セラピー部のご紹介
回復期リハビリテーション病院の役割
これから私は生活していけるのだろうか-脳卒中や事故などで手足に障害が残ってしまった患者さんやご家族は、そんな不安を抱えて当院に入院されます。
私たちは、リハビリで機能回復を図るのはもちろん、患者さんやご家族のさまざまな不安を取り除いて、住み慣れた街、家で“その人らしい生活”を再び築いていくことをめざしています。
そのために、医師をはじめとしたさまざまな職種がチームを組み、それぞれの専門知識を持ち寄って検討します。画一的なプログラムではなく、患者さんひとりひとりの障害の程度や生活に合わせた、“オーダーメイドのプログラム”を立案し、社会復帰を支援しています。
当院の特色
365日リハビリ
当院では言語聴覚療法を除き365日体制でリハビリを提供しています。
訓練、指導は個別性で、時間は1回につき40~60分です。
余暇活動
季節の行事や歌会など、生活自体がリハビリとなるように、病院全体で様々な取り組みをおこなっています。
チーム連携
定期的に専門チームが患者さんの様子を確認し、日々のケアやリハビリをより効果的に行えるよう取り組んでいます。
専門スタッフによる回診
・NST(栄養サポートチーム)
・褥瘡回診
・認知症サポートリエゾン
・嚥下回診
病棟リハビリテーション
介護士・看護師もリハビリの視点で毎日のケアに関っており、生活全体がリハビリとなるよう取り組んでいます。
地域連携・地域活動
![地域活動の写真](https://kawakita.or.jp/suginami-area/wp-content/uploads/2019/02/2-2.jpg)
安心して退院後の生活が送れるように、入院中から地域の医療福祉サービスに関わる方との連携を図っています。
・リハビリテーション祭
・高次脳機能障害連絡協議会
・杉並区の地域リハビリを考える会
・介護予防ケアマネジメント支援会議
・介護予防教室(地域住民対象)
ご家族向けの勉強会
![ご家族向けの勉強会の写真](https://kawakita.or.jp/suginami-area/wp-content/uploads/2019/02/3-2.jpg)
多くの方は「これからの生活はどうなるのか?」「介護保険とはどういうものか?」など多くの疑問と不安を抱えていらっしゃいます。
当院では、「脳卒中回復過程における家族の関り方」をテーマに、医師・看護師・リハビリ・医療ソーシャルワーカーの各専門職の視点で月に一度、勉強会を開催しています。
リハビリテーションの特色
理学療法
![理学療法の写真](https://kawakita.or.jp/suginami-area/wp-content/uploads/2019/02/4-2.jpg)
歩く、立つ、起きる、座るといった基本的な動作能力を高めるための訓練、杖や車椅子での効率的な移動方法の指導、装具の検討や調整も行います。
・装具検討会
患者さんに最も適した装具を選定するために検討会を必ず実施しています。
・POPO(免荷式リフト)
最新のリハビリ機器を使用した訓練を取り入れています。
作業療法
食べる、入浴する、トイレに行く、着替えるなど日常生活に必要な動作を獲得するための訓練、高次脳機能障害に対しての訓練、仕事復帰のための評価や訓練を行います。
作業療法では、元気や健康な状態を身体も心も、その人にとって満足のいく状態であると捉えています。病気やけががあったとしても、病気やけがと付き合いつつ、毎日を楽しく充実して過ごすことを目標としています。
・自動車運転支援
ドライビングシミュレーターを使用し、運転復帰の支援を行っています。
・IVES(随意運動介助型電気刺激装置)
電気刺激を用いたリハビリテーションを実施しています。
・グループ訓練
園芸・体操・高次脳機能・認知症などグループでのプログラムも豊富です。
言語聴覚療法
聴く、話す、読む、書くなどの障害に対し、コミュニケーション能力を高める訓練を行います。また、高次脳機能障害や嚥下障害の訓練も行います。
・高次脳機能障害評価・訓練
多様な検査を実施できる環境です。検査結果をもとに効果的な介入を実施しています。
・嚥下内視鏡検査 (VE) と嚥下造影検査 (VF)
リハビリ科専門医による嚥下検査を実施し、食事形態を工夫しながら患者さんに合った適切な食事環境を見つけていきます。
入院から退院までの流れ(例)
入院
入院当日に医師、看護師、リハビリスタッフが参加し、身体機能と日常生活能力の評価を行います。同時に自室内の環境設定・車椅子選定も実施し、入院当日から安心して生活できるよう取り組んでいます。
カンファレンス
・病棟カンファレンス
・チームカンファレンス
・主治医面談
リハビリテーション
・日常動作・家事動作訓練
ご自宅環境を想定しながら、調理や入浴動作等のリハビリを行っていきます。
・屋外・公共交通機関練習
バスや電車の利用練習を行います。
・復職支援
仕事再開に向けて必要な検査・訓練や他の施設との連携を行っています。
退院準備
・家屋調査
・家族指導/外泊訓練
ご家族も交えて、実践的なリハビリを行い、 在宅復帰への準備を行っていきます。
退院
退院後家庭訪問について
