小児救急外来
小児救急外来とは
夜間・休日において、緊急性の高い症状のお子さまを診察する外来です。もし翌日まで待てるようであれば、普段の症状や薬を把握しているかかりつけ医に診てもらうのがベストです。また紹介状をお持ちの場合を除き、医療証の有無にかかわらず時間外選定療養費が発生いたします。
救急受診判断までのチェックポイント
まずは全身の状態を見てください
・泣かない、動かない、視線が合わない
・水分がとれない
・おしっこが出ない
上記項目について、下記のチェックポイントを進んでください

症状ごとの”受診ポイント”と”お家で出来る処置”
発熱 | けいれん | 呼吸がぜいぜい | 嘔吐 |
腹痛 | 発疹 | 頭を打った | 異物を飲んだ |
受診しようか迷ったら
24時間の相談窓口があります
厚生労働省や市区町村が24時間の相談窓口を設置しています。下記の24時間コールセンターへお問い合わせください。
・小児救急でんわ相談/厚生労働省
#8000
・杉並区急病医療情報センター/杉並区
03-5347-2252
・大阪中毒110番(誤飲の相談)/公益財団法人日本中毒情報センター
072-727-2499
河北総合病院 小児救急外来を受診する場合
受診する前には、必ずお電話をください
直接ご来院されると長時間お待ちいただいたり、あるいは症状の専門医がおらず後日の検査となる場合がございます。
時間外選定療養費(8,800円)がかかります
小児救急外来を受診する場合、医療証の有無にかかわらず時間外選定療養費(8,800円)が発生いたします。
※紹介状をお持ちの方はかかりません。
来院される場合、下記のものをご持参ください
・健康保険証
<お持ちの方>
・医療証
・紹介状、検査データ
<診療をスムーズに進めるために>
・母子手帳
・おくすり手帳
・症状についてのメモや写真、動画、誤飲物など
・病歴についてのメモ
受診ポイントとお家で出来る処置
発熱
受診ポイント
・生後3ヶ月未満で38度以上ある
・発熱に加え、ひどい嘔吐(おうと)や頭痛もある
お家で出来る処置
・肌着や室温を調整する
・わきの下、足のつけねを冷やす
・寒がるときは温める
・水分をこまめに与える
よくあるQ&A
Q.解熱剤を使うと治りが遅くなりますか?
A.No!病気の治りには影響しません。水分がとれない、活気がない場合には積極的に使いましょう。
Q.解熱剤でも熱がさがらないのは悪い病気ですか?
A.No!解熱剤への反応は、病気の重症度とは関係ありません。
Q.熱があってもお風呂に入れていいですか?
A.熱でだるそうな場合は、体をふく程度にしましょう。
けいれん
受診ポイント
けいれんを起こした場合は、速やかに受診してください。
※特に以下の場合は、救急車を呼びましょう。
・5分以上続いている
・1回あたり5分以内でもくりかえしている
・ふるえが止まった後も様子がおかしい
お家で出来る処置
・平らな低い場所に寝かせる
・嘔吐物(おうとぶつ)を飲み込まないよう顔を横にむける
・口の中にある嘔吐物(おうとぶつ)は取り除く
・動きや時間を観察する(例:動画で撮影する)
よくあるQ&A
Q.舌をかまないよう口に物を入れた方がよいのですか?
A.No!誤って飲み込む危険性があります。口の中には物を入れないでください。
Q.けいれんすると脳に影響があるのですか?
A.よくみられる典型的な熱性けいれんは、通常は発達に影響はおよぼさないと言われています。
呼吸がぜいぜい
受診ポイント
・ろっこつの間がへこむような息をする
・食事がとれない
・横になって寝られない
・犬が吠えるような咳(せき)をする
お家で出来る処置
・部屋を加湿する(例:濡れタオル、加湿器)
・水分をこまめに与える
・鼻がかめない場合は鼻水を口で吸う
・体を少し起こして寝かせる(半坐位)
よくあるQ&A
Q.咳(せき)で普段のように食事がとれないのですが…
A.のどごしの良い食事(ゼリー、スープ、アイス、プリンなど)がとおりやすいです。それでもダメな場合は、水分の摂取を心がけましょう。
Q.「ぜいぜい=喘息」なのでしょうか?
