ご自宅や施設での看取りにつきまして(あいクリニック平尾です)

ご自宅や施設での看取りにつきまして(あいクリニック平尾です)

主に稲城市と麻生区で訪問診療を行っている、あいクリニック平尾院長です。

7月28日金曜日、当院が訪問診療をおこなっている高齢者施設で、職員の方と入居者のご家族様を対象とした、「施設での看取り」に関する勉強会を開催しました。

有料老人ホームなどの高齢者施設に入所される方は年々増加しており、住み慣れた施設で最期を迎えることを希望される方も増えていますが、実際に施設で亡くなられる方はまだ少数で、多くの方は病院で最期を迎えられています。

その原因としては、「終末期医療」「延命医療」の希望など、「人生の最期の過ごし方」について、ある程度元気なうちに意思表示をされている方が少ないことや、自宅・施設での看取りについて誤解がある(「看取り=何もしない」「病院より苦しむのでは?」「怖くて見てられない」「世間体が悪い」「警察に届け出ないといけない」など)ことなどが考えられます。

そういった誤解を一つ一つ解いていけるよう、自宅や施設で看取る場合の具体的な流れ、病院で亡くなられる場合と比較しての長所、ご家族や施設職員の介護の考え方や気をつける点、そして我々訪問診療の役割(高齢者医療の考え方や緩和ケア全般、経口摂取困難時の対処法、特に点滴を実施すべきか、続けるべきかの判断、など)につきまして、じっくりとお話しさせていただきました。

おそらく、まだあまり経験のない介護職員の方にとっては、「看取り」というのは特別なものであり、「怖い」ものでもあると思います。そういった方の、看取りに対する抵抗感を少しでも和らげるよう、以下のようなお話もさせていただきました。

「看取り予定の方を介護するにあたっては、何か特別な技術や経験が必要ということはありません。他の方と同様、入居者様やご家族に寄り添い、よく話を聞き、丁寧に話しかけながら、最期まで心のこもったケアを実施するよう心掛ければ大丈夫です。」

「死が近くなると、介護する方は「いつ何が起こるかわからない」「怖い」と考えがちですが、実際には眠るように静かに最期を迎えることがほとんどです。気がつかないうちに呼吸が止まっていた、ということもありますが、慌てる必要は全くありませんので、落ち着いて主治医に御連絡ください。」

最後のまとめとして、患者様、ご家族をはじめ、全ての関係者が「良かった!」と思える「施設での看取り」を目指すため、一番重要なことについて考えてみましたが、「施設職員の皆様と、訪問診療を行う私たち、そして患者様・ご家族様が、十分なコミュニケーション(よく話を聞き、丁寧に説明する)を基に連携していくこと」が全てだと、あらためて実感しました。

あいクリニック平尾は、ご自宅、施設を問わず、住み慣れた場所で安心して最期を迎えることができるよう、患者様やご家族、介護者等に寄り添いながら、よりよい看取りを目指していきます。

 


2017年7月30日 カテゴリー(あいクリニック平尾): ご来院の方へ

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