【職員インタビュー】作業療法士@あい訪問看護ステーション

2021年6月9日

自宅という生活の場だからこそ、できることがある

今回は、あい訪問看護ステーションで訪問リハビリテーションを提供する作業療法士の松田さんのインタビューをお届けします。

利用者さんと一対一で向き合えるリハビリを求めて

―作業療法士として訪問リハビリに従事し10年目を迎える松田さん。もともとは会社員として働いていましたが、両親が病気がちで入退院を繰り返していたため、病院は身近な存在だったといいます。ある日、面会に通う中で目にした母親のリハビリの様子に衝撃を受け、専門職の素晴らしさを知ります。

「それまで車椅子に乗っていた母親が歩けるようになったのを見て驚いたんです。こういう仕事もあるのか、って。自分もそういう人の役に立つ仕事に就きたいと思い、それまで勤めていた仕事をやめて、専門学校へ進むことを決意しました。卒業後は急性期病院に3年間勤務し、小児科をはじめさまざまな患者さんの経験を積ませてもらいました。ちょうどその頃急性期病院では入院期間の短縮が始まり、早ければ1~2週間で患者さんを退院・転院させる流れになっていたんです。自分が関わった患者さんがその後どのような経過を辿っているのか、生活がまったくイメージできない。そんな自分に気づいてその先を学ぶために、回復期から生活期のリハビリまで展開しているあいセーフティネットに転職しました」

「入職後は天本病院の回復期リハビリテーション病棟を1年経験してから、希望した訪問看護ステーションへ配属されました。あいセーフティネットでは入職後の新人向けの研修で、配属先以外の事業所を一日体験できるんです。その時に初めて訪問リハビリを見て、先輩がすごく楽しそうに働いていて。利用者さんは団地の押し入れをベッド代わりにして寝ていたり、在宅ならこんなこともありなんだ!ってびっくりしましたね。利用者さんも家族も様々なんだということを実感しました。

それ以来、僕の中ではそれぞれの生活の場に即した一対一のリハビリがやりたいという気持ちが強いんです。やっぱり病院の中では利用者さんについて得られる情報にも限界がある。どんな環境で過ごすのか生活が見えない中で、病棟とリハビリ室の中での機能回復訓練がメインになってしまいます。それは病院の機能でもあるのですが、僕は作業療法士なので、例え機能が回復しなくても、今ある能力で生活がうまく成り立つように考えるのが仕事。そのための訓練や環境整備を考えると、自宅という場所でできる訪問リハビリに一番やりがいを見出せるんです」

ーたったひとりで利用者さんの自宅を訪問し、ご本人や家族まで含めて対応するのは、技術面やコミュニケーション面でもハードルが高そうです。やはり病院で経験を積んだ後のキャリアとして考えた方がよいのでしょうか?

「そんなことはありませんよ。最初は不安に感じるかもしれませんが、僕はむしろ病院にいた時以上の連携を感じています。訪問時は基本ひとりですが、ステーションに戻れば相談にのってくれるリハビリ専門職や看護師の仲間がいるし、すぐ隣には訪問診療科もあるので医師もいます。その他にもヘルパーさんや福祉用具の業者さんなど、外部の事業所とも密に情報共有して動いてます。悩んだ時はみんなに声をかけて相談すればいいんです。在宅の方が、むしろみんなで手厚く対応できている感じがしますね。コミュニケーションが苦手といって入ってきた若手もどんどん変わっていき、自分からケアマネさんに電話をかけてますよ。そういう僕も、実はもともとそんなに得意な方じゃなくて。でも仕事中はすっかりON状態です(笑)」

感謝がダイレクトに伝わってくる仕事

「訪問リハビリを担当するようになって、こんなに喜ばれる仕事ってないんじゃないかな、って感じています。ご本人はもちろん、家族からも感謝される。リハビリの成果としては、立てるようになった、歩けるようになった、近所のスーパーまで行けるようになった、という本人のQOL向上が実感できた時が一番ですが、ご高齢の患者さんの場合はなかなかそうもいきません。寝たきりだったり、認知症をお持ちだったり、現状維持が目標のことも多い。そんな時は、家族が介護で負担に感じていることをサポートするのも重要な仕事です。腰を痛めないように介助する方法だったり、便利な福祉用具をご紹介したり、潜在的に求められていることを察してお伝えする。あんまり伝えすぎても逆に負担をかけてしまうことがあるので加減は難しいのですが、うまくいった時は本当に喜ばれて感謝される。ちょっと大げさかもしれませんが、これは幸せを提供する仕事なんだ、と思っていて。家族まで含めて支援できるのが訪問ならではの魅力。それが自分の喜びでもあり、やりがいにつながっています。僕はこれからも訪問リハビリをやっていきたいと思っています。興味のある人はぜひ飛び込んでみてほしいですね。面白いのは間違いないですよ」

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(2021年6月取材)