当院では2003年9月より患者さんの退院後、リハビリのスタッフがご自宅へうかがいご自宅での生活を見せていただくサービスを実施しています。ご自宅での生活を拝見することにより、入院中に実施した指導や家屋の改修案がどのように生かされているかを勉強させていただくと共に、不備や問題がある場合ケアマネージャーへ連絡し、解決のお手伝いができればと思っております。スタッフも患者さんのお元気なお姿を拝見することにより、ますます頑張ることができます。
![カンファレンスの様子](https://kawakita.or.jp/suginami-area/wp-content/uploads/2019/02/8-1.jpg)
カンファレンスの様子
勉強会/研究・学会発表
●合同症例検討会
●KRA(Kawakita Rehabilitation Academy)
年に一度、院内での研究発表大会を開催しています。
外部学会発表一覧 <2015年度>
<第34回東京都理学療法学術大会>
・前頭葉症状を呈し、脳画像から歩行自立の可能性を見出した症例
横島 勇人
<第34回関東甲信越ブロック理学療法学術大会>
・右被殻出血により、片足麻痺を呈した症例に対する免荷式リフトを使用した運動療法について
櫻井 亮太
・練習実施前・後に与えるフィードバックの内容が練習効果に与える影響について
立花 貴弘
<リハビリテーション・ケア合同研究大会 神戸2015>
・回復期リハビリテーション病院リハビリ部門における残業内容と残業に関する認識、個々の働く姿勢・意識の調査
篠澤 毅泰
<第12回東京都作業療法学会>
・Shared decision makingに関する経年的な研究動向について
今 法子
・脳血管障害後に復職した男性の就労継続プロセス
館岡 周平
・復職意欲の高い事例を通して~意欲の維持と障害認識に着目して~
山多 美緒
<第39回日本高次機能障害学会学術総会>
・交叉性失語一例における書字障害の特徴の検討
桒原 真希
<2014年度>
<第49回日本理学療法学術大会>
・健常成人における咳嗽誘発試験の試み 随意的最大咳嗽量とクエン酸濃度の違いによる反射的最大咳嗽量の関係
井上 拓保
・運動時間の違いによるストレスへの影響 運動習慣獲得のために、ストレスの少ない運動時間の検討
中野 洋平
<第16回世界作業療法士連盟大会>
・尚吉-東日本大震災後の新生活構築:12歳少年の視点から-
古賀美野里
・頭部外傷により意欲が低下した症例に対するOSA-Ⅱの活用とチームアプローチ
落合 克典
<第33回東京都理学療法士学術大会>
・転倒恐怖感の軽減から動作の獲得に至ったケース
稲葉 健太
・めまい・吐き気を主症状とした小脳出血に対する平衡訓練の効果
櫻井 亮太
<第33回関東甲信越ブロック 理学療法士学会>
・重度被殻出欠を呈し歩行自立に至った症例-画像所見に基づいた治療介入を通して
澤本 陽平
<第24回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会>
・健常成人における咳嗽誘発試験の試み
井上 拓保
<第11回東京都作業療法学会>
・脳梗塞後にうつ症状を呈した症例~夫婦の関係性に焦点を当てて~
鈴木 励
・認知症患者に対する音楽活動の導入
中野 真希
・症例報告にみる脳血管障害者の独居生活に向けた退院支援
館岡 周平
<リハビリテーションケア合同研究大会 長崎2014>
・回復期リハビリテーション病院作業療法部門の課題
館岡 周平
・慢性腰痛を有し、左大腿骨頸部骨折を受傷した症例に対して健康行動理論をもとに行動変容を促した介入について
立花 貴弘
<回復期リハビリテーション病棟協会 第25回研究大会>
・当院におけるICFを基に独自に作成した症例検討用のシートを使用した取り組み
大澤智恵子
・元の仕事への復帰が困難と考えられた症例の復職支援を経験して
石原 瞳
スタッフインタビュー
地域の方々に頼りにされる専門集団でありたいと思っています
セラピー部 部長 森山 広樹
Q. セラピー部のアピールを一言お願いします
A. スタッフが皆、まじめです。若いスタッフが多いですが、日々研鑽に努めています。
Q. セラピー部には理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)という3つの職種があると聞きましたが、それぞれの仕事内容を教えてください。
A. 理学療法士は歩く、立つ、起きる、座るといった基本的な運動能力を高めるための訓練や指導、また、杖、車椅子での効率的な移動の仕方、装具の検討や調整も行います。作業療法士は上肢の訓練を通じて、食べる、入浴する、トイレに行く、着替えるなど日常生活に必要な動作の回復を図り、高次脳機能障害改善のための訓練、仕事復帰のための評価や入院生活による不安や葛藤などに対する心理的ケアも行います。言語聴覚士は聴く、話す、読む、書くなどの障害を取り除き、患者さんのコミュニケーション能力を高めることが中心になります。また、高次脳機能障害や嚥下障害の訓練も行います。
Q. 2016年度セラピー部の課題は何ですか?
A. リハビリテーションの考え方を、杉並区を中心に現実社会に実現するために、スタッフ個々の成長を組織の成長へつなげることです。
Q. 患者さん・ご家族に向けてメッセージをお願いします。
A. 障害を様々な角度から考え、家族や友人と共に地域での新たな生活を再スタートできるようチーム一丸となって取り組みます。
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