【職員インタビュー】理学療法士@天本病院

自分が本当にやりたい「仕事」って何だろう?

天本病院で理学療法士をしている百田です。

僕は最初から理学療法士を目指していたわけではありませんでした。大学は経済学部で、就職活動を始めた頃は、いわゆる「氷河期」。仕事に対して漠然としたまま面接を受け続け、ふと「そんなにやりたいことでもないのに、なんでこんなに頑張っているんだろう」って、立ち止まったんです。

どうせなら、本当に興味が持てることを仕事にしよう。あらためて振り返ってみると、自分はサッカーをしていたこともあり、けがが絶えず、よく病院に通っていたんです。だから今度は、「リハビリ」を受ける側から提供する側へと思い、就職活動はやめて、理学療法士の専門学校に進学することにしたんです。

天本病院のリハビリ室にひとめぼれ。「ここで働きたい」

あいセーフティネットで働こうと思った理由?

「法人の理念にひかれて」と言えればかっこいいのですが、最初はそうではありませんでした(笑)。

学校の関係で慣れ親しんだ多摩市で就職先を探していた時に、天本病院の存在を知りました。最初に見学に来た時に、天井が高くて開放的なリハビリ室を見て圧倒されたんです。「わあ、ここで働きたいな」って。待合室のイメージも明るくて、第一印象がとにかく良かった。話をきいてみると、開設者の天本先生の地域医療に対する考え方や、昔から高齢者のリハビリテーションに力を入れている先駆的な病院だということを知って、すぐに入職を決意しました。

13年続けてきて、見えてきたこと

「あいセーフティネット」には、みなさんがイメージする「病院でのリハビリ」の他にも、介護老人保健施設や、訪問リハビリ、デイケア・デイサービスなど、リハビリ専門職が活躍できる事業所がたくさんあるんです。

僕も最初の1年は、天本病院の回復期リハビリテーション病棟に配属になり、2年目からは、あい介護老人保健施設に異動しました。そこで8年間勤務し、また天本病院に戻ってきたんです。同じ法人内の違う事業所を経験することで、理学療法士として求められるスキルが幅広いことを学びました。病院は何よりも治療の場ですから、患者さんの機能をしっかり改善していくことが求められますし、老健は「生活の場」で活かせる能力をつけることがより重視されます。2つの視点を学べたことは、自分にとって、とてもプラスになっています。

また、違う場所を経験した分仲間も増えますから、情報交換も活発になるし、連携する時もやりやすくなります。専門職というと、自分のスキルを向上させることに目が行きがちですが、ひとりで完結できる仕事ってないんですよね。患者さんのことを本当に考えたら、いろんな職種でトータルにアプローチする「チームケア」が提供できなければ結果を出せません。そのためにはコミュニケーションが重要になってくる。職種を問わず顔の見える関係が築けていることが、自分の糧になっているのを実感しますね。

僕は今、係長として、チームの中でコミュニケーションを取り、意見を吸い上げて上長へ提案したり、上長からのメッセージをスタッフに浸透させる調整役を担っています。組織の中には、外にむかうベクトルでチームをぐんぐん引っ張っていくリーダータイプと、内に向かうベクトルでチームを見ながら一緒にやっていくタイプがあると思うのですが、僕は後者。自分のキャラクターを活かして、仲間と一緒に患者さんにとっての最善を追求していくことにやりがいを感じています。管理職になると事務作業や会議も増えますが、直接患者さんと接しなくても、良いサービスのために裏方で支える、という仕事の在り方も悪くないなと感じています。ポジションはどこでも、患者さんの笑顔のために、みんなでサービスというものをトータルにとらえていくことが大事なんだ、と思っています。

これからのリハビリテーションに求められること

入職して2年目の老健にいた頃。デイケアの平行棒で利用者さんにリハビリを提供していた時、上司に「生活の中に平行棒はないよ」と言われたんです。平行棒の中でいくら歩けるようになっても、利用者さんの暮らす場で活かされなければ、本当の意味でのリハビリテーションにはならない。その先の目的を見据えてやるように、という教えだったんだと思います。地域包括ケアの時代に、ますますその視点は重要になってきています。同じ専門職の中でも、やはり地域リハビリテーションをきちんと意識している人は視点がブレないし、アプローチの仕方にも違いが出ています。リハビリの技術は日々進歩するし、時代の要請に合わせて変わっていくので、昔覚えた教科書通りの知識というわけにはいきません。そういったことを意識して、学んでいける人がこれからは求められるのではないでしょうか。あいセーフティネットは高齢化が進む多摩ニュ―タウンを拠点とし、40年近く地域リハビリテーションに取り組んできた実績があります。時代が求める地域包括ケアや高齢者リハビリテーションを学びたい人には、いい環境だと思いますね。

(2019年3月更新)