【医療コラム】高血圧治療ガイドラインの改訂

【医療コラム】高血圧治療ガイドラインの改訂

あい介護老人保健施設 施設長の佐藤です。

2019年、5年ぶりに改訂された「高血圧治療ガイドライン2019」が発表されました。内容がより厳しくなりました。

高血圧は40代を境に増加します。40歳代以上の2人に1人が高血圧であるにもかかわらず、その中のほぼ半数が自分は高血圧ではないと考えているようです。40歳代の高血圧男性は、血圧が正常な人たちに比べ、死亡リスクが3.4倍高くなります。日本高血圧学会は、働き盛りのこの世代に「上が120、下が80mmHg未満」という血圧目標値を知ってもらい、その値を目指してチャレンジしてほしいというキャンペーンを展開しています。自分の現状と健康リスクをしっかり認識し、目標を定めて運動や食生活の改善、節酒や禁煙などに取り組むことを啓発しています。

ガイドラインが厳格になり、患者数や服薬者が増加したり、内服薬が増えるのではないかと心配されていますが決してそうではありません。より厳しい基準で、より早期から、食生活、生活習慣に注意して、未病のうちに高血圧症を発症させないことが目的です。血圧を測定し、正常血圧でなかったら、減塩、減酒、禁煙、早寝早起き、運動に努めようということです。

血圧、体重、食生活、生活習慣、そして何よりも充実した生活を心がけて、健康にお過ごしください。

特定非営利活動法人 日本高血圧学会「【高血圧治療ガイドライン2019公開記念】一般向け動画」

高血圧治療ガイドライン2019
・正常血圧:120/80mmHg未満
・正常高値血圧:120~129/80mmHg未満
・高値血圧:130~139/80~89mmHg

執筆者プロフィール

あい介護老人保健施設 施設長 佐藤 清貴(さとう・きよたか)

医学博士
・日本内科学会認定内科医
・日本循環器学会認定循環器専門医
・日本医師会認定産業医
・日本総合健診医学会 日本人間ドック学会認定 人間ドック専門医
・日本人間ドック学会認定 人間ドック健診情報管理指導士

あっぱれ 2019年秋号掲載

 


2019年11月7日 カテゴリー(あい介護老人保健施設): 医療コラム

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