A.「ぜいぜい」は喘息だけではなく、異物の誤飲やアレルギー、クループ(ウィルス感染によるのどの炎症)など色々な原因がありえます。
嘔吐
受診ポイント
・泣いているのに涙が出ない
・嘔吐(おうと)に加え、血便や頭痛、発熱がある
・水分を与えてもすぐ吐いてしまう
※水分の与え方
嘔吐した直後は吐きやすいので、無理に水分をとらせることは控えましょう。1~3時間くらいあけて、少しずつ与えてください。
お家で出来る処置
・嘔吐物(おうとぶつ)を飲み込まないよう顔を横にむける
・口の中にある嘔吐物(おうとぶつ)は取り除く
・水分をこまめに与える
よくあるQ&A
Q.イオン水をいやがって飲んでくれないのですが…
A.普段飲みなれない飲み物は嫌がる場合も多いです。りんごジュースを2倍に薄めたものも効果的と言われています。まずは飲めるもので試してみましょう。
腹痛
受診ポイント
・機嫌が悪い、激しく泣く
・痛みがひどくて歩けない
・腹痛に加え、ひどい嘔吐(おうと)、血便、発熱もある
お家で出来る処置
・水分を少しずつ与えて、便を出す
・便が1日出ていなければ浣腸(かんちょう)をしてみる
・便をよく観察する(例:便の写真を撮っておく)
よくあるQ&A
Q.毎日便は出ているのに「便秘による腹痛」と言われました…
A.小児の腹痛で最も多いのは便秘によるものです。毎日便が出ているようで、実は腸内にたまっている便が腹痛を起こすことはよくあります。
Q.食事で気をつけることはありますか?
A.無理に普段と違う形態の食事にする必要はありません。ただし下痢(げり)がひどいときは、やわらかい消化の良い食べ物(おかゆ、うどんなど)が良いでしょう。
発疹
受診ポイント
・食後すぐなど、急に生じた発疹
・発疹に加え、下痢(げり)、腹痛、嘔吐(おうと)、息の苦しさもある
・眼や口の中の粘膜がただれている
お家で出来る処置
・かきむしらせないようにする
・かゆみが強い場合は軽く冷やす
・よく観察する(例:発疹の写真を撮っておく)
よくあるQ&A
Q.発疹の原因は何が多いのですか?
A.発疹と言っても、じんましん、しっしん、感染症など様々なものがあります。中でもじんましんはよく見られますが、原因は不明なことが多いです。
頭を打った
受診ポイント
・泣かずにぼーっとしている
・嘔吐(おうと)や痙攣(けいれん)がある
・出血が止まらない
※頭を打った直後に、しっかり泣くなど、普段どおりの活気がある場合は、受診を急ぐ必要はありません。しかし時間が経過した後に上記のような症状が出た場合には、必ず受診してください。
お家で出来る処置
・打ったところを冷やす
・出血したところを清潔な布などで押さえ止血する
よくあるQ&A
Q.頭を打ったら、必ず画像検査をしないといけませんか?
A.症状により判断しますが、CTを撮影するケースは限られます。意識や手足の動きがおかしい、診察上明らかな骨折がある、交通事故で車外に投げ出されるような激しい打ち方をしているなどが、検査を実施する主な基準です。
異物を飲んだ
受診ポイント
・咳(せき)が激しい、呼吸が苦しい
・ぐったりしている
・たばこ、電池、薬のいずれかを飲み込んだ
※受診の際は飲んだかもしれない異物、もしくは吐き出した異物があれば持参してください。
お家で出来る処置
・苦しそうなら、異物を吐かせてみる
背部叩打法
片手で体を支え、頭を低い位置にして手の平の付け根で背中をしっかり叩く。
ハイムリック法
背後から両腕をお子さんのみぞおちの下に回し、片方の手を握りこぶしにしてそのまま腹部を突き上げ圧迫する。
※ハイムリック法は乳児には使用しないでください。
よくあるQ&A
Q.異物は吐かせてから受診した方が良いですか?
A.明らかに固形物がつかえて苦しそうな場合には、上記の方法で吐かせてください。そうでなければ、無理に吐かせる必要はありません。特に灯油、ガソリン、花火、ライター、ボタン電池、洗剤、漂白剤などは、無理に吐かせないでください。