類し、抽象度を上げてカテゴリーを作成します。データ分析は、質的研究の経験を持つ研究責任者と法人内ACP委員の共同研究者で行います。
対象者として選定された理由
本研究は2023年9月1日〜2024年8月31日の間に、ご逝去されたあい訪問看護ステーション利用者様を対象として選定しています。
研究期間
河北医療財団倫理審査委員会承認後、研究機関の長の実施許可を得てから2025年12月31日まで。
利用者様への不利益
看護記録上の調査のため、利用者様が不利益になることはありません。
研究協力の任意性と撤回
本研究の協力に同意するか否かは自由です。同意されない場合は、下記の問い合わせ先にご連絡下さい。同意されなくても、不利益が生じることはありません。
ご連絡がない場合は、ご了承いただいたものとさせていただきます。同意された後も、2025年1月31日までは撤回することができます。
本研究の情報公開について
研究の成果は、学会等に発表を予定しています。 ご希望があれば、研究データを開示します。下記の問い合わせ先にご連絡下さい。
個人情報等の取り扱い
看護記録から収集したデータは、特定の個人を判別できる情報を含む可能性があるため、研究用ID番号で管理することで個人を特定できないように処理を行います。データは研究責任者が自身の鍵付き机に保管し、責任をもって管理します。自施設外にデータや個人を直ちに判別できる情報は持ち出しません。収集したデータをもとに本研究の結果がまとめられ、学会に発表する場合、研究対象者の個人を直ちに判別できる情報は含みません。看護記録は5年間保管します。それ以降は破棄します。
利益相反
開示すべき利益相反はありません。
問い合わせ
本研究に関する情報公開をお求めになる場合、その他ご相談はご連絡下さい。
あい訪問看護ステーション 所長 岸野 美由紀
電話 042-374-6888
2024年12月25日 カテゴリー(あい訪問看護ステーション): お知らせ。