今回は、あい小規模多機能施設かりんで初めての介護職に挑戦している山下さんのインタビューをお届けします。

今度は自分が支える側に

―全くの未経験から介護の仕事に飛び込みました。何かきっかけはあったのですか？

「以前は事務の仕事をしていたので、介護の仕事は見たこともありませんでした。しかし父を自宅で介護することになり、はじめて医療や介護職の方と接することになったんです。あい訪問看護ステーション平尾の看護師さんや、ヘルパー事業所の方に大変お世話になり、その仕事ぶりに感銘を受けました。私自身、介護はとても大変だったのですが、みなさんに励まされ寄り添っていただいたことで、とてもよい経験として自分の中に残りました。今度は私もそういう仕事で誰かを支えられたらいいなと考え、介護の仕事をしてみようと思いました」

―仕事はどのように覚えていきましたか？

「入職してもうすぐ半年ですが、新しいことを覚えるのに必死であっという間でした。まず最初は、技術的なことより、利用者さんとのコミュニケーションを大切にしましょうと先輩にアドバイスを受けて。小規模多機能施設では、通いも訪問も対応するため信頼関係が大切なんですね。まずは利用者さんのことを知り、自分のことを知っていただくための関係性づくりから始めました。日々の動きは、先輩のみなさんが丁寧に教えてくださるので、比較的すんなりと頭に入っていきましたね。プリセプター制度があるので担当の先輩がこまやかに見てくださり、1日の終わりに振り返りの時間があるんです。難しかった点や困ったことなどはその日のうちに相談し解決できたのがとても良かったです」

―どのような点が難しかったですか？

「お身体に触れる仕事なので、最初はどう触ったらよいのかわからず戸惑いました。歩行に手助けが必要な方はどう支えたら安定するのか、寝ている方を起こす時にこのやり方だと痛くないだろうか、などボディメカニクスを実践するのが難しいですね。先輩も指導してくださるのですが、自分やお相手の体の大きさなどによって変わる部分もあるので。介護する側もされる側も負担が少なく快適にできるようになるのが目標です。わからないことはいつでも何度でも聞いていいから、と職員のみなさんが言ってくださるので、無理して自己判断せず、何でも確認してから行うようにしています」

―嬉しかったことや、やりがいなどは？

「未経験から始めたので、日々仕事を覚え、できることが増えていくのが嬉しいですね。『がんばりましたね！』と職場のみなさんに褒められると、やっぱり嬉しくて。この歳でも成長できるんだ、と実感しています。指導係の伊藤さんは息子と同じ歳で親子のようですが（笑）、経験豊かで色々と教えていただきありがたいです」

（写真左：指導担当の伊藤さん・介護福祉士）

「後は、やはり利用者さんに喜ばれることが一番のやりがいです。お相手の望んでいることを察して動くと、『ちょうどお願いしたいと思っていたのよ！来てくれてありがとう」と感謝されたり。現場がバタバタしていると、遠慮して言い出せずに待っている方もいるので、そういうところに気を配れるようになりたいですね」

―今後の目標などはありますか？

「今月から実務者研修のテキストの勉強を始めました。ご高齢の方とお話したりするのは以前から好きで、この仕事は自分にあっていると感じています。現在はパートタイムで働いていますが、今後は経験を積んで介護福祉士の資格を取得し、ゆくゆくは正社員として働くことも視野に入れています。これからも様々なことを学び、一生の仕事として長く働いていけたらと考えています」

―ありがとうございました。これからも頑張ってください。応援しています。

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（2022年7月取材）