【医療コラム】胃の不調

【医療コラム】胃の不調

ピロリ菌と胃がん

あいクリニック院長の濱谷です。
外来で消化器科を担当していますが、胃の不調で受診される方はとても多くいらっしゃいます。胃の痛み、胃もたれ、げっぷ、胃重感。加齢とともに胃酸の分泌は減少し、胃の動きも低下するため、ご高齢の方は特にお酒や食事の刺激物などの影響を受けやすくなります。一時的な症状の場合は、粘膜保護剤や消化管運動の機能改善薬などを処方し様子を見ますが、気をつけたいのは、薬を飲んでも症状が改善されず長引くとき。内視鏡検査(胃カメラ)で胃がんや、胃・十二指腸潰瘍などの可能性を探ります。胃の中にピロリ菌がすみ着いていると、胃炎になりやすかったり、潰瘍などが再発しやすいということが分かっています。ピロリ菌は強い酸性の胃の中にすみ着くことができる菌で、幼児期に感染するとそのままずっとすみ続けます。ピロリ菌がいると必ず病気になるわけでなるわけではありませんが、胃が弱った時などに萎縮性胃炎を起こしやすく、ガン発生のリスク要因となります。心配な方は簡単な検査で分かりますので、一度ご相談ください。

胃の検査いろいろ

エコー(超音波)
胃だけの検査には向いていませんが、胆のうや腎臓など他の臓器が原因のお腹の痛みを探ることができます。

CT
X線で臓器の輪切り画像を撮るため、詳細な情報が得られます。胃がんだけでなく、肝臓や膵臓の病変も分かります。

尿素呼気試験
診断薬を飲んで息を吐くだけでピロリ菌の有無が分かります。菌は抗生物質の服薬で除菌できます。

内視鏡(胃カメラ)
咽頭・胃・十二指腸の状態が見れます。ガンの他に潰瘍やポリープ、逆流性食道炎の診断に有効です。

受けられる検査 エコー(超音波) CT 尿素呼気試験 内視鏡(胃カメラ)
天本病院
あいクリニック
あいクリニック中沢

執筆者プロフィール

あいクリニック 院長 濱谷 弘康(はまや・ひろやす)
【専門】消化器外科
■認知症サポート医
■日本医師会 認定産業医
大学病院を経て2001年に入職。以来約20年間にわたり、外来診療から訪問診療まで多くの高齢者のケアに従事している。

あっぱれ 2017年夏号掲載

 


2017年7月14日 カテゴリー(あいクリニック): 医療コラム

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