【開催報告】知っているようで知らない身近な感染症

【開催報告】知っているようで知らない身近な感染症

2019年12月14日(土)※もっと元気が出る講座「知っているようで知らない身近な感染症」を開催し、あいクリニック平尾 院長 奥村 光絵(おくむら みつえ)と在宅訪問管理栄養士 山川 美雪(やまかわ みゆき)による講義を行いました。

第1部はあいクリニック平尾 院長 奥村より「身近な感染症」についてお話しました。

感染症とは、自然界や動物やヒトの体の表面に存在している微生物が、ヒトの体の中に入ってきて増殖し、さまざまな症状が現れた状態のことです。感染症は主に4つに分けられます。

1つめはインフルエンザ、感染性胃腸炎、帯状疱疹などのウイルス感染です。インフルエンザはくしゃみ・せきなどでウイルスが飛沫として放出され、それを口や鼻から吸い込む飛沫感染と手についたウイルスを無意識に口、鼻、目へもっていき粘膜から直接侵入する接触感染のどちらかで感染します。予防として、手洗い・うがい・マスクなどで感染経路をブロックすることや予防接種のほかに、手すりやドアノブなど手が触れる物品類は、消毒剤を使用してこまめにふく、室内の温度を約25度、湿度を50~60%に保つことが大切です。また、感染後の肺炎併発を防ぐために、口腔ケアや誤嚥防止ケアを日常的に行うことも重要です。感染性胃腸炎で1番患者数が多いのがノロウイルスです。感染力が強く、熱に強いのが特徴です。手指や食品から感染し、潜伏期間1~2日で発症します。予防として手洗い、塩素(漂白剤)での消毒、高温加熱が良いとされています。便や吐いたもので汚れた場所や衣類は塩素(漂白剤)での消毒が大切です。

2つめは結核、麦粒腫(ものもらい、めばちこ、めいぼ)などの細菌感染症です。結核は食器などの物を介してうつることは決してなく、痰の中に大量に菌がいる人が咳をしていると、そばにいる人が感染する場合が多いとされています。

3つめは皮膚糸状菌、爪白癬、カンジダ病、夏型過敏性肺臓炎などの真菌感染症です。真菌とは空気中にただようカビのことで、汗をかきやすい夏場の皮膚は高温多湿が好きなカビにとって増えやすくなります。

4つめはパスツレラ症、ノミ刺咬症、トキソプラズマ症、オウム病などのペットからの感染症です。感染症によっては呼吸困難など重症化するものもあり注意が必要です。

全ての感染症において日頃から気をつけておくべきポイントは、腸内環境を整えること、深呼吸やゆっくりよく噛んで食べるなど副交感神経を高めること、運動や入浴などで代謝を高めることが大切です。

第2部は在宅訪問管理栄養士 山川より「風邪をひいた時の栄養補給について」お話しました。

風邪のひき始め、発熱時、回復期に分けてご説明しました。ひき始めは免疫力が低下しているので、免疫力をアップし回復へ向かう栄養補給が必要です。特に補給したい栄養素は抵抗力を増進させるビタミンA(卵やチーズなど)、体内でビタミンAをつくるβカロテン(かぼちゃやほうれん草など)、主に白血球を強くするビタミンC(芽キャベツやいちごなど)、適量接種で免疫細胞が活性化する亜鉛(レバーやココアなど)です。発熱時は体がウイルスと戦って熱を発しているので、脱水予防に白湯に海塩(ミネラル含有)を溶かしたものや経口補水液でのこまめな水分補給が重要です。食事が摂れるようになった回復期には消化に良い低脂肪のたんぱく質(湯とうふや納豆など)や柔らかい煮物やスープお浸しなどでミネラルを摂ることが大切です。

アンケートでは、「説明や図表が分かりやすかった」「気をつける事がわかりました」「具体的な食品を確認できました」などのご意見を頂戴しました。

冬はインフルエンザなどの感染症が流行しやすくなりますので、どうぞご自愛ください。

ご参加されたみなさん、ありがとうございました。

※もっと元気が出る講座とは…あいセーフティネットが市民向けに行なっている、健康に関する講座や、住み慣れた地域で最期まで暮らしていくにはどうすればよいかなどを講義する講座

 


2019年12月24日 カテゴリー(あいクリニック平尾): イベント・講座

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