【医療コラム】夏本番!熱中症と脱水症

【医療コラム】夏本番!熱中症と脱水症

みなさん、こんにちは。院長の明石です。

いよいよ夏本番です。

「熱中症」とは高温の中にいると、体温が上がり大量の汗が出て「脱水症」になることで起こります。

高齢者が熱中症になりやすい理由

熱中症で緊急搬送された高齢者の割合は全体のおよそ60%で、高齢者は熱中症になりやすいと言われます。

その理由に、高齢者は暑さやのどの渇きを感じる機能が低下するため、暑さ調節への対応が後手になりやすいことにあります。

また、熱中症の60%は屋内で発生しており、室内にいるから安全という訳ではありません。

夜の室内に注意!夜間熱中症

さらに、夏場は特に寝ている間に発症する「夜間熱中症」にも注意が必要です。

高齢者は暑さに気づきにくく「エアコンをつけるほど暑くない」「電気代がもったいない」と暑くてもエアコンをつけるのを控える高齢者が多いようです。

マスクで気づきにくい?

また、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体に熱がこもりやすいので熱中症のリスクが高まります。マスク着用の方はマスク内の湿度が高いため、渇きに気づきにくいことがあります。

一般的に室温は夏場約25℃~28℃、湿度50%~60%が理想的と言われています。

室内の温度・湿度を確認して、通気性の良い素材の服装を選ぶなど、体温が上昇しないよう対策に心がけてください。

渇く前に飲む!

もう一つ、脱水症があると熱中症にかかりやすいので日頃から脱水症の予防にも心掛けましょう。

高齢者は身体の水分量が成人より10%少なく、この10%の差が問題となり、水分が少し失われただけで脱水症になりやすいのです。

水分補給を行うタイミングは「のどが渇く前」が理想的なので、常日ごろの意識的な水分補給が大切です。

毎食後のお茶のほか、10時と午後3時、起床時と睡眠時、そして入浴後の8回、コップ軽く1杯程度の水分摂取が良いでしょう。

ただし、心臓病や腎臓病などの方は主治医に相談してください。

執筆者プロフィール

河北医療財団 副理事長/多摩事業部 事業部長/あいクリニック中沢 院長
明石のぞみ(あかし・のぞみ)

【専門】内科

・日本内科学会 認定内科医

・日本老年医学会 認定老年病専門医

・日本リハビリテーション医学会 認定臨床医

(広報誌『あっぱれ』2023年夏号掲載)

 


2023年7月11日 カテゴリー(あいクリニック中沢): 医療コラム

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