心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーションとは

心臓リハビリテーションとは、心臓の病気や手術をした患者さんのためのリハビリテーションです。病気発症後の再発予防やQOLの改善を目的に、運動や栄養指導などを実施します。
 

心不全と心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーションによる再発率の変化

心不全を発症した患者さんは、心臓リハビリテーションをおこなうことで再発を39%減少させると海外で報告されています。
※グラフ(Sagar VA, et al: Open Heart 2:e000163,2015より作図)

心不全の再発は心機能の低下や入院を要することが多いため、下肢筋力の低下や死亡につながるケースもあります。よって、心不全をいかに「再発させないか」が重要になります。
 
しかしこの心臓リハビリテーションは、入院を必要とするような症状の重い患者さんや、手術をした後の患者さんだけを対象としたものではありません。

 

心不全のステージと早期リハビリの重要性


日本循環器学会急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)に加筆

 
心不全は、ステージがA→B→C→Dと進行する病態です。一般的には呼吸困難や胸痛などが出現するステージCの時点で心臓リハビリテーションを開始することが多いのですが、早期に心不全を発見できれば、AやBの段階でリハビリを開始することができ、Cへの進行を抑制することが期待されます。
 

日本では高齢化にともない、心不全患者数が激増しています。これを”心不全パンデミック”と言い、社会的問題となっています。つまり心不全は、誰でも発症しうる病気なのです。心不全を発症させないためにも早期に発見し、早い段階からリハビリテーションを開始することが重要なのです。
※グラフは日本心臓財団WEBサイト「超高齢社会で急増する心不全」より

 

対象

急性心筋梗塞、狭心症、慢性心不全、動脈硬化症と診断された患者さん、あるいは冠動脈バイパス術や心臓弁膜手術、大動脈解離や解離性大動脈瘤などの心臓手術後の患者さんを対象としています。また、心臓疾患以外に高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの患者さんも対象としています。
 

心臓リハビリテーションの内容

 
まずは、外来リハビリテーション室で、医師による診察および全身状態の評価を実施します。そこで問題がなければ理学療法士によるリハビリに入ります。内容としては、その方の状態に合わせたレジスタンストレーニング(筋力訓練)やエルゴメーター(自転車)、トレッドミル(ウォーキング)を使用した運動療法や生活指導をおこなっていきます。理学療法士が付き添い、心電図のモニタリングや血圧管理等のリスク管理をおこないながら実施しますので、安心してリハビリテーションを受けていただけます。
当院では心肺運動負荷試験(CPX)の実施が可能であり、的確な運動処方を用いておこなうことができます。

心臓リハビリテーション指導士:3名
機材:エルゴメーター2台、トレッドミル1台
 

オンライン型心臓リハビリテーションについて

当院では、日本遠隔運動療法協会が提供するオンライン型心臓リハビリテーションについて、処方をおこなっております。日本遠隔運動療法協会に申請がお済みで、リハビリテーションの処方を希望される方は、河北総合病院までご連絡ください。
オンライン型心臓リハビリテーションの詳細は、日本遠隔運動療法協会にお問い合わせください。
日本遠隔運動療法協会ホームページはこちら